見出し画像

ジャック・アマノの“アメリカ NOW"空前のパンデミックでRVブームが到来

 ついにアメリカのコロナ・ウィルスによる死者は15万人を超えた。それなのに大統領、“マスクはCOVID-19に対して効果がない”とか、“ハイドロキシ・クロロキン(マラリア薬)が実は効果絶大”とかの誤情報を発信。「そんなもの効かないし、飲んだら死ぬ可能性も!」と政府機関が国民に訴え、ソーシャル・メディアは“インチキ情報”として掲載を拒否。この3年半、彼には何度も呆れて驚く体験をさせられてきたが、パンデミック対応は無責任かつクレイジー。しかし、まだ11月の選挙で再選される可能性があるっていうんだから、いったい何がどうなっているのか。
 今は人口も人口密度も感染者数も少ないサウス・ダコタ州に疎開中。長いことアメリカを回っているが、この州に来たのは初めて。このところ感染数が増えていないので、数字だけ見ると安心しがちだが、昨日到着したスー・フォールズっていう町、その起源である滝に行ったら、すぐ隣りに生肉工場があった。4月に大アウトブレイクを起こした工場だ。

 イリノイで始まった今回の渡米は、ウィスコンシン、ミネソタ、アイオワと訪れて、サウス・ダコタが5州目。フリーウェイを走っていると、夏休みの時期でもあるし、本当にたくさんのモーターホームを見かける。そして、そのほとんどは、おそらくレンタルじゃない。アレを買える財力も凄いが、使わない時はどこに停めてるんだ?

自転車満載のモーターホーム。これは小型の部類(タイトル写真) 

 家に停めておくスペースがあるとしたら、それもまた凄い……などと考えていたが、自宅に広大な敷地がある人は庭とかで保管するけれど、預かってくれる専門店があるらしい。

画像1

ワゴンタイプの乗用車で大きめのポップ・アップ・キャンパーを牽引中

画像7

ダブルキャブの大型ピックアップにポップ・アップ・キャンパー。これはエアコン装備だ。アメリカのキャンプ場には電源付きサイトも多いので

大きな倉庫みたいなところで屋内保管をしてくれる。維持費も結構かかるわけだ。日本でもたまに見るミニヴァンを改造したぐらいのRVだったら、アメリカならガレージ前のドライヴウェイ脇に置いておける。

画像2

フリーウェイのレスト・エリアに並んで停められていたポップ・アップ・キャンパーx2。右はエアコン付きで、キャンパー自体の全長も長いけれど、これより長いタイプもある

画像6

大型ピックアップとトラヴェル・トレーラーの組み合わせ

しかし、最近のアメリカで見かけるのは、バス並みに大きい豪奢なモーターホームや、ピックアップ・トラックで牽引する巨大キャンパー(フィフス・ウィールとかトラヴェル・トレーラーと呼ばれる)。そういうのがよく売れている印象だ。

画像3

ジープ・チェロキーと連結されたまま住宅街に停められていたクラシカルなキャンパー 

世界でぶっちぎりナンバーワンのパンデミックによって、アメリカではRVが記録的セールスを記録、なんてニュースを最近聞いた。緊急事態宣言、ステイ・アット・ホーム令が3月に出されて家にずっと閉じこもらされていた”自由の国”の富裕層は、5月に入って経済再開が始まると、「家族で使うからホテルより安心!」とRV購入に雪崩を打った。 

画像4

ガス・ステーションで休息中のピックアップ&フィフス・ウィール。アメリカで見ると気にならないけど、実はかなり巨大

 友人のひとりが一番お手頃な”ポップ・アップ・キャンパー”ってタイプを中古で購入。別の夫婦もレンタルで試しておおいに気に入り、購入を真剣に検討中。新品なら1~2万ドル。中古なら2,000〜5,000ドルで買える。

画像5

三輪のポラリス・スリングショットでポップ・アップするのか不明のキャンパーらしきものを引っ張り旅する老夫婦。奥様の膝には小型犬1匹。雨が降ったらどうするんだろう??

家ごと移動しちゃうようなフィフス・ウィール、トラヴェル・トレーラーになると、内装とか、装備とかがフル・カスタムできるので値段の幅は広い。新品で4万ドル台の上の方(およそ500万円)のも見たが、10万ドル(1千万円以上)近いものも……。使わない時は専門業者に預けとく……ぐらいの維持費、全然平気な人たちのものだ。

以上 第17回 終了 

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?