見出し画像

きっかけは 震災<断捨離 1>

故郷を襲った大地震発生時 長期滞在で国外にいた
寸断された交通網に 家族友人からの今は帰るなの声
インターネットで刻々と移り変わる情報を掻き集め 安否確認を急いだ
遠い地から自分に出来ることはと もがいていた日々

帰国後日本に馴染み切れぬまま 次の仕事で島に渡り
退職してようやく 雪崩を起こした自室のクロゼットに向き合った
散乱した紙を仕分け 足の踏み場を作り

十九の頃大型のトランク一つと 雪国へ向け出発した
家具備え付けの寮には 共同のキッチンとバスにトイレ
簡素でオープンな棚のおかげで 身の回りはいつでもすっきりと見渡せ
何かを探すことがなかった 暮らしに必要な道具はそう多くない

当時に比べ遥かに増えた持ち物 パソコンなどのデジタル機器や土鍋
寝具類に踊りの衣装 管理できる量まで減らし
災害時にもサッと動ける量に変えようと決め 十一ヶ月の月日
躰の不調と 過去と現在の自分に向き合った昨年
多くのものを手放し 部屋も心もずいぶん軽くなった
浮かび上がってきた大切なものと 日々を愉しく過ごしたい

Erat, est, fuit あった、ある、あるであろう....🌛