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民主主義か軍事政権の再来か


第一回大統領選挙討論会の様子

プラボウォがリードしているものの隠すことのできぬ最悪な過去

プラボウォ国防相は現在43%とアニス氏とガンジャル氏を抑えて高い支持を得ている
きっかけはかつて2014年と2019年の選挙で政敵だったジョコ大統領から後継者として指名されたからだ
それにより高い政権支持を得ているジョコ大統領からプラボウォ候補へと支持が流れて行っている
さらにはジョコ大統領の長男であるソロ市長のギブラン氏はプラボウォ国防相の副大統領として出馬した
しかしプラボウォ陣営はリードしているものの、スハルト政権末期に加え、選挙直前から今に至るまで次々と不祥事を起こしている
そしてその不祥事はプラボウォ氏の政権到来は独裁政権の到来を意味するのではないかという疑念が国民から上がっている

プラボウォ氏の過去

プラボウォ氏はスハルト大統領の娘の夫であり、さらにスハルト大統領において重要な人物だった
なぜならプラボウォ氏はスハルト政権を維持するためのカギだからだ
スハルト大統領は開発独裁を実施しており、自身と対等する大統領候補者や政権に不満を抱いていた人を粛清していた
政権末期にはその粛清を実施をしていたのがプラボウォ氏だ
スハルト政権の末期といえばソ連が崩壊し、中国などの東側陣営では民主主義を求める世界情勢だ
そんな中独裁政権を運営していたスハルト政権にもその風向きが来ており、インドネシアにも民主化運動が起きるようになっていた
そこで多くの若者が殺害されたり拉致をし、行方不明になっており、その指示役だったのがプラボウォ氏だ
結果的にスハルト大統領は辞任し、政権が崩壊したあとプラボウォ氏は海外に亡命したが数年後インドネシアに帰国した
このことについて、2019年にジョコ大統領と2024年にアニス候補やガンジャル氏に追及されているが、あいまいな回答を続け、責任を取る気はなさそうだ

2019年不正選挙騒動

プラボウォ氏は2019年の選挙でジョコ大統領に落選したことで、結果発表の翌日「ジョコ陣営は様々な不正選挙を行った」と発言し、ジョコ二期目内閣が発足されるまで支持者によるネットでの攻撃や警察署を襲撃、さらにジャカルタで多くの支持者が抗議デモを起こし、警察が鎮圧しようとする際には暴徒化し、何十人もの死者をだし、中には中高生の死者や逮捕者がでていた
アメリカではトランプ大統領が不正選挙を訴え、支持者が議会襲撃などが起きていたが東南アジアのインドネシアではそれ以上のことが起きていた
しかしジョコ大統領が新内閣を発足した際、突然とプラボウォ氏が国防相として入閣することが決定し、この多くの死者を出した騒動の責任をとらずに、自身の副大統領候補だったサンディアガ氏とともに入閣を果たし、支持者から多くの批判を招いた

国防大臣としての資質

国防大臣としてはもちろんいい実績も出しているが、悪い実績でいえば本来ただじゃすまない責任問題を出している
三つの例をあげよう
プラボウォ氏は国防相として借金を抱えており、シンガポールをはじめ、アメリカ、日本、中国、香港の政府から合計146.56億ドルの借金を抱えている
さらに財務省から500兆ルピアを軍事力強化のため投資されたが、すべて海外からの中古品の戦車、戦闘機、戦闘ヘリ、軍艦、弾薬や銃の購入に使い果たした
そして無理難題で低予算でかつてドイツから購入した潜水艦の修理を韓国に依頼し、2021年にそのまま潜水艦をバリ島から航海させ、結果沈没し乗員53人の死者を出した責任をプラボウォ国防相はとっていない
上二つに関しては第三回の討論会でプラボウォ候補は他二人の候補から追及されたが「国家機密だ」といって回答を逃れた
ちなみにこの追求したアニス候補とガンジャル候補をプラボウォ候補は「名誉を傷つけられた」として二人を訴訟することを明らかにした

