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インクルーシブ運動場メンバーが行く!388エリアのインクルーシブなお店 Vol.1「JAM HOUSE(ジャムハウス)」 |2022/6/7 前編

バリアってフィジカルだけじゃない!!いろんな意味でバリアフリーなパンとコーヒーのお店

私たちインクルーシブ運動場(以下IPG)が目指すのは、心身の機能や、性別、年齢、国籍にとらわれず、誰もがオープンスペースで楽しく体を動かせることが当たり前な地域をつくること。「まちづくり」というファインダーを通して街の人と一緒に「豊かに育んで」いけないかという発想を持って活動中!「遊び」や「運動」は誰にとっても必要なもの。しかもメンバーの得意分野。自分たちも楽しく活動できるわけです。さらにいうと、名前は運動場ですが、最近は体を動かすということを私たちは広く考えていて、いわゆるダイレクトな「身体運動」だけでなく、動きを伴う「活動」も全て私たちが関わる対象と捉えています。
388(ササハタハツ)エリアには、実はインクルーシブなお店がたくさんあります。そんなお店の方とお話させていただき、より多くの方に知っていただくこと、一緒にできる活動を模索していくことにより、インクルーシブな活動ができる地域が育めるのではないかと思い、この企画をスタートさせました。
インタビューさせていただいたお店にはインクルーシブ運動場マークのシールをお渡しさせていただきます。街にこのマークが増え、インクルーシブの輪が広がっていくことをイメージしています。
 
第一回目はまさに企画一発目にふさわしい!!ここを超えるインクルーシブなお店は出てこないかもしれない、、、。西原の「JAM HOUSE(ジャムハウス)」さんです。

後列:左から出澤、みかさん、積田
前列右:大川
左:佐藤、右:みかさん
インクルーシブ運動場ステッカーと一緒ににっこり

《登場人物紹介》
みかさん:ジャムハウス店長、両親と一緒に店を営む
日本とアメリカにルーツを持つ2人のお子さんの母、ドラマー
積田:IPG代表、小児科医、リハビリテーション医
出澤:IPGメンバー、作業療法士、育休中で育児奮闘中
大川:IPGメンバー、会社員
佐藤:IPGメンバー、会社員、ジャムハウスの常連客

入口にはスロープがあり、
ベビーカーも車いすも入りやすい!
動物もウェルカムなテラスは
犬の散歩帰りに利用される方も多く、
ドッグカフェと呼ばれる事もあるとか。

1.お店のコンセプト~愛溢れる家族の暮らしから育まれたバリアフリーな精神~

積田:こんにちは。ササハタハツ(https://www.sasahatahatsu.jp/)ピープルまちづくりサポート(通称ササハピ)認定プロジェクトのインクルーシブ運動場(IPG)代表の積田綾子です。本日はIPGメンバーの出澤、大川、このお店の紹介者でありお店のファンかつ、IPGメンバーでもある佐藤と一緒にお話を伺わせていただければと思います。
出澤:今日はよろしくお願いします。取材を申し込ませていただいたきっかけは、昨年11月の388FARMβ(https://www.youtube.com/watch?v=hGWQw-gAYeE)の時にランチでお店にうかがい、みかさんとお話をさせていただいたことです。お話を聞いていくと、どこまでもインクルーシブなお店だと感じました。ジャムハウスさんのようなお店を388エリアで発掘していくことで、よりインクルーシブな活動ができる地域が育めるのではないかと思いました。
第一印象としては、入口にスロープがあって車いすやベビーカーも入りやすい、道路に面したテラス席が素敵で、お店が開かれた雰囲気で誰でも入りやすそうと感じました。お店のコンセプトなどはあるのでしょうか。
みかさん:もともと自宅だったこの場所で、16年前に改装をしてパン屋さんをすることになりました。重度のダウン症で車いすの弟がいるので、スロープなどバリアフリーな環境はこの家を建てる時に必要なものでした。また、子育てをしていく中でなにかと不便に感じた経験も影響しています。パン屋として1階部分を改装した際も、弟が入れるように、もちろん誰でも入りやすいようにと当たり前にバリアフリーになったんです。元は両親が経営していて、今もパンを焼いたり、コーヒーを入れてくれていますが、高齢になったこともあり2年前からわたしがマネジメントをするようになりました。
バリアフリーというとスロープなどのフィジカルなバリアを思い浮かべる方が多いと思いますが、お店のコンセプトとしては、フィジカルだけではなくいろんな意味でバリアフリーを思い浮かべています。
自分が国際的ファミリーなのもあって、英語での接客など言葉のバリアフリーも自然と心がけています。日本語だけでなく英語表記もするようにしています。言語も性別も関係ないと思うし。誰でも来られるスペース。犬のお散歩帰りに来る人にとってはここはドッグカフェだし。
一同:たしかに!(笑)
みかさん:車いすの人や階段があるお店に入れない方にとってはスロープがあるお店、お子さんがいる人にはお子さんがちょっとパタパタしてても大丈夫なお店、オーガニックで素材にこだわって商品を置いているので健康志向の方には安心して買える店になると思います。お酒も出します。ビールもスパークリングワインもあり。いいじゃん?みたいな。
一同:えー!お酒も!びっくり!
みかさん:テラスには灰皿があって、喫煙者にとってはここはタバコが吸える場所にもなり。ちなみに店内にはエアドックも…。換気もしっかりできているし、コロナ渦でもだれでも安心してきていただけるよう衛生面も気を付けています。

