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センター試験の記憶

受験生の皆さん共通テストお疲れ様でした。受験生ならこんな記事見てないとは思うけど、今年の受験生は色々大変だろうから、どうしても言っておきたかった。

私はセンター試験世代なので共通一次なんて古い呼び名だなァとか親世代に言っていたが、今度は私がそういう古い世代に入ってしまったことになる。私の時はセンター試験といってねえ、というような老害発言はしないようにしなければ、と強く自戒する次第である。思えば私の知識もどんどん古くなってきている。野球は未だにSBOの方がしっくりくるし、フラッシュも思い出の彼方に消えてしまった。言葉遣いもどんどん新しいものが出てきては廃れていく。ぴえん。

こういうのが懐古厨扱いされないうちに、私がセンター試験を受けたときのことを少し思い出して書いてみたい。私は国数英日史世史生物を受けたのだが、私が受けた年は現代文と数IAが難化した年であったように記憶している(私のこれまでの発言を見れば年代は逆算できてしまうので敢えて隠す必要も無いだろう)。少なくとも現代文が難化したことは間違いない。私の全失点のちょうど半分が現代文だったからだ。今でも忘れられない悔しさである。何がスピンスピンスピンだふざけやがって。

私自身が受けている時に何を考えていたかとかそういうことは、実はほとんど覚えていない。国語が終わった後に同級生が泣いていたことは覚えているが、それ以外はこれといった印象が残っていない。制服で受けたかどうかさえ忘れてしまった。国語で失敗したとはいえ志望校はA判定だったし、二次試験の比重が高い大学だったから足切りにさえ遭わなければよかった。なんなら高校受験のほうが緊張したまである。

しかし、今から考えてみるといくつか面白い点がある。まず、そのセンター試験を受けた3ヶ月後に現在の指導教官と知り合うのだが、なんと私がセンター試験を受けた大学が、指導教官がその2、3年前まで勤めていた前任校であった。こんなことは当時は知る由もなかったが、指導教官は同郷の人ではないのですごい偶然である。

次に、当時の私は英語が一番好きな科目だった。しかし、この半年後くらいに大学の英語の授業のあまりのクソさのせいで英語嫌いに転向することになる。未だに英語は一番得意で一番嫌いな外国語である。英語以外の語学が面白かったという理由もあるが、うちの大学の英語部会のことを私は一生許さないだろう。私のマイナー言語オタク的な側面に拍車をかけた出来事であった。

最後に、数学と生物である。私の専門は言語学だが、実は今の最先端の手法では統計や生物学の知見がどんどん応用されるようになってきている。受験の点数のために必死こいて勉強して苦手を克服した数学と生物だったが、受験から何年もたった後に勉強しておいてよかったと心から思える瞬間がやって来たのであった。生物くんとは今生の別れだと思っていたが、ひょんなことから再会して...という具合である。なお、数学に関してはセンター試験の方が高校受験よりも得点率が高かった。確か2割くらい違う。

こう考えると、人生にはいくつもの転換点があるし、何がいつ役に立つかもわからない。実は漢文でさえ大学以外のすごく意外な場面で役に立つ機会があった。そういうことを踏まえて今振り返ってみると、意外と受験勉強は受験で終わらないな、と感じるのであった。

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