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結婚式が挙げられない!?

国際結婚する予定で申請しているのですが、申請が長くて心が折れそう。2020年1月から申請を始めたものの、まだ結婚できていません。長くかかっているのには理由があり…。自分メモですが、同じような境遇の人もいるかもと思い、(私は困った時にぐぐりまくるので)現状についてここに書き残しておきます。誰かの役にいつか立てれば…と思いますが、こんなに複雑な状況で結婚する人なかなかいなさそう。

重要単語にはできるだけイタリア語の単語を併記しておきます。


※注意※

●これを書いているのは2020年6月5日です。イタリアでは法律(legge)が変わるなどして時期によって状況が変わります。

●当方イタリア滞在6年目となる日本人で、労働滞在許可証(permesso di soggiorno)を持っています。

●(コロナウィルスの影響を受けて)失職しました。

●ローマ在住でローマで式を挙げます。ですのでローマでの状況です。

●婚約者はローマ生まれのイタリア人です。

●私はローマに住民票(residenza)があり、また納税者番号(codice fiscale)と国民健康保険証(tessera sanitaria)も持っています。

●先々の役所で提出したものも書いておきますが、念のため私は身分証の類(パスポート、滞在許可証、健康保険証)とそれらのコピー、それからそれまでの申請で出されてきた書類のコピーを常に持っていきました。

●私の情報だけでなく、他のサイトさんも沢山ぐぐっていただいて、参考になさってください。もちろん情報は各役所の指示に従ってください。


イタリア方式による婚姻について(在イタリア日本国大使館@ローマ)

https://www.it.emb-japan.go.jp/nihongo/ryoujijouhou/konin%20in%20Italia.htm

まずはこちらのページをご覧ください。国際結婚は、大使館、市役所/教会の指示に従って手続きを進めていきます。それらの指示が記載されているのがこのページです。


 【市役所方式での結婚】

●日本と違い、イタリアでは教会(chiesa)市役所(comune)結婚式(matrimonio)が行われる。どちらかを選ぶ。

●自分達の場合市役所でしよう、ということを婚約者と決める。ですので以下は役所方式の結婚の流れとなっていきます(もろもろあって複雑になってしまうが…)


【戸籍謄本の取り寄せ】

●1月2日 日本の市役所で戸籍謄本(戸籍全部事項証明書)と全部事項証明及び改製原戸籍(certificato di nascità)を取得し、その原本をイタリアの私の自宅へ送ってもらうよう親に頼む。

●1月8日 EMS(国際スピード郵便)で戸籍謄本・全部事項証明及び改製原戸籍を送ってもらう。

●1月15日 戸籍謄本・全部事項証明及び改製原戸籍が届く。


 【ヌッラオスタの入手】

1月24日 戸籍謄本・全部事項証明及び改製原戸籍を持って在イタリア日本国大使館(l'ambasciata del Giappone /Consolato)に行き、婚姻要件具備証明書(nulla osta)* の申請を行う。 *以下ヌッラオスタとする。

●この書類によって、日本で独身であるということの証明となる。

●婚約者と一緒に行く必要はない。(もちろん一緒に行ってもいいけど)

●申請には一日かかる。


*提出したもの*

1.私のパスポート(passaporto)

2.婚約者の身分証明書(carta d'identità) コピーでもいいそうです

3.戸籍謄本と全部事項証明及び改製原戸籍の両方を1通ずつ

 

2月4日 ヌッラオスタを大使館に取りに行く。申請料9ユーロを払う。現在は10ユーロのようです。


【県庁でヌッラオスタの認証を受ける】

●2月11日 県庁(prefettura)に行き、ヌッラオスタの認証(Legalizzazione)を受ける。ざっくり言えばスタンプとサインもらうだけ。すぐ終わる。婚約者と一緒に行く必要はなかった。予約は必要なかった(ミラノは予約が必要なのかな?)

*提出したもの*

1.ヌッラオスタ

2.手数料 事前にタバッキで購入しておいた16ユーロの収入印紙(Marca da bollo)

3.私のパスポート


【市役所で結婚の申請をする】

●2月19日 自宅近くの市役所に行き、結婚する旨を伝え、結婚の申請を行う。

*提出したもの*

1.私と婚約者の身分証明書

2.ヌッラオスタ

3.婚約者の出生証明書(市役所なので、その場で検索して作ってくれる)


―――3月10日夜、コロナウィルスの影響により外出制限の政令(decreto)が出る

コロナウィルスの影響が出るまで、結婚の申請のプロセスはかなり順調だった。この政令発令後、市役所や郵便局等のサービスが制限され、プロセスに遅れが出てくる。


【結婚の公示】

●市役所のサイトで「この人とこの人結婚しますよ」という、名前や誕生日、国籍などの情報が掲載=公示される。確認。私達の場合は公示期間は3月12日~19日だったようだ。


