見出し画像

【詩】川辺のすすき

 川辺のすすき達は堂々と立っている。

 薄汚れた小麦色の穂、
 それを風になびかせている。
 冬の風は冷たいけれど、
 身を任せるには丁度いい。

 それはうら若き乙女の様。
 その幻想の中に佇み、
 流れる水に涙を浮かべる。
 それは静謐と呼ぶのに相応しい。

 川辺のすすき達は堂々と立っている。

 見えない将来を杞憂し、
 すすきは今日も揺れている。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?