見出し画像

SPAC(特別買収目的会社)

お疲れ様です。

昨夜は、異例の無観客でのオリンピックの開会式でしたね。
始まった感覚・盛り上がりはないですが、選手たちはその場にいると「オリンピック始まったなぁ」と感じているのではないかと思っている今日この頃ですが、いかがお過ごしでしょうか?
私は『お文具さん』のスイカ割り動画を見て、ほっこりして過ごしています。

今回は、昨日『ダイレクトリスティング』についてみていたときに『SPAC(特別買収目的会社)』という単語が出てきたので、それを今日は改めてみていこうと思います。

SPACへの投資には未公開株に似たリスクなどがありますので、投資するしないに限らず、知っておいて損はないとです。



1・アメリカで人気の上場手法『SPAC』

『SPAC(特別買収目的会社』と言う単語は、日本ではあまり馴染みがないですが、アメリカにおいては非常に注目が集まっています。

SPACはIPO(新規上場)の際に用いられる手法で、以前から存在はしていましたが、ルールが緩かったことから不正が多いことが問題でした。

しかし、近年では投資家保護の目的で様々なルールが設けられて対策がなされていることもあり、人気を集めています。

以下のグラフは、
1つ目は2013年から2020年のSPACによるIPOの件数
2つ目は資金調達を表しています。

画像1

画像2

最近になって、SPACでのIPOが盛んになっています。

最近では、遠隔医療とパーソナルケアのベンチャー企業である
『Hims Inc.』がSPACであるOaktree Acquisitions Corp.との合併による株式公開を申請し、話題になりました。

そもそもSPACとはどういう仕組みなのか?となります。



2・SPAC(特別買収目的会社)

SPACとは『Special Purpose Acquisition Company』の略で、直訳すると『特別買収目的会社』となります。

名前から察しがつくと思いますが、SPACは一般的な会社とは異なっていて、買収を目的に設立された会社になります。

なので、SPAC自体は事業を行いません。

SPACは事業の実態がないので、『空箱上場』とも呼ばれます。

⭐️SPACの仕組み
流れは以下の通りです。
①まず設立者は自己資本を投入してSPACを立ち上げます。これが会社の資産をなります。
②SPACが上場します。この際に株式を売り出し、投資家から資金を集めます。
③その後、買収する企業を探し、買収行います。
④SPACと買収された企業が合併することにより、事業を営む被買収企業が存続会社となり、上場会社となります。

画像3

ここで、「何故、買収するだけの会社にお金が集まるのか?」と疑問に思います。

それは大きく分けて2つの理由があります。

【1つ目】
SPACの設立者が大企業の元経営幹部であったり、著名投資家であるなど一定のネームバリューがある人物が多いことです。
「この人が買収先を探し出すのだから、きっと上手くいくだろう」と買収成功への期待が高まることでお金が集まりやすくなります。

【2つ目】
買収が進まなかった場合でも投資資金が返還されるからです。
SPACでは買収が進まない場合でも通常2年程度で金利をつけて投資資金を返還するため、金融緩和で余っているマネーの行き先となっています。



3・SPACのメリット

⭐️買収される企業のメリット
買収される企業には『資金調達ができる』『SPACでのIPOは比較的早く済む』と言うメリットがあります。
既存のIPOでは審査の際の条件が厳しかったり、審査に時間がかかるなどスタートアップ企業にとって障害がいくつかありました。
さらに、コロナの影響によってIPOが厳しくなった時期があります。
ですが、SPACに買収されれば、まとまった額の資金調達ができると同時に、IPOのプロセスを短期間で終えることができます。


⭐️個人投資家のメリット
SPACは個人投資家にとっても『未公開株式(プライベートエクイティ)に少額で投資できる』というメリットがあります。
従来、未公開株式には機関投資家や富裕層などの限られた投資家しかアクセス出来ず、個人投資家にとってはハードルの高い投資商品でした。
しかし、SPAC自体は上場企業であるので、多くの投資家が少額から投資ができます。



4・SPACのデメリット

デメリットとしては『未公開株式への投資リスク』があります。

SPACは慎重な判断を重ねて買収先を決めているのですが、買収先が100%安全というわけではありません。

2014年設立ながら、SPACを用いて短期間で上場を決めた米電動自動車メーカー『ニコラ』が問題になりました。

⭐️ニコラ問題
ニコラは2020年の6月にSPACを用いてNASDAQに上場し、時価総額は一時3兆円を超えました。
しかし、同年9月に虚偽の広告を行ったという詐欺容疑がかけられ、同月には創業者兼会長であったトレバー・ミルトン氏が辞任するという衝撃の展開を迎えました。
SPACに買収される企業は他の上場企業と比べ情報開示が不十分なことも多いので、思わぬリスクが生じることもある。という点は忘れてはいけないことです。

経営不振なのにSPACによって上場して、株価が暴落する場合もあり、こういう上場を揶揄して『裏口上場』とも言ったりします。


SPACやダイレクトリスティングなど、コロナの影響もあって今後はアメリカだけでなく、世界中で盛り上がるかもしれません。
まだ日本ではSPACも用いた上場は行われていないですが、近い将来日本でも可能になるかもしれませんので、情報は耳にしていたほうがいいと思われます。


オリンピックは始まるまで興味なかったですが、やっているとついつい見てしまいますね。
暑いですし、コロナですから家でビールでも飲みながらお文具でも見ましょうよ。


それでは
4連休残り1.5日間も適当に頑張りましょう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
🐶ここでは『お金』『投資』『マインド』などを書いています。
『お金』は人生の全てに関わってきますので、そこの問題を解決すれば自分も周りの人も自分の望んだ人生が送れると思い、書いています。
気張らず『へぇー』くらいで見て頂けたら幸いです。

🐶今回のイッヌとイッコ🦜
立場が逆転した日

画像4


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?