長く生きる理由
多くの生物は、卵を産み落とすと、
その生涯を閉じる。新しい世代を
残したら、古い世代は去っていくと
いうのが、生物の世界の掟なので
ある。
しかし、人間はそうではない。そこに人間が長く生きる理由があるはず。
そう考えるわけである。
精神科医のフランクルは、人生について、次のように述べている。
「人間は、人生から問われている存在である。人間は生きる意味を求めて人生に問いを発するのではなく、
人生からの問いに答えなくてはならない。そしてその答えは、人生からの具体的な問いかけに対する具体的な答えでなくてはならない。
~『医師による魂の癒し』より~
思うに、人生とは禅問答のようなものと考えるわけである。
人生に対して、自ら問いを発した
から、人生から問いかけが戻ってくるのである。
人生からの問いかけに対し、答えに
窮すれば、また新たな問いかけが
人生からかえってくるのである。
そうやって、人生と絶え間ない問答を繰り返し、自分の発した問いに対する
自分なりの答えが見えてくるので
ある。
もちろん、その答えが、本当に正解なのかどうかはわからない。
だから生きるのである。
長く生きて、自分の答えが、正解か
どうかを確かめねばならないので
ある。
もちろん、時間が経てば、
必ずわかるというものではない。
しかし、時間が経たねば、
わからないことがあるのである。
「人生の意味」とはそのひとつで
ある。
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