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インドのスラムを訪問。社会活動現場を訪れ続け1年

はじめてスラムを訪問した率直な感想は「思っていた場所とちがう」ということでした。もちろんスラムといっても、様々なスラムがあり、私が初めて訪問したスラムは、インドの首都デリーのわりと栄えているエリアにある一角で、スラムのそれぞれの家には、冷蔵庫やテレビなどの家電製品が置いてありました。また、共有ではありましたが洗濯機もありました。こんなに色々あるのかと、驚きました。

また、同じ人であるにも関わらず、自分が偏った認識で世界を捉えていることも、この後も様々な貧困世帯と言われる地域を訪れ続けることで次第に自己の認識がみえてきました。そして、同じ人類、同じ時代を生きるものとして、ちがうのは、ただ「生まれた場所」だけであるということにも対面していくことになります。

わざわざ初めて訪れる、それも特に用事もなく訪れる外国人を歓迎してくれているというのに「靴を置いておくと盗まれるんじゃないか」とか「おもてなしで出してくれる水を飲んだらお腹を壊すんじゃないか」とか、実際にはそんなことは一切ありませんでした。もちろんスラム訪問は、そのスラムの住人と関係性のある方と訪問させていただいたからこその安全ではあったのかもしれませんが。

現地の社会活動家の方と南デリーのスラムを訪問

この日を始めに、この1年間、ほぼ月に1回以上、社会活動の現場を訪問し続けてきました。

人としての感覚「何をされて嬉しいか」「何が心地よいのか」というのは当然ですが「人類」として共通していることへの気づきがありました。言語や、コミュニケーションの取り方、感情表現や、受け取り方のちがいというのはもちろん生まれ育った環境によって多少はあるでしょうが、同じ人間。同じ音楽を聞いて楽しい気持ちになる、美味しいご飯を食べて心が満たされる。気持ちを共有でき意思疎通が可能な者同士。自己の経験や価値観から離れ、ただただ1人うまれた人間としてのあり方に立ち返って考える機会が増えました。

インド最貧困州ビハール、ブッダガヤの社会活動家の自宅にて

どこかで線をひくことで、守られてる感じ、安心感を得られる

そうなのかもしれません。ただ世界にはその勝手につくった認識の線の外側にいる人間が、差し伸べる手があってようやく安心、安全を確保できる人々がいることを現場に足を運び続けることでたしかにその存在を認めることができました。

特にインドはカースト制度のなごりが未だに残っており、差別が目に見える形ですら蔓延っています。格差をあって良しとする風潮があります。外国人こそ、その「インドという環境のしがらみ」を真っ向に受けずに、境界線を超えて、手を差し伸べられる貴重な存在になりえるのです。とはいえ村社会でもあるので、関係性を築いた上での支援というのは当然の要件にはなりますが。

この絶対的貧困における人々を当人の努力不足と捉える人もいます。貧困には、絶対的貧困と相対的貧困があります。食料もままならない、衛生環境がひどく悪い、何かあった時の備えなどはあるわけがない。外部環境が悪化するとすぐに生命を脅かされるような最低限の生活を送る人々。この状況に彼らがおかれているのは、本当に彼らの努力不足なのか。だれの努力不足なのか。

ここから人生はじめてみ?と心の中で問います。

どこに生まれても、最低限の努力をできる環境があり、希望を語り、意思をもって、夢を追い、己を、他人を自らにより幸せにできる

実際そんな世界(all of the world)とは程遠い世界(個々が認識する範囲)。私はどのくらいの絶望と対面できているのか。

世界に目を向け、手助けが必要な場所を知り、適切な環境を整え、愚直に人々と向き合うことにどうやら特別な能力はいらないということが分かってきました。

教育活動であれば、学校がなく教育の提供がなされていない場所を知り、先生ができそうな人をさがし、人が集まれる場所を探し、教科書と文房具を用意する。どうやら、これで基礎教育を受けられる子どもが増える。特別な能力はいらないようです。


村の学校の様子。屋根があるのはまだ良い方だが中に電気はなく薄暗い

この根深い社会構造と個々がどのように対面していくかは、すぐに結論づけて早く動けば良いということでもないとは思います。自分にできること、自分が差し出せるものを、小さくとも小さくともはじめ、継続的につないでいく、その中でそれがそのまま細く長くなのか、もっと太く関わっていくのか。いづれにせよ関わり続けることが誰かの救いになることはたしかなようです。1日5分、毎月500円、それだけでも救われる人がいる現実。

私としては、これからも継続して社会活動を必要とする場を訪れ続けようと思っています。

またインド留学との連携としては、ボランティアをされたい方に活動場所をご紹介したり、NPOが募る教育プログラムをご紹介したりという連携がでてきております。

この訪問を快く受け入れてくださっている恩人の活動団体はこちらです。

NPO法人結び手

寄付も募っています。
金額、単発、継続なのかも選べます。寄付の活用事例は以下。

【教育プロジェクト】 
子供1人あたり毎月400円 村あたり毎月24,000円
※内訳(生徒数60名想定)
先生1人の1か月の報酬7,000円/月
1か月の生徒1人のノート、ペン代100円/月
年1回の教科書代2,000円/人
ほか雨風を凌げる最低限の建物が必要な場合は100万円~
(30名程度のスペース)

NPO法人結び手


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