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“ダブル成人式”なる一風変わったお祝いイベントを振り返って。

2024年1月6日(土)の夜、沖縄県那覇市内にあるホテル宴会場に、決して若くはなく、かといって年配とも言えない、それなりの年代の男女が続々と集まってきた。
その数、350名ほど。

もう40?いや、まだ40歳!!
経験も未来も持っている
つながるオキナワ「ダブル成人式」

会場内の壇上に掲げられた横断幕には、“ダブル成人式”の文字が。
2023年度に40歳の節目の年を迎える昭和58年世代(1983年度生)を対象とした、ハタチから20年の月日が流れて迎える“2回目の成人式”を、共に盛大に祝おうという一風変わった趣旨のお祝いイベントだ。

<公式Webサイト>
つながるオキナワ ダブル成人式 2023

40歳の40歳による40歳のためのお祝いイベント。
40歳という年齢は、これまでの積み重ねや経験があるだけでなく、これからの希望や未来もまだまだ広がっているという、可能性に満ち溢れた時期でもある。
そんな節目の年を盛大にお祝いすることで、沖縄のこれからを担う方々をつなげるキッカケにもなるのではないか。

該当者である40歳を迎える僕は、ひょんなことから企画・運営を行う実行委員に参画することとなり、およそ半年の期間をかけて準備を進め開催するに至った。

沖縄県内の同学年生が一同で介して、旧友と昔を懐かしんだり、これからに期待し合ったり、この歳になって新しい同い年の新友ができたりと、楽しみ方は人それぞれ。
お互いに敬語禁止のタメ口で気兼ねなく、ざっくばらんに楽しめる敷居の低い会とすることを心がけた。

当日は多くの皆さまのご支援・ご協力もあり、大盛会で幕を閉じることができた。
イベントの概要や当日の様子も踏まえた開催報告は公式Webサイト内に掲載しているので、そちらのご案内を持って共有とさせていただきたい。

↑公式Webサイトはこちらから↑


個人視点での振り返りを思うままに…

開催から1ヶ月が経過しようとしている今、企画・運営に携わった個人としての視点で、今回のイベントの振り返りを綴ってみたいと思い手を動かすことにした。


2023年6月。
40歳という節目の年齢となる誕生日まで、残り2ヶ月余り(8月生まれなので)。
このXデーが刻々と着実に近づいてきていることに、どこかブルーな気持ちで毎日を過ごしていた僕。

40歳や40代って、もう若くない。
人によっては、いや、もしかすると一般的には「おじさん」「おばさん」と言われる年齢・年代の境界線なのかも知れない。

世の中の年代別区分。
例えばテレビ番組の特番でよく目にするヒット曲ランキングでも、20代・30代・40代…と区分される。「40代のヒット曲はこれ!」と言われても、「いや、30代のランキングの方が身近だし…」と思ったり(強がったり…)。
アンケート回答やカラオケの年代別検索でも、30代じゃなく、40代を選ばないといけない(別に義務じゃないけど…)。

確かに白髪も増えてきた。髪だけでなく、髭にも姿を見せるようになってきた。
疲れも以前より取れにくくなった。気付いたら肩や腰に手を当てている。
深酒した次の日は二日酔いでは収まらず、三日目までダメージを引きずる。
「初老」と言われる年代になったのか…としんみりとした気持ちにも。

40歳の誕生日を迎えたくない。
ギリギリの39歳で「今年はサンキューの年ですっ!」と永遠に言い続けたかった。

そんなある日、何気なく見ていたSNSの、とある投稿に目が留まった。
何かのイベントでたまたま一緒になって、SNSでつながっていた知人の投稿。

「成人式ならぬ四十路同窓会の企画をしたい!」

真麻、投稿お借りします🫡

ずっと「なりたくなーい!」と駄々をこねて嘆き悲しみ足掻いていた40代への大台突入。
それを機会として、「みんなで集ってお祝いしよう!」という何ともポジティブな発想と発信に衝撃が走った…!

