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3-3.医療従事者のためのストレスマネジメント

(特集 新型コロナウィルスに負けないためのココロの道具箱)

竹田伸也(鳥取大学医学部准教授)

新型コロナウィルス感染拡大のなか,医療従事者の皆さんは恐怖と不安を感じながらも,一人でも多くの患者さんを守るために日夜奮闘しています。
医師・看護師・事務職員など,医療現場で働く方々は,自分や大切な人が感染するかもしれない恐怖と不安を抱えながら,それでもなお病にある人のためにご自分の職務を果たそうとしています。

防護服やマスク等,感染防御のために必要な医療資材が十分に確保されないなかでの医療活動は,想像を絶するストレスをもたらしていると思います。場合によっては,一部の市井の人々からの偏見や差別に苦しんでいる方もいらっしゃると思います。そうした状況下で職務を遂行することは,当事者以外が想像できる以上の過酷さを伴うことでしょう。

こうした終わりの見えづらい強いストレスに曝されると,さまざまなストレス反応に見舞われることがあります。

そうした諸反応が現れたとき,それがストレスに伴うものであることを理解しているのとしていないのとでは,自分にかかる衝撃は違ってきます。以下で紹介するコンテンツのなかでは,まずこうしたストレス状況下で生じやすいストレス反応について解説しています。そのうえで,それぞれの反応に対して,無理せず実践できる対処(コーピング)について紹介しています。臨床心理学を専門とする方が読まれると,これらのコーピングは,「リラクセーション」「動作法のタテ系課題」「マインドフルネス」「セルフコンパッション」などを応用しているのがおわかりいただけると思います。

ここで紹介しているコーピングは,「これならできそう」と医療従事者の皆さんに思っていただけるように,日常生活でのアクセスのしやすさを最大限考慮しました。それは,どんなに有効な手立てであっても,「こんなのムリ」と少しでも思うと,実行に対する動機づけが下がってしまうからです。ましてや,コロナ禍に伴うさまざまな余裕の乏しい状況では,そうした視点が強く求められると考えました。

ベッキー

終わりが見えづらい強いストレスに対処するための道具箱

コンテンツは,「【医療現場で働いているみなさまへ】終わりがみえづらい強いストレスに対処するために」と名づけました。

ここに紹介するコンテンツは,医療現場で働いているすべての方を対象としています。
資料は,個人でご利用いただいても,院所で共有し組織単位でご利用いただいても構いません。ご都合のよいようにお使いください。

ここで示すコンテンツのおわりにもあるように,精神的につらい状態が続くようでしたら,我慢をせずにお近くの専門家(精神科医・心理師等)に相談するようにしてください。

(編集部注:竹田先生の資料を以下に貼り付けます。全貌は下記サイトにあるPDFをダウンロードしていただけますと,ありがたいです。)

https://researchmap.jp/multidatabases/multidatabase_contents/detail/267358/f3f5af3fd94c52e7a5aa0b4ac0cb19b7?frame_id=388979

【医療現場で働いているみなさまへ】終わりが見えづらい強いストレスに対処するために(1)_ページ_1


【医療現場で働いているみなさまへ】終わりが見えづらい強いストレスに対処するために(1)_ページ_2

【医療現場で働いているみなさまへ】終わりが見えづらい強いストレスに対処するために(1)_ページ_3

【医療現場で働いているみなさまへ】終わりが見えづらい強いストレスに対処するために(1)_ページ_4

参考文献
竹田伸也著:『クラスで使える!ストレスマネジメント授業プログラム──心のメッセージを変えて気持ちの温度計を上げよう』遠見書房,2015年

竹田伸也著:『マイナス思考と上手につきあう認知療法トレーニング・ブック』遠見書房,2012年

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