日本語と英語の両方で表記しているメニュー表
このメニュー英語表記2か所スペルミスがあります
分かります?(笑) 

2.家族とお店と地域との繋がり

コロナ前は、すぐ近くの高齢者施設からお散歩がてらコーヒーを飲みに来てくれる方もいたし、週に1回2回は施設に訪れてコーヒーを淹れたりもしていました。だからIPGの『インクルーシブ』という取り組みを聞いた時に「なるほどな」と、うちの店にとても当てはまると思いました。
出澤:本当にインクルーシブなお店だと思います!!!
高齢者施設との交流が始まったきっかけを教えてください。
みかさん:今はコロナで中断していて、しばらく行けていないですが、施設が新しくできた時にお願いされたことがきっかけでした。
積田:何年前からやっているんですか?
みかさん:あれ?何年だっけ?お母さん!
みかさんのお母さん:(カウンターから出てきてくれて)施設ができてすぐの8年前くらいからです。その時は施設がコーヒーの香りでいっぱいになってねぇ。利用者さんはみんな喜んで。(笑顔)
一同:いいですねー。

笑顔が素敵なお母さんがお出迎え。
お母さんの作るパンは絶品!

みかさん:小学生のお仕事体験も来られますよ。
積田:お仕事体験ってすごいいいですね!
みかさん:大人になって、「昔体験しました!」とか「結婚しました!」「赤ちゃんできました!」と言って来てくれる人もいます。
積田:もうすでに多世代!
みかさん:子供110番のシールもつけているから、「トイレ〜!」「喉乾いた〜!」とかね(笑)
積田:トイレ利用の子供!!(笑)
出澤:親御さんと小さい頃から来ているから入りやすいんですね。入口も道路に向かって開いていますしね。
みかさん:うちも両親が高齢者、ダウン症の弟、いろんな条件で生活している家族なので、お客さんも一緒に付き合ってくださる。できる範囲でしていることを、周りが助けてくれる。そういう感じのお店です。
一同:素敵です!!!これ以上インクルーシブな店を見つけるのは難しいかも!!??
みかさん:歩けない人には出前したりも。できる範囲だけどやっています。
積田:杖を使用されているご近所のおばあちゃんも先日来られてましたね!
みかさん:そうそう!
積田:家からここに来ることが運動になっているんだよね。

大川:僕自身2年半前に車いすになりました。それまで身の回りもそんな意識なかった。実家もバリアだらけ。こうなってやっとそういうのを痛感しました。
みかさん:そうだね。当事者にならないと何も見えないよね。ほんとちょっとした、このせいでここから先が無理なんだ、みたいないろんなことが見えます。
大川:僕がこうなってよかったのはそういうのは見えるようになったこと。弟さんの状況で自然とインクルーシブな意識がついたのですか?
みかさん:それは実感していること。私が小学校の頃にハンデを持っている弟が生まれて。そこからは常に。
弟の学校の運動会などに参加して障害者福祉の世界を知りました。興味が湧きますよね。中学校で手話クラブに入ったり、子供のころから機会があれば活動してきました。
自分が子育てをする中でもベビーカーや子連れで行ける場所、行けない場所があるんだなって思った。それぞれ当事者になって見えた。
大川:慣れていない方だとクローズにされることが多いですよね。
みかさん:そうですね。でも勉強したわけではなくて、自然に生活していく、人との繋がりの中で。
あ、弟が今通所から帰ってきました。
みかさんのお母さん、みかさん:おかえりー!
弟さん:おー!
一同:こんにちは!
弟さん:おおー!
積田:どこに行かれているんですか?
お母さん:ハートピア原宿です。
みかさん:施設の行事に行くときなど、学生時代の私は「わーい原宿だ!」みたいな感じでした。
大川:ここで繋がりができなければ行きつけない場所なので、そこの施設にも行ってみたいです。すでに自分たちがやりたいことを自然とやっているお店ですね!

後編へ続く。


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