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【平沢進】衒学的陰謀論ミュージシャン

平沢進

(有限会社ケイオスユニオン)東京都
陰謀度 1 ★☆☆☆☆

【陰謀要素】
・反ワクチン ・反マスク ・Qアノン ・911陰謀論
・ロシア擁護 ・二酸化塩素

【マネタイズ】
・音楽活動 ・YouTube ・X(twitter)

【メモ】
◆1954年4月1日生まれ
◆東京都立 本所工業高校卒
◆東京デザイナー学院卒


■ カリスマ性と信者「ご!」

平沢進はおじいちゃんになっても精力的に新しい音楽に挑戦し続けるミュージシャンだ。ジャンルはテクノともプログレッシブロックとも言えるが、枠に囚われない不思議さがまた平沢の魅力。
そんな掴みどころが無い平沢の音楽性は、ファン(というか信者)の間では彼の発する言葉や考察によって補完される仕組みとなっている。

平沢の表現する音楽は一般ウケするものではない。
一般にはそれほどウケない音楽にもかかわらず平沢は1980年代前半から長きにわたってコア人気を誇り続け、常に戦い続けて来ている。
平沢が何と戦っているのかというと、既存の価値観や枠組みとだ。時に著作権管理団体などのような具体的な相手のいる戦いもあれば、何に対して何を訴えたいのかよく分からないが、「なんだか何かと戦ってそう」と思わせる狂気を秘めた音楽と言葉を平沢が放っていたりもする。

平沢のファン(以降は「信者」と使い分ける)は、平沢の音楽、ライブパフォーマンスを楽しむと同時に、そこに深いメッセージがあるのだろうと感じ、解釈に走り出す。創作物に対して勝手な解釈をすることは、古今東西ファンたちによって行なわれてきたことだ。

しかし、平沢自身は信者たちからの勝手な解釈を受け止めることは無い。「唯我独尊」という言葉がしっくり来る振舞いをする平沢。意味の無いことでも意味ありげに発せられる平沢の衒学的な歌詞や言葉たち。そこに信者たちはさらなる神秘性と魅力を感じ取る。勝手に。

純粋に平沢の音楽だけを楽しむ健全なファンがいる一方で、平沢に心酔する信者たちは彼を愛すべき教祖として崇め奉り、時にイジってネタにする。

そんな信者たちと独特の距離感を保つ平沢は、信者たちが喜びそうなネタを放り込んで行く。▼▼

◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

平沢がやっていることの芯は音楽だ。平沢はただただ偉大なミュージシャンの一人に過ぎない。
下記インタビュー記事を読めば、ミュージシャンとしての平沢が持つ原動力の正体が伝わって来る。▼▼

しかし、平沢の特異なパフォーマンスやキャラクターゆえ、信者たちは平沢を一介のミュージシャンに捨て置かない。

平沢は2001年に起きた9.11アメリカ同時多発テロ事件以降、政治的な意図を含んだメッセージを発信するようになった。その主旨は「反戦」という分かりやすくもぼんやりとしたものだった。ミュージシャンがいくら平和を訴えたところで直接的な政治決定には何ら寄与しない。それでも平沢は「反戦」を訴えた。
時を遡れば、今や故人となってしまった坂本龍一氏も平和を標榜し、地雷除去のためのチャリティー活動を行なっていた。坂本教授のその政治的なメッセージ発信には具体性が伴なっていた。のちに強く訴えた憲法改正反対や脱原発も具体的な提言だ。▼▼

(出典:TBS NEWS DIG

そんな坂本教授と平沢らによる政治的メッセージの違いは具体性の有無だった。
平沢が反戦を訴え始めた当時、正直ダルいと思ったファンもいただろう。しかしそのメッセージに乗っかって来てくれるファンもいた。「反戦」を訴えることは良いことだ。そしてそれを訴えていると、無条件で自分が善行を尽くしていると勘違いできて気持ち良くもなれる。実際には何にも貢献していなくてもだ。
平沢が著作権に関して音楽権利団体やレーベルと戦っている中で発せられたメッセージなんかよりも、「反戦」メッセージの方がよほど人の心を揺り動かす。そしてそれに揺り動かされたファンの一部が平沢信者へと変貌して行くキッカケの一つとなった、とも想像してまう。

