最後までもがく!小説作りのサイドストーリー
今回書いた小説。Kindleに入稿するリミット(4月20日)の1週間前、僕は原稿と格闘しながらも、頭を抱えていました。今回小説を書くにあたって、表紙を作らないといけないのはわかっていたものの、なかなか書いてもらう人が見つからなかったのです。
絵心ない芸人友人に出られるほどの実力を持つ自分ではとても描けず、文字だけの表紙にするしかないかなと半ば諦めていたところ、友人から声ををかけていただき、一人のイラストレーターを紹介されました。
その方は、あのホリエモン主宰のゼロ高に通っている高校生さくやさん(@saku__0_2)でした。
正直、45歳の自分が人生をかけた想いと、これまた人生で一番の頭脳労働をしたという自負がある作品の顔を、その道のプロではなく、商用イラスト未経験の高校生に託すことには迷いが生じました。でも、1日迷った末、お願いすることにしました。その理由は、
・人生をかけて本当にやりたいことを見つける
・座学ではなく “実学” 重視
というゼロ高の理念に惹かれたこと。そして自分の『ぺしゃん』という小説も、テニスを通じてコーチや子供たちが成長していく物語でありながら、正解のない教育論にも踏み込んでいく物語であったこと。新しい教育にチャレンジしているゼロ高で学ぶ、意欲ある学生に任せてみたくなったのです。
高校生ということもあり、プレシャーをかけ過ぎてははいけない、と思いながらコミュニケーションを取り、残り1日の段階でこちらの表紙が出来上がりました。
登場キャラの特徴をよく捉えていて、十分過ぎる出来栄え、時間的余裕をしっかりとって、Kindleに入稿しようと思っていました。しかし、翌日、締め切りの日の朝になって、「良い作品だから自信を持って広めて欲しい」という大友監督のメッセージが、寝起きの頭に蘇ってきました。自分は、作品の内容に自信を持って表紙を作っただろうか?
この表紙では読者に阿(おもね)っているのではないか?
僕は、締め切りの4月20日、当日の午前9時、さくやさんに連絡を入れました。(連絡はチューターの方も入ったグループで行っています。)
最初からやり直したい。
さくやさんにお願いして、僕自身が表現したいイメージを伝えながら、何度もやりとりをしてゼロから作り直しました。完成したのが夜の11時。なんとか入稿を済ませて無事にキンドルにアップすることができました。
高校生相手に、最後の1日に大きな負担をかけてはいけない。そんな思いと格闘しながらも、
・人生をかけて本当にやりたいことを見つける
・座学ではなく “実学” 重視
この2つの思想に、俺自身ものっかってしまえ!と原稿の最終チェックもしながら、打ち合わせを続けて完成させました。完成した表紙がこちらです。
主人公の静かなる情熱や思い悩み逡巡する様子が、表現されているし、夢に向かってラケット振る少年の、個人スポーツが持つ孤独な努力も見事に表されています。
小説で自分の世界を表現していくことは、人生をかけて本当にやりたいことであったし、とにかく書き切ってキンドルで出すという行動も座学ではなく “実学” 重視という僕の考えにマッチしています。
お願いしたはずが、こっちがのっかってしまった。
最終日に格闘できたことはとてもいい経験になりました。記憶を辿ればこれまでも小さな成功体験しかありませんが、その全てが直前までもがいた先にあった気がします。
もし、今を遡ること30年前にゼロ高が存在すれば、僕は海外のテニスアカデミーで練習しながら、勉強はオンラインでゼロ高に通うという選択肢をとっていたかも知れません。(知れませんとなるのは、海外のテニスアカデミーのコストが高いからです。)僕はもう45歳で、あの時に戻ることはできませんが、さくやさんやゼロ高を、これからも応援し続けたいと思います。
最終日の夜遅くまで一緒に戦ってくれたゼロ高生さくやさんに改めて感謝します。
残念ながらボツになった表紙もありがたく使わせていただき、こんなキャラクターの相関図も作成しました。
そんな僕の小説はこちらから。
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