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みんなが好きなことだけやったら、多分世界は治ってゆく

こんにちは、現在療養ニートのエイです。

最近、こんなニュースが話題になったの、ご存知ですか。

品川駅の広告に「今日の仕事は、楽しみですか」という文言が表示され、多くの人の反感を買った、とかなんとか。

ある人は「辛い仕事をしているのに、煽っているとしか思えない!」と怒りを露わになさり、一方で「自問自答して、自分は今日の仕事が楽しみでよかった、と再確認できた」とポジティブな回答をしている人もいたそうです。

個人的には、「仕事が楽しみなわけないだろ!」という、ネガティブな意見が目立った印象でした。

あえて問わせていただきます。

「今日の仕事(もしくは学校)、楽しみですか(楽しかったですか)」

ちなみに私は、今も昔も「いいえ」と答えざるを得ません。

同時に、「いいえ」と答えるのが当たり前とも思えませんし、正しいとも思えません。
異常ではないでしょうか。

どうして楽しくないことを、わざわざしていたんでしょう?
しなくちゃいけないと、思っていた(いる)んでしょう?
仕事=辛いもの、と決めたのは、いったいどこの誰なんでしょう?

好きなことだけしていちゃ、だめなんでしょうか?


「遊んでいたい」のは、今が辛いから

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「好きなことだけしてろ」、そんなこと言われたら、もう自分は働かない。
みんなそうに違いない。
だから、みんなが好きなことだけしたら、世界が滅んでしまう。

こう考えた方、いらっしゃいませんか?

確かに「好きなことだけしてろ」と言われれば、人は働くのをやめるでしょう。
でも、それも最初だけです。

無職になってわかったのですが、退屈は実は辛いものです。

例えば、定年退職した人が、せっかくたくさんの時間を得られたのに、結局何をしたらいいのかわからず、年を取るごとにボケてしまう、なんて話は珍しくありません。

「何もしない」をするには、特殊な才能が必要なのです。
大抵の人は、何か始めずにはいられません。

ハンドメイド雑貨に挑戦する人が多いのも、ワークショップイベントが盛り上がるのも、「何か」をしたい人たちが多い証拠だと思います。


「そんなことない!」と思うのなら、試しに数年仕事を休んでみてください。

もしだらけ続けられるのなら、それだけ心と体を酷使していたか、「何もしない」という特別な才能を持っている証です。

そうでないことの方が、多いのではないかと思います。


ちなみに私も、仕事をやめてからすぐは廃人のように2〜3年の時を過ごしていました。
しかし、回復し始めると、気づけばこうしてブログを書いたり、何か仕事的なものが欲しくて料理や園芸、小説大賞への応募など、忙しく生活しています。

人間不思議と、最終的には働きたくなる生き物なのかもしれません。
(もちろん、個人差はあります)


「楽な仕事」の基準って何?

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「何もしないでいるのは難しい」「結局みんな、何か仕事をしたくなる」といったことを話してきました。

次は、こんな疑問が生まれるんじゃないでしょうか。

「オーケー、人が仕事をしたくなる生き物だとしよう。
でも結局、みんな楽な仕事をしたがるじゃないか。
みんなが嫌がる職業には、誰もつかない。
だから社会は回らなくなるんじゃないか?」

異議あり! と逆転裁判風に言ってみたいところです。

ここで大事なのは、楽な仕事とはどんなものか、ということです。。

1日中、椅子にぼんやり座っていればいい仕事
おしゃべりだけしてれば、1日が終わる仕事
単純作業

例えば、こんな仕事が思い浮かんだ方も、いらっしゃるかもしれません。
でも、こうした仕事は、全ての人にとって、楽なわけではありません。

一箇所に留まり続けること自体が苦手な人もいます。
人と話すことが、何より苦手な人もいます。
同じ作業を繰り返していると、頭がおかしくなりそう、という人もいます。

逆に、あちこち自由に動き回れる仕事が楽と感じる人もいれば、一日中誰とも話さないでいたい人もいます。
自分の裁量で自由に仕事をしたい人もいれば、与えられた指示を完璧にこなすことが好きな人もいます。

面白いことに、誰かにとっての好きなことは、誰かにとっての嫌いなことでもあるのです。


あなたの「嫌い」を貫き通せば、
誰かの「好き」を守れる(逆もしかり)

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例えば、私はひたすら文章を打ち続けたり、もくもくと一人で作業をするのが好きな人間です。
それなのに、うっかり店頭販売の仕事に就いてしまい、ひどい痛手を負いました。

一方、私の友人は人と話すことが大好きで、机と向き合い続けることがこの上なく苦痛という、私とは正反対の人間です。
ところがこの友人は、単純作業を行い続ける、事務的な仕事にうっかり就いてしまい、仕事が辛くなってしまったそうです。