ギブラン氏の出馬は本来憲法違反

ジョコ大統領の長男ギブラン氏は今回副大統領候補として出馬しているが本来は憲法違反であることを見逃してはいけない
そもそも本来インドネシア共和国憲法では40歳未満の大統領および副大統領選挙の出馬は憲法で認められていない
しかしジョコ大統領の義理の弟である憲法裁判長が突如と大統領選挙の出馬年齢制限の条項を国民投票もなしに判断し、結果的にギブラン氏の出馬が合憲となったのだ
これについても他二候補から追及されているが「民主主義的には何ら問題ない」とだけ述べた
ちなみにこれについて信徒党は違憲だということで提訴し、最高裁はこの憲法裁判無理難題で「権限を濫用した倫理に反する行動を裁判長は行った」とし「憲法裁判長の辞任を求める」という判決を出した

ガンジャル陣営の幹部と会員が国軍に襲撃される

この画像はガンジャル候補の後援団体の幹部が軍人に集団リンチされている様子だ
計七名の男性が突如と複数人の軍人に殴る蹴るなどの暴行を受け、全員病院に搬送されたが一人死亡し、六人が重傷を負った
闘争民主党は「これはプラボウォ陣営の指示があったのではないか」という疑念を抱き、動機なども重なり合ってることから可能性としては否定しきれず、仮に本当であれば選挙として最悪な行動である

あまりにも堂々とした賄賂活動


これはかなり有名なイスラム説法師が自身がプラボウォ陣営のトップにもかかわらず、金を配っている様子だ
本人は「政治的意図はないし、私は後援団体の会員ではない」と否定しているが、討論会の観客席では後援団体席でそれも二列目の席に座っているうえに、しっかりと後援団体の名前のリストに掲載している
これがネットに流出し「宗教の大物説法師であろうものがとんでもない行為だ」と大炎上している

イスラムの礼拝を勝手に変更する支持者


プラボウォ支持者の最悪な問題行動としては礼拝のルールを勝手に変えることだ
ライバル候補であるアニス陣営の略称はアミンというが、これはイスラムで叶えてくださいという意味に当たり、礼拝にもそれが詠まれるが、一部のプラボウォ支持者は最近モスクでの礼拝でこれを読むのを拒んでいる
なぜならアミンはアニスの略称であり、敵だからだという理由である
さらに礼拝の二回目と終わりで座るときに人差し指で礼拝を終えるが、一番はアニス候補の選挙番号であるし、プラボウォ氏の選挙番号は二番だからという理由で、人差し指ではなくピースサインを出している
ちなみに本来は「神はアッラー唯一のみである」という意味であり、礼拝中の子の行動は「神はふたついる」という意味になるため、本当は禁断の行為を一部支持者は行っている

他にも失言や自分を批判するメディアへの恫喝などほかの問題も引き起こしているが今回は省こう
しかしこのような行動からして、プラボウォ政権の誕生はインドネシアの民主主義の終焉を意味する
敵対者の支持者を殺害、買収、そして過去の敵対者の粛清行為
このような行動は民主主義の国家においてあってはならないことだ
このようなものが大統領になろうとしているのが不安でしかないが、高い支持を得ているのが現状だ
しかしこのプラボウォの行為が結果的にインドネシアの分裂を招くのは確実であり、さらに民主主義を終わらせるような行為をするなら最悪な事態を招くであろう
可能性としては低いだろうが、民主派の誕生による内戦の勃発までが予想される
どちらにせよ、プラボウォ政権が誕生すれば東南アジア最大の独裁政権の誕生になるだろう
粛清が当たり前のような社会が到来しないことを願う
本人はこれについて否定はしていないが、否定するなら過去の責任をまずしっかりとるのが筋ではないのだろうか

ソース

プラボウォ氏の過去
https://www.detik.com/jatim/berita/d-7086593/disinggung-soal-13-orang- hilang-pada-1998-prabowo-itu-tendensius-pak-ganjar

不正選挙騒動

国防大臣としての資質

ギブラン氏の違憲行為

襲撃事件

賄賂活動

禁断の礼拝


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