漢方薬ララバイ
カランコロン… あらいらっしゃい。
お客さん、顔に「冷たいビールが飲みたい」って書いてあるわよ。
え? 洒落たカクテルが飲みたい?
バカね。私が客の要望をすんなり聞くほど、軽い女に見えて?
はい、ビール一丁~。
え?後ろにある「103」の袋はなんだって?
漢方薬よ。漢方薬。これが粉ジュースかなんかに見える?!
本当に野暮な質問ね。
でもそういうところに気づく鋭いアンタ、嫌いじゃないわ。
「酸棗仁湯(サンソウニントウ)」っていうらしいわ。
更年期で眠れませんっていったらお医者さんが出してくれたんだけど、
飲んだ当日は、もう見事にコテッと眠れたのよ!
けど、すぐ簡単に眠れた自分のチョロさが嫌になったのよね。
「眠れたのは漢方薬のおかげじゃない。私が騙されやすい女だから」
そう思ったら、2日目から飲んでもぜんっぜん眠れなくなっちゃったのよ(泣)
いやー、ビビったわよね。
そして、このうえなく後悔したわ。
なぜ103番を、あのまま素直に信じておかなかったのかって。
漢方薬の作用だろうが、私がチョロかろうが、結果眠れたんだからオッケーだったのよ!!
でも、過ちの日々は戻ってこないわ…。
何が言いたいかって、
愛を信じすぎるのは、危険。
夢を信じすぎるのも良くないわ。
けどね。
漢方薬は信じたほうがいいわ。
って、ちょっと自分でも何言ってるかわかんなくなってきたわ…。
とりあえず、最後までこの話を聞いてくれたアンタの忍耐力に乾杯よ。
乾杯ブラボーティンティングラッツェ…
このビール、かなりんまいわよ!
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