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音楽、芸術、文学、境界線を超えるもの

最近感動したことです。先日Rideが来日し、名盤『Nowhere』と『Going Blank Again』の再現公演を開催しました。自分は残念ながら足を運べなかったが、現場は大盛況だったらしい。日本全国の(全アジアの?)シューゲイズミュージシャンの集まりみたいな場所になって、凄かったです。

自分は、Twitterでそういう場面を見てすごく感動しました。Rideに影響されたバンドはそんなに多いですよね……ってなった。Rideの音楽を聴いたからこそシューゲイズバンドを始めた方もたくさんいると思います。

『Nowhere』は1990年、『Going Blank Again』は1992年に発売されたものですが、その時にまだ生まれていない人にも、海の遠く彼方にいて、文化や育ちが全然違って、言葉すら通じない人にも大きな影響を与えられるのは、どう考えても不思議です。だからRideは凄い、って思ってた。

それは音楽とか、芸術とか、文学とか、世の中で大切なもののすべての力だ。色んな境界線を超えて世界中の人に影響を与えられることです。

Brian Enoの言葉をふっと思い出した。「彼らのレコード(『The Velvet Underground & Nico』)は5,000枚しか売れなかったけど、買った人間は全員バンドを始めた」という話です。確かに、何百万枚も売れたアルバムよりも、断然「国も文化も時代も違うにも関わらず、このアルバムを聴いてバンドを始めた/音楽を作り始めた人がいる」という、人に大きな影響を与えられる、人生を変えるアルバムの方が偉大だと思います。(もちろん、『狂気』など、両方とも達成したアルバムも数多くあると思います。)

それは私達が目指すべきものです。もっと売れるようになるとか、もっと大勢の人に届くとか、もっと良い評価を得るとか、それも大事だけど、時代と文化が違っても成立する、普遍性の高いものを目指さないといけない。

だから人間は音楽と芸術と文学のために生きている。国境と文化と時代を超えるからこそ。

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