【結婚式の予約→出生地問題が発覚】

●5月21日 これまでの書類全部持って、市役所 (Via Luigi Petroselli, 50) で、結婚式の日付の予約(prenotazione)をする。7月末に挙式することにする。コロナウィルスの影響で、市役所の結婚式を行う会場(sala)には、私達2人+立会人/証人(testimone)2人+8人しか入れないという。また、当日手数料150ユーロを払った領収書を持っていかなければならない。


しかしここで、重大なミスが発覚。

市役所の窓口対応してくれた女性曰く、なんと書類上で私の出生地(luogo di nascità)が二つあるというのだ。滞在許可証にはA市、ヌッラオスタにはB市とあると。

どういうことか?? そういえば、思い当たることがあった。

戸籍抄本を取り寄せた時、私の出生地が、日本の住所であるA市(本籍地)でなく隣町のB市とあったので、不思議に思い、親に連絡した。親曰く、出産に強い病院がA市にないのでB市で出産したとのことだった。私は生まれてから引越しもしたことなくずっとA市で育っていた。

その時はへーそうだったのかあ、知らなかったなあなんて思っていたのだが。


問題となった点は次の通りである:

問題1. イタリアに最初に滞在許可証を申請した時に、A市で産まれたと思っていた私は何も疑わず「出生地」にA市と書いて申請してしまう。そして、滞在許可証の申請には出生証明書(certificato di nascità)が求められないため、間違ったA市のまま通ってしまう。

ということで滞在許可証にA市、ヌッラオスタにはB市とあるが(ヌッラオスタにB市となっているのは、戸籍謄本を元に作ったものだから)こちらとしては公示も終わったわけだしとりあえず結婚式の日にちの予約はできるのでしましょうということで、予約はしました。


その日はもやもやとしたまま帰宅。

次の日、彼氏のお父さんや、彼氏の友達(その友達の彼女も外国人で、似た様な問題でそっちはそっちで大変なことになっていた)と相談し、このまま結婚すると書類に問題があるまま通ってしまうかもしれない、やはり結婚前に何かしら作業しておいた方がいいのではないか、ということになる。


【第二第三の問題発覚】

そして5月25日、今度は市役所でルイージという窓口の人にあたる。このルイージという人がほんとにいい人でもう。

話をきいたあと、ルイージは次の問題2・3について気づく:

問題2. 結婚にあたり、婚約者二人の名前等の情報が公示された。では公示に掲載された私の出生地はなんだったのか?ということでルイージがこれまたミスを発見。

そこには間違った方の出生地・A市と書かれて公示されてしまっていたのだ。

→私がここでA市は間違いであると認識していなかった & 市役所の担当者がヌッラオスタではなく滞在許可証の記載に従いA市と書いてしまったため。せめてここで私が問題に気づいたり、市役所の担当者が気づいて知らせてくれれば…


問題3. さらにパスポートには、出生地はなく本籍地の記載しかないではないか!!

日本では本籍地が重要であり、私の知る限り出生地が書類に必要だったことは人生でおそらくない(結婚の時?とか遺産問題の時ぐらいなのでは?)。しかしイタリアでは、本籍地よりも出生地が大大大大事なのである。何か書類を作る時まず聞かれるのは名前、誕生日、出生地、税務番号、そして本籍地と続いていく。出生地が間違っているとしたらこの国では何もできないのだ。ルイージからは、ローマで生まれた人が、どこだ、ヴィテルボで生まれたとなぜか書類に書いちゃったようなもんだぞ、そんな人いない、そんなことありえない!どうすんだ!!と言われちゃった。

ちなみにイタリアでの国際結婚には、パスポートを元に結婚することはできない。滞在許可証を元にするのだそうだ。なので滞在許可証が間違っているという時点で無理ゲーである。


ルイージが提示してきた解決案:

1. 日本国大使館に連絡して、「書類上でA市B市と異なる出生地の記載があるが、同一人物である」という旨のレター(lettera)の作成を依頼し、それでもって結婚をする。

2. 結婚した後、滞在許可証を新たに作らなければならないわけだが、その時に正しいB市で申請する。


なるほどと思い、私達は市役所を後にする。

そして私はもう一つ思いつく解決案として、知り合いの弁護士(avvocato)のマリオに電話することを思いつき、すぐさま電話する。マリオの専門は滞在許可証。マリオも、ルイージと同じ解決案を言ってきたため、じゃあこれがベストなのだなと思い、大使館にメールする。


しかし、大使館の返答:

