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アルガンオイルとヘナを求めてモロッコの旅 第三章モロッコのヘナ産地再訪


ヘナの産地

今回2度目のモロッコ滞在では、再度ヘナの産地を訪問することにしました。

以前訪問した時に出来上がったサンプル品を改良する為に、栽培の段階から改めて観察することを目的としています。

ヘナの産地は超酷暑


モロッコ南部

ヘナの産地はモロッコ南部にあります。

涼しく快適なカサブランカからワルザザートへ空路移動、空港に降り立った瞬間にヤバイ感じを受けました。外気温43度。
更に南下する為滞在時のマックスは46度を示していました。

しかし、砂漠地帯なので湿度が低く夕方には気温は落ち着いてきます。
日中の街には誰一人歩いていないのが頷けます。

この熱波が「ヨーロッパ各地にも異常気象の影響」を与えています。

モロッコの前に滞在したフィンランドやドイツが30度を超える連日の猛暑となっています。

モロカンヘナの産地までの道のり

ヘナ生産地

前回のモロッコ訪問で既にヘナ生産地の割り出しは出来ています。
しかし、そこまでの道のりは「5時間」を超えます。

フランス語とアラビア語しか通じない場所で産地を探すのは大変です。
時にはベルベル語という原住民の言語しか話せない人もいます。

今回も懲りずに5時間の道のりを走ります。
いくつもの岩山を登っては下るを繰り返し砂漠地帯へと向かいます。
蜃気楼が遠くに見えています。

ようやくオアシスの街が見えてきます。
そのオアシス地帯がモロカンヘナの産地なのです。

オアシスでは様々な作物が育てられています。
砂漠がフィルターとなり水も空気も驚くほどきれいです。

砂漠の民アマジーグ

砂漠地帯に住むアマジーグという民族がいます。

彼らは砂漠地帯において独自の生活様式を守りながら暮らしています。
イスラム教徒ではあるものの、自然を崇拝し山や巨石に祈ります。

性格は非常に明るく陽気で、もてなすのが大好きな人々なのですが、写真撮影は大嫌いです。

私達がインドを訪れた時には、いつでも写真はウェルカムなのですが、彼らは心を許さない限り写真に写ることを拒みます。

当然初対面の私と写真を撮ることなど考えられません。
何度も通いながら心を通わせるしかないのでしょう。

モロカンヘナの特徴

どうやらインドのヘナとは品種が違うようですね。
彼らの中でも、ヘナには2種類のものがあると認識しています。

モロッコで主に栽培されているヘナは薬効が高いと言われています。
アマジーグの人々にその活用方法を話してもらいました。

勿論、日本では薬事法の関係で彼らと同じような使用方法を推奨する訳にはいかないのですが、以下のような利用方法があるようです。

・オリーブオイルと混ぜて服用することで胃腸の浄化を行う

・アルガンオイルなどと混ぜて全身に塗布し肌を浄化する

・水虫の治療としてヘナペーストを使う

・シラミ予防や治療として活用する

など

これらの使用方法から、彼らは主に治療としてヘナを活用していることがわかります。

そして、特徴的なのが収穫後のヘナ葉の乾燥方法にあります。

インドでは天日干しが基本なのですが、モロッコでは日陰干しが基本です。

日陰干し

薬効を失わない為に、「直射日光を避けること」が大切なようです。
勿論インドヘナの乾燥方法にも品質保持という目的もあります。

日陰干しの場合は雑菌の増殖が考えられますので衛生的な問題が残ります。

因みにこの問題は、後日カサブランカの充填工場で完璧にクリアすることが出来ました。

モロカンヘナのデメリット

モロカンヘナは薬効が高いということなのですが、その染まりはインド産には少し劣るイメージがありました。

それは製造工程において高品質化が行われてこなかったからです。

それは当然で、彼らは髪を染める素材としてヘナを選択することを考えていないからです。

そこでインドで培った製造方式を彼らにも伝授し、品質の安定化を計ったところ、納得のクオリティーへと変化していきました。

しかし、もう一つデメリットが残っていました。
それは「ヘナ独特の香りが非常に強いこと」です。

この香りは好みに合わない方もおられるようです。

しかし、この香りを奪ってしまうことは、同時にヘナの芳香成分を奪うことにも繋がります。

よりワイルドに近いのがモロカンヘナで、誰にでも受け入れてもらいやす製品としてはインド産ヘナが良いのかと思います。

インド産左側 モロッコ産右側

このあたりは個々の好みによりますので、一度お試し頂いてから選択するのも良いかもしれません。

そしてもう一点が価格です。

モロッコの物価はインドよりも倍近い物価です。
自動的にヘナの仕入れ価格も倍になってしまいます。

更に空輸の際のコストも当然倍になってしまうことも仕方ありません。

では市場価格を倍にするのか?ということになると、それも非常に難しい。

やはりサロンコストやお客様への価格を上げることは大きな影響を与えることを理解しているので、それは難しい。

ここで問われるのが「プロデューサーの手腕」です。

買い叩く、値引き交渉ということは一切行わず、お客様にも安定した価格で製品をお届けする為に選んだ方法があります。

それは発売時に皆様にお伝えいたしますね♪

カサブランカの提携工場にて製品の仕上げ

ヘナ産地を後にして、最後はカサブランカの提携工場で仕上げの作業に入ります。

なぜ、ヘナ製品をローカルで仕上げないのかというのには理由があります。

それはインドでも同じことなのですが、「パウダー化されたヘナには何が入っているか確認するのがとても難しい」からです。

ローカルでは貧しい人も多く、時に不正が行われるケースがあります。

これはモロッコもインドも同じで、プロダクト化は必ず提携工場で行うことにしています。
必ず検品を行い、「安全性や安定性を確認」した後に出荷を行います。

日本に輸送されてしまってからでは、返品や交換をすることが難しくなってしまうからです。
特にモロッコの場合はコストがインドと比べ物にならないので重要な要素です。

カサブランカの製造チームが責任を持って仕上げにあたってくれます。

そして、モロッコ産ヘナではインド産では行わない一手間を行います。

これは企業秘密♪一緒にモロッコの工場まで視察に来てくれた方のみ知ることが出来るトップシークレット☆

モロカンヘナの視察を終えて

ようやくモロカンヘナの製品化に成功し、やっと一安心出来ました。

パッケージデザインもインド産とは異なります。
アラビックで魅力的な素晴らしいデザインに仕上がってくるかと思います。
発売が待ち遠しいなぁ〜!

そして日本に帰国後、早速薬事申請などの事務手続きに入ります。
アルガンオイルに続いてヘナの製品化も納得の出来になりました。

カサブランカの製造チームにも感謝しかありません。

製造チームと撮影

彼らと食事をしながら、お互いの心に触れ合う時間が心地よい
彼らも私と製品開発することで、沢山のノウハウを学び喜んでくれています。

彼らは私のことを「モハメッド」と呼びます。
彼らが名付けてくれたムスリムネームです。

製造チームには英語が話せない人もいますが、心は通っています。

最後の見送りの時にはモロッコでは親愛のしるしである、頬を寄せ合う挨拶をしてくれます。

これは親しい友人としか行わない挨拶の方法です。
当然涙腺も緩みますね♪

こうして現地の人々と心を通わせることが出来る仕事に就けるありがたさ。
何ものにも代え難い経験や心の動き。

この喜びの為にインディーハーブスを立ち上げたのだと思います。

心を通わし、共に手を取り合い信頼のもとで完成したアイテム達、自信を持って皆様にお届けしたいと思います。

次回のブログでは、モロッコ旅のあれこれをダイジェストでお届けいたします!!

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