マオリの仲間と飲んだくれた夜…
2000年頃、ニュージーランドのヴィクトリア大学のマオリ学部に留学していた。テーマはマオリ族の研究。マオリが大好きだったので、マオリのダンスと歌をperformするkapahaka(カパハカ)のサークルに入った。
最初は全く踊れず、歌えず…だったが、半年ほどたったら、なんとかついていけるようになった。
そんな時、みんなでタラナキという地域の学校をまわって、歌と踊りを披露する機会を得た。名付けてタラナキツアー。30人ほどのメンバーで1週間ほどかけて、いろんな学校をまわった。30人のうちマオリでないのは、私、オランダ人、日本人の友人の3人のみ。今思えばすごく貴重な体験だった。
ツアーの最中はよく、みんなで集まってお酒を飲んだ。私はお酒にそこまで強くないのに、すすめられるまま飲んで、へべれけに。「ああ、マオリの歌の歌詞を忘れそう…」と言いながら、真っ赤な顔で飲み続けた。「みほ、飲み過ぎだよー!!」と言われながら。でも、仲間たちもみーんな、酔っぱらっていた。マオリの仲間は歌もギターが上手で驚いた。生活に音楽が溶け込んでいるのだ。
それまで、なんとなくみんなの中にいるけれど、本当の意味で仲間としては受け入れてもらえていないような気がしていた。でも、ビールをたらふく飲んでへべれけになった夜から、仲間の一員になれた、と感じている。お酒って、距離を縮めてくれるのだ。
あの夜の楽しい感じは、今も頭の片隅に残っていて、私に、明るい光を灯してくれる。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?