そのレターは作成できない。なぜなら、大使館で作成するレターというものはなんらかの書類に基づいて作成するものだから。A市で産まれたという記載のある公的書類がない限り、作成はできない。よって、滞在許可証の出生地を訂正してから結婚するように。

とのことであった。

滞在許可証の訂正が先ですと??イタリアで滞在許可証の入手や更新には余裕で二ヶ月とか三ヶ月とかかるんですけど…と思うものの、どうしようもない。

弁護士マリオに電話してみたところ、他の国ではやってくれるのに日本ではやらないのか、マジかよと言われる。


【滞在許可証の期限が切れる!】

さらに私にはさらなる不安があった。それは秋に現在の滞在許可証の期限が切れるということである。

弁護士マリオに相談。

現状を報告。失職したので滞在許可証の更新はできないし、秋までにフルタイムの仕事が見つかり契約書(contratto di lavoro)が出るわけはない。ということは、秋に期限が来たら一度日本に帰国し、もう一度入国し、滞在許可証を一から作り直すか、滞在許可証はあとでやるとして結婚のプロセスを進めていくという方法しかないのではないか?

すると、マリオ曰く、休職中の外国人が申請できる滞在許可証(permesso di soggiorno in attesa di occupazione)があり、それが私の場合に当てはまるので、それでいこう!ということに。

期間は1年間なので、余裕で結婚式もできる。

ということで、滞在許可証の訂正と共に新しい滞在許可証の申請も併せてするように、とのこと。 これでなんとかなるのかな?


【滞在許可証訂正→結婚式という長い道のり】

6月1日 大使館からの返答をもって市役所のルイージの元に戻る。

ルイージびっくり、日本はこのレターを書いてくれないのか!なぜなんだ!とのこと。


もはや私達に残った解決策は以下の通り:

1. 滞在許可証の出生地の記載の訂正申請をする。併せて失職した外国人用の滞在許可証も申請する。

2. 新しい滞在許可証を元に、結婚式の申請を、公示の所からやり直す。


まあちゃんと考えればその通りなんだけど… しかしこの流れでは何ヶ月もかかるの必須、さらにはコロナウィルスの影響で様々な機関がストップしている可能性があるため通常よりさらにかかるであろうとのこと。

結婚は、申請してから6ヶ月以内に挙式をあげなければならないため(6ヶ月以降に挙式することとなったら、申請は最初からやり直し)ルイージの手わざで11月まで挙式できるよう延長してもらう。


ということで、まず1の「滞在許可証の出生地の記載の訂正申請」に入りたいところであるが…

滞在許可証の訂正には:

1. 出生証明書を作成するため、日本の親に頼んで戸籍謄本と全部事項証明及び改製原戸籍の原本を私の自宅に送ってもらう。前もヌッラオスタで送ってもらったやつがあるじゃん?とお思いかもしれませんが、3ヶ月以内に取ったものでないといけないため、前のはすでに期限が切れているのである…

2. 送ってもらった戸籍謄本を日本国大使館に送り、イタリア語の出生証明書を作成してもらう。

3. 郵便局(posta)で入手できるキット(kit)と呼ばれる書類に記入して、郵便局から警察署(questura)に郵送する。この書類に出生証明書を添付するのかな?警察署に出頭時に持っていくのかな?

4. 警察署が作業して、指定された日時に出頭する。


…といった感じなのですが、まず、

コロナウィルスの影響で、警察署のキットの受付作業がストップしており、8月31日まで再開しないらしい(再開する時期が早まる可能性もあるので、要確認)。現状、9月になるまで申請ができない…

そして、親から戸籍謄本を送ってもらう件。今、イタリアの郵便局がコロナウィルスの影響で日本からの航空郵便を受け入れていないため、航空便は駄目、船便ならありだが一体どのくらいかかるかわからないとのこと。船便はなしにしよう、仕方なしに民間サービスから送ってもらおうと父がコンタクトを取っているところ ←今ココ6月5日


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結婚式の流れ、私達の場合以上のような感じです。

以前労働滞在許可証の書類をそろえた時も大変だったけど、今回もまあ大変です。コロナウィルスにとどめを刺された感じ、ウワー! でもなんとかなるだろう、がんばります~! 各種書類と戦っているイタリア在住の皆様もがんばってください…


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【追記6月9日 親から戸籍謄本を送ってもらう件】

父とコンタクトを取り、クロネコヤマト国際宅急便で戸籍謄本を送ってもらいました。なんでも、郵便局の郵便物は旅客機を使って運ぶため、旅客機の本数が少なくなっている今はサービスを停止しているが、クロネコヤマトはアメリカの貨物専用機で運ぶため停止していないらしい。なるほどー!

今後も現状報告していこうと思います。


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