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「Breaking the Fourth Wall」プロジェクト始動のお知らせ。


この度、「Breaking the Fourth Wall」という、「アイドル×オルタナティブ音楽」をテーマにしたメディアプロジェクトを立ち上げます。


プロジェクトを立ち上げるまでの経緯

このアルバムやばいなぁ……でもあんまり知られていない

たまにはアイドル界からとんでもない名盤が生まれる。いくつか例を挙げると、Maison book girlの『yume』(2018)、3776の『歳時記』(2019)、RYUTistの『(エン)』(2022)、RAYの『Camellia』(2023)……などなど。いずれも尖ったオルタナティブな音楽性を持ちながら親しみやすい、音楽界を牽引する名盤のはずですが、実際にはそうでもない。まれに例外はあるが、そのほとんどはアイドルファン以外には届いていないのが事実。

個人的には、すごく残念だと思います。「良い音楽」が好きなので、バンドやらソロアーティストやらアイドルやら、音楽が良ければ聴きます。しかし、アイドルを好きにならなかったら絶対見逃しちゃっただろう音楽もあるよな、と思います。

業界の動向と消費パターンの変容

正直に言うと、今日のアイドル業界にはもはや「楽曲派」の居場所がない。いわゆる楽曲派グループの音楽性がどんどん高くなっていく、鋭くなっていく一方、「アイドルの音楽」への関心がどんどん薄れている。

もちろん、アイドルは「音楽だけ」ではない。アイドルは多様なカルチャーなので、必ずしも「音楽」を中心とするわけでもない。しかし、「若くてキラキラ」もアイドルのすべてではない。様々なアプローチ、カルチャーが併存する、それこそがアイドルの魅力だ。

しかし、消費パターンやアイドルの有り方が変わっていく中、「楽曲派」は不利な状況にある。今のアイドルの主な発信手段はもはや「現場」ではなくSNSだ。

特に、TikTokなどのショート動画プラットフォームの発信力が半端ない。アイドル業界の人も音楽業界の人も、「とりあえずTikTokでバズりたい」。短いコンテンツ(もちろん文字数制限のあるTwitterもそう)が主流になったので、「第一印象」がすごく大事になった。リズムは乗りやすいのがいい。歌詞は深くすぎない方がいい。メロディーは中毒性があればOK。難解なスルメ系曲はもはや誰も聴いてくれない。

吉田豪さんの考えに共感する

アイドルもそうだ。顔面が良いと、外見が「キラキラ」だと、TikTokでバズりやすい。曲と振付も「中毒性さえあればOK」な時代になった。TikTokのユーザー層に刺さると特典会に来るファンの数が増える。チェキが売れないと大きなイベントに呼ばれない、もちろん知名度も上がらない。もちろん、TikTokでバズるには何も悪くない。でも、音楽とかパフォーマンスとかに力を入れたのにTikTokで絶対バズらないようなグループがどれだけ頑張っても報われないという現実は良くないと思います。

特に、2017~2019のTokyo Idol Festival(TIF)のライナップと近年のTIFのライナップを比較すると、その変化がちゃんとわかる。昔には楽曲派やら、ボーカル・ダンス・グループやら、「個性派」やら、様々なグループが出場していたが、近年は年々にそういうグループの出場枠が減っている。それは採算的に仕方ないかもしれないが、そういうグループへのダメージがかなり大きいと思います。

先日、アイドル評論家である吉田豪さん(先生?)の文章を拝読し、すごく共感しました。ここに書いてあることと同じようなことです。でも、やはり吉田豪先生の文章力が高いので、是非読んでください。

「The Fourth Wall(第四の壁)」とは?

今、いわゆる「楽曲派アイドル」は困難な状況に陥っている。アイドルファンからの関心がなくなっている一方、インディーズ音楽界にもあんまり知られていない。「音楽界」と「アイドル界」の間には見えない壁がある。

そう。演劇や映画において「第四の壁」というものを思い出した。第四の壁とは、「ステージの上」と「ステージの下」の間に存在する無形な壁です。その壁は実際に存在しないが、「第四の壁を壊さない」のが一般的なルールです。

「アイドル界」とそれ以外の「インディーズ音楽界」の間にもこのような壁が存在していると考えています。近年には増える傾向にあるが、全体的に見るとアイドルとバンド・アーティストが共演する機会が少ない。そして、アイドルの音楽は「音楽ファン」にはあんまり届いていないのが事実です。吉田豪先生によると、映画界の人はアイナ・ジ・エンドの存在をすら知らなかった。BiSHは紅白に出たり、東京ドーム公演も開催・完売されたりしたこともあり、超有名なグループのはずですが、実際には「アイドルファン」の枠から一歩出るとそうでもない。

自分の経験から言うと、去年の11月にRYUTistの『(エン)』が発行された。作家陣は超豪華で音楽性も客観的に言うとトップレベルだが、アイドルファン(と参加ミュージシャンのファンの一部)の間でしか知られていないのが事実です。こんな素敵なアルバムがもっと知られなかったのはすごく残念だと思います。

だから、「もしこの壁をもう少し壊れたら?」という考えが生まれた。そう、その「第四の壁」を壊したいです。だから「Breaking the Fourth Wall」。(自分の好きなプログレッシブ・メタル・バンドDream Theaterのライブアルバムのタイトルでもあります。オマージュだと考えてください……!)

