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偏見や食わず嫌いで女王蜂を避けないでほしい

※どうか最後まで目を通して頂けると嬉しいです。

最近ずっと女王蜂に夢中なんです。それこそ毎日聴いているし会う人全てに勧めてるんじゃないかってくらいの猛プッシュ。でも悲しいかな、みんな僕が女王蜂の名前をだすと「あ〜、苦手なんだよね」と。しかも二言目には聴いたことないけどなんて言われちゃうんです。いや、分かるんですよ。僕もはじめて女王蜂を見た時思いましたもん。コイツら、やべぇ、、って。なんか近寄っちゃいけない世界っていうか? 当時デスコのMVを見たんですよ。なんかファッションも奇抜なんて言葉通り越してもはや狂気。ジュリ扇振り回して危ないファッションセンスして曲も攻撃力でしかないというか。正直めちゃくちゃ怖かったです笑

だからずっと避けていたんだけどあるとき緊急事態という曲のMVを観る機会があって。衝撃でした。なんか、デスコのイメージと違う…。その曲が超王道の恋愛ソングだったんですよ。

ね?? アヴちゃんの声が苦手だって言われたらそれまでなんだけど全然いい曲だと思いませんか?僕が色々音楽聴いてきた中ではじめて偏見で決めてはいけないって思った瞬間でした。それから女王蜂のCDを買うことにしてみたんです。

あ、やっぱりジャケットの主張が激しい…、、。かなり緊張しながらレジに持っていきました笑 そしていざ聴いてみるとどの曲も一筋縄でいかなくて。でも全ての曲にとってもしっかりとした芯が通っているんですよ。
せっかくですからこのアルバムからMVになっている曲を紹介しましょうか。

比較的聴きやすい気はしますがとても静かに、訥々と歌われる後ろめたい歌詞が気づけば頭の中を支配して抜け出せなくなります。特にこの曲は男女両声のアヴちゃんの魅力を1番引き出している曲だと思います。男性目線の歌詞と女性目線の歌詞をそれぞれの声で歌い分け2人の駆け引きが目の前で繰り広げられているように感じるんですよ。ミュージックビデオも2人の姿とリリックだけで一貫していますし。

でもなんで僕がこんなにも女王蜂をプッシュしているかというと、ちょうど彼女たちがQというアルバムをリリースした頃に雛市という曲に救われたからなんです。

『強く 強く生きてゆかなきゃ 世の中が優しい日はひとつもなかった 強く 強く生きてゆかなきゃ 世の中のせいにしてちゃはじまらないから』

少しでも周りから強い風当たりを受けた時にものすごく響く歌詞だと思いませんか。しかもこの曲、ライブで演奏する時にいつも歌詞が少し変わってるんですよ。『汗水垂らして三万円』が『僕は一晩三万円』になったり『魔法は一本三万円』が『注射は一本三万円』になっていたり。その上DVDにライブ映像がパッケージングされると決まって変わった歌詞のところだけボーカルが消音されるんです。ライブ版だと歌詞がかなり生々しくなるから倫理規制みたいなのがかかってCD版の歌詞を変えさせられたのかもしれないです。まあその辺の事情は僕たちリスナーには知る由もないんですけど。現実にパッケージングの際に消音されると分かっていても会場にいる人に歌いたい歌があって、でもそれはそこにいた人にしか届けられなくて。彼女たち自身が強い風当たりに耐えながらここまでやってきたからこそ歌える歌だと思います。

ここまで色々ごちゃごちゃ書いてきましたけど本当に女王蜂の音楽は暴力的であると同時にどこまでも優しいんです。ビジュアルが嫌い。アヴちゃんの声が嫌い。どうかそういうのは一旦脇に置いてもらえませんか? 一度でいいんです。偏見のない目で彼女たちの音楽を聴いてみてくれませんか?