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藍の愉しみ

しばらく色鉛筆は 日常遣いの一色に絞っていたが
久しぶりに手に取ってみると 忘れていたエナジーが弾けて
時折つらつらと模様を描くように 色の持つ面白味

草木染のふんわりした色合いは様々 野菜や植物の持つ力
青やインディゴに魅かれていて 藍染に出会ってからは
ますます青い世界に導かれる 緑や茶にも興味は広がった

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工房に持ち込み 藍甕をお借りすると
ここちよい空間は 庭や周辺の土や植物ともひとつながり
大事に思う布が 徐々に染まっていく様子
白地でも色入り地でも 表情が一変する面白さ
甕に浸けては引き上げ 布も私も呼吸を繰り返す

洗いを繰り返し だんだんと色合いが移ろっていく藍色や
柔らかくなっていく手ざわりに うれしい気持ちは広がって
使ううちエネルギーがちいさくなった布も 藍に浸けるとまたパワーが宿る
もとはシックな4色だったストールも 僧房イメージの濃色へ

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濃く染まった生地にヤシの木がうっすりとそよぐ インディゴはやさしい
母から依頼を受けた綿のタンクトップは 畳んで紐で括り下部に模様を

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はじめて藍の香に触れたときは 未知なる世界に衝撃を受けて
染めているうちに慣れ その後は郷愁を覚えるように

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藍の近くにいると 心身はほぐれていく
布を藍甕に浸し 引き上げては酸素に巡り合わせ
始まりの緑が 徐々に深みを帯びる
染めるときの周りの風景や 音の輪郭も布に吸い込まれていくやうで
纏っていると ふと情景が浮かぶ
藍にまつわるものは 記憶に残りやすい

群島内では奄美大島 工房が集中する龍郷町のほか
南部にも 沖縄も各地に染められる場所がある
家や町角での染め直しは 至福のリラックスタイムになろう
藍育てや甕のことを もっと知りたくなる

indigo

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