もちろん、職場の人間関係など、他にも仕事の辛さに関わる基準は存在します。
でも、仕事自体が辛いと、それだけでかなり精神力や体力を削られるのは確かです。

今の仕事が自分にとって嫌いなことなのに続けていたら、あなたの仕事が好きな人の役割を、奪うことにもなりかねません。

「うん、今の仕事、嫌いだわ」と辞めてしまうことは、誰かに仕事を与えられるチャンスになるかもしれないんです。

逆に、あなたが「好き」という理由で始めた仕事のおかげで、誰かが「嫌い」な仕事を、あなたが肩代わりしてあげることにも、つながるかもしれません。

「好きなこと」だけをするのも、案外悪くないかもしれません。


「辛い」と「大変」は違う
「辛い」ならやめてみるのも手

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そうはいっても、仕事には大変な局面がつきものです。
相手との交渉がうまくいかなかったり、ミスをしてしまったり、何か大きなプロジェクトを任されたり。
逆境に立ち向かったり、細かい作業があったり、アイデアに頭を悩ませることもあるでしょう。

ここで思い出して欲しいのは、その逆境が「辛い」のか、「大変」なのか、ということです。

似たような言葉ですが、大きな意味の違いがあります。


個人的な例で恐縮ですが、私の場合はこんな具合です。

私は文章を書くのが好きで、中でも長編小説を書き上げるのが、なによりのやりがいです。
そんな私にとって「大変」なのは、書き上げた長編小説の読み直しです。

〆切までに、誤字脱字に赤ペンを入れて直し、伏線回収のチェックを行い、字数を収めなくてはいけません。
とても「大変」な作業で、所要時間だけで、何ヶ月もかかることもあります。
これが、「大変」なことです。


一方、「辛い」のは、こんな具合のことです。

私は上司の指示に無条件で従う、ということがとても苦手です。
どうしてその指示になるのか、理由の説明がないと「辛い」です。
言われた通りに行動しても、自分と相手の意図が食い違ってしまい、うまくいきません。

先程の小説の例に比べたら、与えられた指示をもくもくとする作業なので、簡単なことではあります。

人によっては、後者の方が楽だ、と感じるのではないでしょうか。

「大変」なことは本人にとっては「やり続けられる」「ストレスはかかるが、困るほどではない」「耐えられなくもない」ことです。
一方、「辛い」ことは、「二度とやりたくない」「考えるだけで憂鬱になる」「耐えられない」ことだと思います。

仕事の中でも「大変」だと思うことは、案外、楽しんで乗り越えていける可能性があります。
一方で、「辛い」ことは、体や心を壊しかねません。

最初に挙げた「今日の仕事、楽しみですか?」に、苛立ちや悲しさを感じた方は、今の仕事が「大変」なのではなく、「辛い」のではないかと思います。

今の仕事が好きか嫌いか、確かめる基準として、ぜひ考えてみてください。


好きなことだけやったら、世界が滅亡する
→嫌いなことばっかりやってるから、社会が壊れてく

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「好きなことだけやったら、社会が回らない」「世界が滅亡する」なんて言葉を、時々耳にします。

だけど私には、そもそも今の社会がまともに回っているとは思えません。
世界は壊れかけている、と私は感じています。

老若男女関係なく、自殺を考える、実行してしまう人が少なくありません。
うつ病患者、精神疾患の日本人の、なんて多いことでしょう。
そもそも、「今日の仕事、楽しみですか?」という広告が、テレビニュースになる時点で、社会が壊れかけているとしか思えないのです。

「好きなことだけやったら、世界が滅亡する、だから嫌いな仕事を頑張るんだ、逃げちゃだめだ」と格好つける前に、自分の「好きなこと」を見つけて頑張る努力をした方が、よっぽど世界は癒されるんじゃないでしょうか。


全てのことは、誰かの「好き」から始まった

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もちろん、こんなのただの無職の戯言です。
私自身、「好きなこと」も「仕事」も探している真っ最中です。

でも、だからこそ思うのです。

「嫌いな仕事を頑張る」ことは、偉いことじゃありません。
もし「嫌いな仕事を頑張る」ことを偉いことだと認めてしまったら、みんなが自分の不得意なことばかりやり始めて、それこそ世界が滅びます。

マイクロソフトを作った人や、グーグルを作った人が、「好きなこと」を得意満面にやってのけたから、私たちはスマホで気軽にネットサーフィンができます。

誰かを助けたい、という「好きなこと」を求める人がたくさんいたおかげで、救われた命がたくさんあります。

人を笑わせたい、という「好きなこと」のために一心不乱になれる人がいるから、テレビをつければ楽しい番組が流れてきます。

特別綺麗に掃除された施設には、掃除が大好きな人が隠れているかもしれません。

世の中の新しいことや面白いこと、便利なこと、素敵なことの裏には、誰かしら「好きなこと」を貫き通した人がいるんじゃないか、そう私は考えています。

「嫌いなこと」を頑張る人が何千人束になっても「好きなこと」を好きなようにやる人、一人には敵わないでしょう。

もし、あなたの中に「好きなこと」が燻っているのなら、今すぐに、少しずつでも行動に移してみてください。

あなたのためになるだけでなく、誰かを救うことにもつながるかもしれません。


あなたの好きなことは、なんですか?


エイでした。

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