ミュージシャン平沢としてのカリスマ性、パフォーマー平沢としての虚像に包まれたカリスマ性。そのどちらも平沢進という一アーティストに同居する魅力なのだが、虚像を纏った平沢は年を追うごとに発言内容がおかしくなって行った。元々おかしかった平沢のおかしさ具合は、よりステージを上げて行ったのである。

ファンはそれを嗤い、信者はそれを喜んだ。


■ 陰謀論 匂わせと加工

平沢は匂わせるような具体性の伴わない表現を好む。ミュージシャンとしてそれは自然な表現方法とも言える。

なお、この項は青海符さんという方のnoteを参考に平沢の陰謀要素を紹介するので、この項を詳しく知りたい方は下記リンク先参照をオススメ。▼▼

反戦主義者の平沢はロシアによるウクライナ侵攻に関して「ネオナチ」という、ロシア擁護を匂わすようなキナ臭いワードを持ち出してぼんやりと何かを示唆。具体性はやはり無い。▼▼

その頃の平沢は、避難訓練などで使われる意味とは別に陰謀論用語として使われる『クライシスアクター』というワードを持ち出してもいる。▼▼

平沢は他にもトークライブやインターネットを介して多数の意味不明な発言を行なっているのだが、「独特の世界観」「SF」「加齢から来るやつ」という感じで信者には見過ごされ、また受け入れられている。
平沢のこの手の発言に一喜一憂するのは常人には疲れるし、付いて行けない。

見過ごされて来た平沢の陰謀論として、9.11アメリカ同時多発テロ事件についてもそれを匂わせていた。▼▼

少数のエリートが惑星を恐怖によって手玉に取り、人々の思考を停止させたことから始まる物語だ。
ハイテクを駆使した虚構の悪キャラ映像。ハリウッドのショックを現実の建造物を使って上演し、惑星を支配する少数のエリート。
さあ、今年も9月11日がやってきた。ショーはまだ続いている。

(出典:平沢進 公式HP

▲▲ これは事件発生後しばらく経ってから唱えられていた「9.11はアメリカによる国家的な自作自演である」という陰謀論を、平沢なりの具体性を持たないSF的文学表現に作り変えたものである。


■ 二酸化塩素

先に紹介した青海符さんのnote内でも触れられているが、平沢は「二酸化塩素を用いた医療行為(実際はエセ医療)が利権団体によって潰される」といった内容の陰謀論を開陳していた(その記事は削除済み)。

二酸化塩素関連の有名どころとして大幸製薬の『クレベリン』がある。そのクレベリンは「空間除菌効果」をウリにしていたが、宣伝にあるような除菌効果が確認されない優良誤認だとして、製造する大幸製薬は消費者庁から注意・指導を受けている。▼▼

この件に関して疑似科学やエセ医療に騙されやすい層が、「クレベリン潰し」だと訴える陰謀論者ムーブを展開していた。ダイヤモンドオンラインによる下記記事ですらそんな陰謀論が展開されていたのだ。▼▼

※この項に関しては下記リンク先が詳細で分かりやすい。▼▼


■ 反ワクチン 反マスク

平沢は筋金入りの反ワクさんである。▼▼

そしてコロナ禍の最中の密空間でもマスク着用をしないと公言した平沢。▼▼

個人的な反ワク・反マスクは自由だが、さすがにコロナ禍の公的空間における平沢の身勝手な振る舞いに失望したファンや信者もいて、良い意味で目覚めたという人も少なくないだろう。


■ 『Qアノン』アドレノクロム

アメリカの陰謀論集団『Qアノン』により創造された陰謀論として、「子供の誘拐・人身売買」というものがある。
その誘拐目的は2つあり、1つ目は小児性愛者への人身売買があると言われ、2つ目は『アドレノクロム』なる若返り物質を子供の身体から抽出するためと言われる。もちろん両方とも陰謀論であり、それは映画作品の題材にもされている。▼▼

平沢はその陰謀論を示唆するXポストを行なっていて、ファンから顰蹙を買っている。▼▼

このように平沢は音楽ではクリエイターとして壮大な魅力を発信しながら、一方で世に伝わる陰謀論を自分なりに言葉を組み替えてぼんやりと発信している。
陰謀論の内容を丸パクリして流用する平沢からはクリエイティビティが一切感じられないというのが、陰謀論者としての残念要素である。(残念か?)


【類似陰謀論者】
ASKA ・田中昌之高橋まこと ・うじきつよし ・高樹沙耶
ラサール石井水道橋博士村本大輔榎森耕助 ・立川談四楼


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