17-2．公認心理師試験なんて怖くない
（特集 心理職の未来を創る）
下山晴彦（東京大学教授／臨床心理iNEXT代表）
Clinical Psychology Magazine "iNEXT", No.17
１．コロナ禍に負けずに心理職の未来を創る
新年度がスタートして，早くも２週間ほど経ちました。風光り，新緑が眩しい季節となっています。例年であれば，５月連休の予定も決まっている時期です。今年の夏休みの計画をどうしようかと考え始めている頃でもあります。
しかし，今年は，今後の予定がたちません。コロナ感染者はむしろ増加傾向にあり，オリンピックでさえ先行きがままならない状況です。そのようなコロナ禍の中で「心理職の未来を創る」にはどうしたらよいでしょうか。
心理職の未来を担うのは，若い人たちです。多くの若い人たちが心理支援に興味をもち，大学や大学院で心理学や臨床心理学をしっかり学び，試験に合格して資格を取得する教育環境を整えることが，心理職の未来を創る土台となります。
それとともに専門技能を高める研修機会を提供し，心理職が社会のニーズに応える実力をつけていくことが，心理職の未来を創るための骨組みとなります。
そこで，臨床心理iNEXTでは，４月研修会に続き，５月の研修会を企画し，参加者の募集を開始しました。コロナ禍に負けないという気持ちを込めて「五月晴れ研修会」を銘打ちました。そして，今回では，「五月晴れ研修会」の第一弾として公認心理師試験の対策研修会の募集開始のお知らせをします。
【広告欄：おススメ４月研修会】
◆Wechsler式知能検査の活用法：発達障害臨床を中心に
【講師】糸井岳史先生／高岡佑壮先生
【日時】４月25日（日）14時～17時
・iNEXT有料会員（無料）⇒https://select-type.com/ev/?ev=mTkAjWrnELI
・iNEXT有料会員以外（3,000円）⇒https://select-type.com/ev/?ev=IBQC2883T7Y
２．「五月晴れ研修会」のお知らせ
臨床心理iNEXTでは，５月の研修会として，以下の３つのイベントを企画しました。①については，以下で参加受付ができます。詳しい内容は本号で解説します。
②は来週，③は５月初めに参加者の募集を開始します。
①第４回公認心理師試験合格に向けて
─難問・奇問・愚問に負けないために─
［日時］５月２日（日）13時～16時
②解決志向ブリーフセラピーの基礎と技法
［日時］５月16日（日）13時～17時
［講師］黒沢幸子（目白大学）
③オンライン事例検討会の活用法
［日時］５月30日（日）午前９時～12時
［講師］大谷 彰（米国Spectrum Behavioral Health）
下山晴彦（東京大学）
【対話集会型シンポジウム】 （募集開始！）
■第４回公認心理師試験合格に向けて
─難問・奇問・珍問に負けないために─
［日時］５月２日（日）13時～16時
［参加費］無料
［参加人数］先着200名まで。臨床心理iNEXT会員優先
［申込み］⇒https://select-type.com/ev/?ev=pnv21P2MEcw
［プログラム］
第１部 公認心理師試験なんて怖くない
・難問・奇問に屈しない取り組みと戦略
［講師］宮川 純（河合塾KALS）
・公認心理師試験に向けた学習の断捨離のススメ
［講師］髙坂康雅（和光大学）
第２部 上手に，楽しく試験に取り組もう
・動画を用いたラクラク（楽々）勉強法
［講師］下山晴彦（東京大学）
・講師３名と参加者の質疑応答
［回答者］宮川・高坂・下山
３．「公認心理師試験」対策シンポジウム
─企画者の下山からのメッセージ
第４回公認心理師試験は，９月19日（日曜）に実施が決まっています。残るは，あと５カ月です。既に受験の手引きの受付開始が始まっております。そろそろ受験勉強の計画を立てる時期ですね。そこで，「第４回公認心理師試験合格に向けて─難問・奇問・愚問に負けないために─」では，公認心理師試験の合格に向けての勉強のコツを受験指導のプロが伝授します。
今年受験する人だけでなく，大学や大学院で公認心理師を目指して勉強している学生の皆様，さらに公認心理師養成カリキュラムの教員として学生の指導をしている皆様も，とても参考になる企画です。参加者の皆様からの質問を受けて講師と皆様との対話を重視しますので，公認心理師試験やそのための準備に不安のある人は，ぜひご参加ください。
既に臨床心理マガジンでも特集したように公認心理師試験には，難問，奇問，珍問が出題されて受験生を苦しめます。若い人たちは，受験勉強のときから，過去問を解く中でそのような問題に直面し，不安をかきたてられます。
