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日本ミステリ小説/スペイン料理コメディー映画

『ノワールをまとう女』(神護かずみ・’19・講談社)
レイモンド・チャンドラー アガサ・クリスティ はやみねかおる
怪人二十面相 夢中で読んだミステリー作品は多くない
タイトルと表紙から自分では選ばないが 栄えある江戸川乱歩賞の受賞作
ラストの展開に 化学メーカー出身ならではの知識が冴えていると薦められ

主人公の酔いしれた風情に諄さ 負った責め苦から無理もない
おそらく男性の書き手なのだろうなと 読み進めるうち
物語は動き出し一気に頁を繰った 引き込み読ませる力の鮮やかさ
主人公の職業に対する驚きと必然性 誰かが処理してくれている闇
同性パートナーとの関係やAIとの遣り取り 市民運動と目新しい要素が満載


“地中海式人生のレシピ(DIETA MEDITERRANEA)”(’09・西)
重いものが来ると軽いものも 暫く前に観て思い出しては笑っていた
スペイン映画は 考えさせるもの笑えるもの楽しいものが多くてすきだ

爽快なストーリーが魅力の今作は 幼いころから厨房に入り
人生の味を体得してきた最高の女性料理人 臆することなく自らチャンスを
摑みにいく潔さ やって来た幸運や未来へのきっかけは逃さない
人間関係にワクワクハラハラ 笑いに包まれる
それぞれの表情が素晴らしい 男性ふたりの好バランスと子どもたちと

時には推理ものもいい 泣いて笑って今日も生き切ろう

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