気付いたら「興味あります!」とコメントしてしまっていた自分がいた…(笑)
大学時代からの友人が関わっていたことも大きかった。

それから数日後、キックオフMTGがオンラインで行われた。
スタートは僕を入れて5名。
メンバーには副市長もいるわ、市議会議員もいるわ、バリバリの起業家もいるわで、一般ピーポーサラリーマンの僕としては「あいやぁ〜、オレ場違いかもしれん…」とソッコーで参加表明を後悔した(笑)

ただ、そこは同学年生。
議論を進めて行く中で、イベント企画に対する熱い想いや考え、そして同学年という共通点からの「分かるわぁ〜」の多さ。
しかも、「敬語はやめてタメ口でいこう!」としてからは、更に距離が近くなって会話も弾んだ。
先ほどの後悔はすぐに消え去って、「会の成功に向けて頑張ろう!」と前向きな気持ちに。単純だ(笑)

色々と調べてみたものの、今回のような企画はほとんど前例がなく、参考となる情報や実績も乏しい。
ほぼゼロイチでの企画となることを知って、正直不安な気持ちがなかったというのはウソになるけれど、それよりもワクワクの方が上回っていた。

そこから2週に1回のペースでオンラインMTGを重ねることに。
みんな仕事も忙しいので、毎週木曜日のお昼時間(12:00-13:00)を定例とした。

初期メンバーの5名で進めていくのは現実的ではない。
それぞれのつながりを頼りに、会の趣旨に賛同して協力してくれそうな仲間集めから始めた。

結果的には実行委員メンバー10名、司会2名、サポートメンバー12名といった体制を築くことができ、それぞれ役割分担を設けて企画・準備を進めていくことになった。

開催日時を決めて、会場を押さえて、目標参加人数を決めて、と大枠のところを押さえたところで、「あ、もう後戻りできないな。やるっきゃないな。」と武者震いしたのを今でも覚えている。

初回オンラインMTGの様子。まだ笑顔が引きつってる…(笑)


2023年9月。
日々、様々な議論や検討を進めていく中で…
同学年同士ということもあり、フラットな関係性だからこそ意見も言いやすく議論も活発となったのは良かったという反面、上下の関係はないので「決める」というアクションがなかなかスムーズには進まなかった。
みんなそれぞれ意見やアイディアは出てくるものの、合意形成をして決断・実行というプロセスに持っていくことが容易ではなかった。

そんな日々がしばらく続いていた中で、僕自身ある決断をした。
「全体の進捗管理とタスク管理、予算管理を一気に引き受ける」ことを決めた。
それなりの規模感のイベントだし、管理するお金もそれなりだし、何より細かな事務作業が多くて時間的工数がかかってしまうことも分かっていた。

誰でもできる仕事だけど、手間がかかる仕事。
でも、僕には知名度も影響力も人脈もない。僕以外のみんなにはそれがある。
参加者に「参加して良かった!」と思ってもらえるための豪華な企画やゲストの調整は僕にはできない。
その代わり僕には18年間のサラリーマン経験がある。
プロジェクトマネジメントや予算管理、データ管理や分析などはずっとやってきた。好きではないけど、得意ではある。
ここは腹を決めて、全体管理を担当させてもらうことにした。

全体が把握できるようになると、おのずと決断や判断もしやすくなった。
優先順位の整理や、今はどのタスクに集中すべきかも見えてくるようになった。
決断からの実行もスムーズに行くようになった。

今振り返ってみると、自分の中でのターニングポイントだったと思う。
それと同時に自分の適性や特性にも気付かせてもらえた良い機会だった。

ただ、参加者数が伸び悩んでいるときの胃のキリキリ感と、早割と年末の駆け込み時期のハードワークはもう遠慮したい…(笑)


2023年10月。
6月にオンラインMTGで初顔合わせをして、それからMTGの回を重ねていったけど、実際にリアルにみんなと会ったのは10月中旬の新聞社取材と懇親会の場。
オンライン初めましてから4ヶ月後のことだった。
会場に向かうまでのワクワク感、そして会議室のドアを開けるときのドキドキ感は今でも鮮明に覚えている(笑)

新聞社の取材。県内2紙に取り上げてもらいました。
初顔合わせの懇親会。すぐに打ち解けた!今思えばミニ(プレ?)ダブル成人式だった(笑)


2023年11月。
テレビの取材を受けて特集として放映していただいたり、ラジオや新聞での露出も増えて、イベント自体の認知も広がっていき、最初は伸びが弱かった参加申込数も徐々に増えていった。早割期限前の3日間ほどは怒涛の申込ラッシュで、受付完了メールと入金確認を捌くのに必死だった。

結果、損益分岐点の参加者数を集めることができたときは、本当に安堵した。
完全ボランティアで、むしろ参加費も払った上で実行委員として活動していたので、更には赤字まで背負うことになったら、ただの変態だな…と思っていたので、それを免れることができて本当に良かった…(笑)

テレビ局の取材効果は絶大だった…!