過去問をみて心理職になることを諦める人も出てくるでしょう。試験で失敗してトラウマ経験となる人もいるでしょう。また，試験問題は，実際の臨床実践とは乖離した内容となっている場合があり，現場の活動についての誤解を生じさせる危険もあります。その結果として，心理職の仕事に夢を持てなくなってしまうこともあるでしょう。
しかし，どうも公認心理師試験は，単純に難しい試験ではないようです。難問，奇問，珍問に目が行きがちです。しかし，それらを外してみると，残るのは意外と単純で答えやすい問題なのです。したがって，難問・奇問・珍問に惑わされずに試験に向き合うことが肝心なのです。
難問，奇問，珍問に振り回されなければ，試験勉強を通して，心理職に必要な知識の本質を学ぶことできます。そこで，５月２日（日）の対話型シンポジウム「第４回公認心理師試験合格に向けて─難問・奇問・愚問に負けないために─」では，そのような，無駄のない，そして将来の心理職の活動にも役立つ試験勉強をするのはどうしたらよいかを皆さんに伝授します。
５．宮川純先生からのメッセージ
第４回試験（9/19実施）を受験予定の方々は，現在，どのように対策や準備を進めていらっしゃるでしょうか。公認心理師試験は，大学・大学院で心理学を専攻した学生であっても解けないような難問・奇問が散見されるため「とにかく頑張ればどうにかなる」では，どうにもならない可能性が十分にあります。また，がむしゃらに頑張るだけの勉強では，試験に向けたモチベーションを維持することが難しいのでは，と思われます。
そこで本シンポジウムにおいて私（宮川）は，「難問・奇問に負けないための勉強」「傾向分析に基づく得点シミュレーション」をお伝えすると共に，参加者の方々からの質問にお答えすることで，試験に向けたモチベーションづくりを支援したいと考えております。
第４回試験を受験予定の大学院修了生や現任者の方々はもちろんのこと，受験生の支援に関わる大学教員の方々や，これから公認心理師を目指す学生のみなさまも含めて，幅広い方々の参加を心よりお待ちしております。
６．髙坂康雅先生からのメッセージ
第４回試験（9/19実施）まで半年を切りました。参考書や問題集を手に焦っている人も多いのではないでしょうか？ 第３回試験など過去問を解いて，できなかった問題を徹底的に調べている人もいると思います。
でも，公認心理師試験では，満点を取る必要はありません。できない問題があって焦るのは，満点主義に陥っているからではないですか？ いっそのこと，学習の断捨離をしませんか？
本シンポジウムでは，みなさんを満点主義から脱出させるために，学習の断捨離を勧めたいと思います。また，事例問題についても解答パターンを（少しだけ）お教えしたいと思います。これで７割は正答できるので，第４回試験受験予定者のあなたも，それ以降の試験を受ける予定のあなたも，きっと合格できます。
……苦手なところを捨てれば，合格はできるかもしれないけど，公認心理師としてそれでいいの？ 学習の断捨離の落とし穴についても一緒に考えてみましょう。
８．平木先生「アサーション」研修会受付中！
今回の特集は，心理職の未来を創るための５月研修会のお知らせでした。ところで，４月後半の研修会の受付もしています。平木先生にアサーション・トレーニングを直接教えていただける貴重な機会です。まだ，下記の研修会の受付をしていますので，ぜひお申し込みください。
◆アサーション・トレーニング：ベイシック・コース
【講師】平木典子先生
【日時】４月18日（日）13時～17時
【申込】
・iNEXT有料会員（無料）⇒https://select-type.com/ev/?ev=Uib2lKfajNs
・iNEXT有料会員以外（3,000円）⇒https://select-type.com/ev/?ev=DoH5ZDGb0PU
◆アサーション・トレーニング：アドバンス・コース
【講師】平木典子先生
【日時】４月25日（日）９時～13時
【申込】
・iNEXT有料会員（4,000円）⇒https://select-type.com/ev/?ev=S0MEkukOR5I
・iNEXT有料会員以外（8,000円）⇒https://select-type.com/ev/?ev=iNBkPw95bJ8
■デザインby 原田 優（東京大学 特任研究員）
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臨床心理マガジン iNEXT 第17号
Clinical Psychology Magazine "iNEXT", No.17
◇編集長・発行人：下山晴彦
◇編集サポート：株式会社 遠見書房