プロジェクトの目標、発信手段など

目標

簡単に言うと、「アイドル」と「インディーズ音楽」の間の壁を壊したいです。少なくとも、「アイドル界」と「音楽界」をつなぐ架け橋になりたい。「アイドルはこんな音楽をやってるんだ……」を発信したい!

発信手段1:ZINE

超原始的な発信手段ではあると思いますが、とりあえずZINEを作りたいです!ライブハウスとかレコード屋とかで配布したいと思います。もちろんコミケ会場とかでの販売もやりたいです。

内容として、アルバム・楽曲の(クロス)レビュー、その他の評論、エッセイはもちろん掲載します。アイドル、アイドル楽曲の創作者、アイドル運営などのインタビューとか、ライブのレポート、写真とかも掲載したいです!!

発信手段2:イベント主催(ライブ・トークイベントなど)

まだ具体的な計画がないけど、イベントを主催したいです。二種類のイベントをやりたいと考えています。

  • 主催ライブイベントは、毎回にテーマを設定し、そのテーマにぴったりしたアイドルグループ・バンド・ソロアーティストなどを招いて対バンライブを開催する。昔sora tob sakanaが主催した「天体の音楽会」や今RAYが定期に開催する「tie in reaction」と大体同じコンセプトです。小規模のイベントをやや頻繁に開催したいと思います。

  • 主催トークイベントも、毎回にテーマを設定し、「アイドル界」と「バンド・音楽界」からゲストを招いて、双方の意見を交流し合うイベントです。

まだ何も決められていないのですが、面白いイベントを主催したいです!

ほか

YouTubeチャンネルとかを始めたいですが、動画の形式で発信するは、今の所では考えていません。

オンラインマガジンとかには興味あります。このうちに作り上げるかもしれない。

ZINE『Breaking the Fourth Wall vol. 0』のお知らせ!

テーマ

試験的なもの(vol. 0)ということで、ちょっとリスクの低いテーマにしたいと思います。テーマは「2023年を振り返る」にします。2023年に発売されたアルバム、発表された新曲のレビューと、テーマに沿ったエッセイを掲載する予定です。

原稿募集中

「2023年を振り返る」をテーマに原稿を募集します。2023年の出来事とか、2023年の良かったライブとか、2023年のトレンドとか、何でも送ってください。エッセイは少し長くても構わないけど、3000〜5000字が上限です。

レビュー募集中

2023年に発売されたアルバム・EPや2023年発表された新曲に対するレビューも募集します。もちろん、「アイドル」のアルバム・EP・新曲に限っています。しかし、「アイドル」は自由に解釈して良い。

短いレビューを募集したいので、500文字以内に収めてください。300文字くらいがベストだと思います。

原稿とレビューは、breakingthefourthwallproject@outlook.comに送ってくれると幸いです。短いものならTwitter(X)のDMでも大丈夫。ペンネームは必ずご記載ください。

発売日

もちろん未定です。少なくとも2024年6月までに出したいけど……

自分について

ただの音楽ヲタク&アイドルヲタクです。自己紹介が多分つまらないので、その代わりに好きなアルバムをいくつか書かせてください。

好きなアルバム(アイドル以外)

  • Radiohead『Kid A』

  • Pink Floyd『Wish You Were Here』

  • Sigur Rós『Ágætis byrjun』

  • Slowdive『Souvlaki』

  • Boards of Canada『Music Has the Right to Children』

  • Sweet Trip『Velocity:Design:Comfort』

  • Wilco『Yankee Hotel Foxtrot』

  • Black Country, New Road『Ants from Up There』

  • Number Girl『Num-Heavymetallic』

  • Cornelius『Point』

  • Supercar『HIGHVISION』

  • Asian Kung-Fu Generation『ファンクラブ』

  • モーモールルギャバン『野口、久津川で爆死』

  • For Tracy Hyde『he(r)art』

  • 君島大空『午後の反射光』

  • カネコアヤノ『燦々』

  • (他にもたくさんあるので割愛させていただきます。)

好きなアルバム(アイドル)

  • Perfume『JPN』

  • ももいろクローバーZ『5th Dimension』

  • 東京女子流『Limited Addiction』

  • バニラビーンズ『バニラビーンズII』

  • 3776『3776を聴かない理由があるとすれば』

  • sora tob sakana『sora tob sakana』

  • Maison book girl『yume』

  • カイジューバイミー『純白BY ME』

  • ばってん少女隊『九祭』

  • RYUTist『(エン)』

  • airattic『airattic』

  • RAY『Camellia』

  • (他にもたくさんあるので割愛させていただきます。)

連絡先

もし質問、コラボの誘い、業務連絡などがあれば、メールか、Twitter(X)のDMで連絡してください。noteの「クリエイターに問い合わせ」機能を使っても大丈夫です。

コラボの誘い、出演リクエストなどは、大変嬉しく存じます!

メールアドレス:breakingthefourthwallproject@outlook.com

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