2023年12月。
ペア割で更に参加者数を集めることに成功し、申込期限となる年末大晦日には再度の申込ラッシュと格闘し、目標としていた350名を超える参加者となった。
参加者が確定したことで、名札作りや名簿作り、受付案内など、準備物の対応に取り掛かった。


2024年1月。
「新年明けましておめでとうございます」の余裕もないまま、1月3日にリアルMTG&作業を開催し、みんなで昼から夜まで最後の追い込み準備に奮闘した。
この時点でまだまだ詰めないといけないことがてんこ盛りで、もうノリと勢いと最後は何とかなるさ…のケセラセラで無理やり乗り切った。


そして迎えた本番当日の1月6日。
遠足前の小学生みたいなテンションで、前日は全然寝付けないまま朝を迎えた。

午前中は子供の部活の大会引率でバタバタしながらも、15時には会場入り。
受付の準備をしたり、サポートメンバーを交えてのMTGを実施したりとバタバタしているうちに受付開始の時間に。

既に申し込みは350名を超えていたけど、当日本当に来るかな…と内心ドキドキ。
その心配を打ち消してくれるように、続々と来場。受付に長蛇の列。
そして時刻は18時に。いよいよ開場・開演。

会場を埋め尽くすくらいの、多くの参加者が来場。
この会場にいるみんなが全員同学年生だと思うと、何だか不思議な感じ。
当日の様子は公式Webサイト内にフォトギャラリーを用意しているので、そちらも覗いていただけると嬉しい。

インカムまで付けて、まるでADのような僕…(笑)

実行委員メンバーのほとんどが、ゆっくりと交流する時間はない感じで会場内を走り回っていた。
僕も全体把握と進行確認をしながらではあったけれど、合間合間で参加者の皆さんと交流しながら楽しむことができた。
でも一番は、盛り上がったり楽しんでいる参加者の皆さんを見ていることが、何より楽しかったし嬉しかった。
「この場を創ることができた」ということの喜びを噛み締めて、ちょっと泣きそうだった(笑)


ホテル宴会場での会が終了し、場所を移しての二次会。
そこには一次会に参加できなかった人も含めて300名近くが参加。
懐かしのクラブミュージックに合わせてダンスホールは最高潮に!
でも皆さん、節度と品格のある大人の楽しみ方をされていて「さすが40歳!」と感心(笑)

ダンスフロアも超満員!!

「この夜が一生続けばいいのに…」と思いながら、楽しいひとときを過ごすことができた。
手前味噌かも知れないけど、“大成功”と言って良いと思ってる。
それくらいみんなの楽しそうな笑顔に溢れていた時間と空間だった。


最後に…

報酬が発生する訳でもなく、むしろ完全ボランティアの有志の集まりでスタート。
組織がしっかりしている訳でもない中で、誰かの指示のもとに動くという形ではなく、各メンバーが主体的かつ能動的に自分の役割を見出してこなして、決めるべきことを決めて進めてきた。

そんな環境下でもやり切れたのは、スキルではなくマインドで集まったメンバーだったからではないか。ちょっとくらいスキルが足りなくとも、想いがあればそれをカバーするだけの力を発揮することができる。
そして、お互いを信頼して任せて委ねて託すことができたからこそではないか。
今はそう振り返っている。

このプロジェクトに関わっての1番の収穫は、何より40歳というこの年齢で、かけがえの無い同学年の信頼できる新しい仲間ができたこと。
この半年の期間で築いた絆と信頼と友情は、これからも大事にしていきたいと思っているし、きっとみんなも同じ想いだと思う。
仲間の誰かが困っていたらきっと助けるし、こちらが助けてほしいときはきっと頼ると思う。それくらいお互いに支え合える仲間ができたと感じている。

ダブル成人式 実行委員・サポートメンバー


“ダブル成人式”という共通の目的は幕を閉じたけど、これからの沖縄を牽引していく世代・年代であることには変わりないので、今度はこれからの未来についてみんなと語り合い、希望を抱き、手を取り合っていきたい。
そしてまた節目節目で集って語って、縁を繋いで紡いでいけるといいな。

集合写真!みんなカッコいいし綺麗で美人!40歳もまだまだ若い!


*INAZUMAN*

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