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PEファンド(プライベートエクイティファンド)とは?

お疲れ様です。
随分と春を感じるようになってきましたね。
でも、夜は冷えますし季節の変わり目は体調を崩しやすいのでご注意です。
花粉症の方はお辛いかもしれませんが、私は春〜夏〜秋初旬までが好きな季節です。

🐶ベルちゃんも寒いのは嫌いと無言の圧です。

神々しいベル

さて今回は『PEファンド(プライベートエクイティファンド)』についての概要企業がPE投資で受けるメリット・デメリットなどを改めて見ていきましょう。

【ポイント】
・プライベートエクイティ(PE)とは、取引所で売買されていない未公開株のこと
・PE投資は企業価値を向上させ、売却益で儲ける
・PE投資は大きく分けて4種類

『株式』が東証など証券取引所以外でも売買できることは存じているはずですが、個人投資家にはあまり目にすることが少ないかもしれません。


1・プライベートエクイティとは

そもそもプライベートエクイティ(PE)とは、非上場企業の株式のこと、一般に上場している企業の株式は証券取引所で株式公開され、売買されています。
一方で、非上場企業の株式は”未公開株”と呼ばれ、創業者やその親族、取引先などが保有し、証券取引所で売買できないのが特徴です。

取引所で売買できない未公開株は、当事者間の合意によって売買が成立します。

PE投資をする投資会社や機関投資家のことを”PEファンド”と呼び、PEファンドは投資した企業の価値を上げ、株価が上昇した際に売却し利益を得るとです。

具体的には、PEファンドは経営のコントロールを握るため100%に近い株式を取得し、投資した会社の株価が5年程度で3倍になることを目指しています。

■ハゲタカファンド

日本で投資ファンドが注目され始めた1998年ごろは”ハゲタカ”ファンドとも揶揄され、ネガティブな印象を持たれることもありました。
投資後に従業員を一斉に解雇したり、取引相手との一方的な契約打ち切りなど極端な例も多くあったため、他の利害関係者の犠牲を厭わない姿が、屍肉を漁る貪欲な”ハゲタカ”を連想させたからです。

しかしファンド側もそれを意識して改革方法を改善してきたので、現在ではPEファンドに対するネガティブな印象は薄れてきています。
まぁ一部はいるんじゃないでしょうかね。
歴史を学ばないバカが。


2・なぜPE投資を受けるのか?

PE投資を受ける企業としては、PEファンドで働く経営のプロが介入してくれることで、自社内では賄えなかった経営改善やノウハウを得られます。
さらに上場準備もしてもらえるため、投資を受ける企業とPEファンドの関係は”win-win”な場合が多いからです。


■銀行の融資とPE投資の違い

また、銀行から融資を受けるよりも資金調達がしやすい点も特徴です。

銀行から融資を受けるには”信用””担保”が必要となります。
事業計画書の他に損益計算書や貸借対照表、資金繰り表、試算表を提出する必要があります。

一方でPE投資は成長した株式を売却することで資金が回収できるので、将来性を見込んで行う”出資”となります。
投資を受けるには事業計画書などを提出する必要はありますが、銀行の融資とは審査基準やポイントが異なり、ビジネスモデルが重要視される傾向があります。


■PE投資の対象

PE投資対象となる代表例は以下の通りです。

①大企業の子会社/非主流部門
②オーナー系中堅・中小企業
③ベンチャー企業・スタートアップ企業

①大企業の子会社/非主流部門

既に市場規模が大きく、企業価値のある大手企業でもPE投資の対象になることは多いとですね。
子会社や非主流部門が業績不振な際、大企業としてはそれらを売却したいと考えていることもあります。無情ですね〜。
そうした大企業の業績不振な子会社や部門に対し、PEファンドが潜在能力や将来性があると判断した場合、売却の受け皿となり、企業価値を上げてIPOしたり、企業売却をしたりします。

②オーナー系中堅・中小企業

ここでは”後継者不足”が深刻化しているので、PE投資の対象になることが多いです。
家業を親族が継ぐのが当たり前だった時代は過去の話ですので、現代では優れた技術や商品があるにも関わらず、後継者が見つからずに廃業に迫られている企業が増加しています。
このような企業に対して、PE投資を行い企業価値を上げ、M&Aを目指して企業の存続の手助けをするとですね。

③ベンチャー企業・スタートアップ企業

ベンチャー企業は専門性の高い分野の商品やサービスを持っているにも関わらず、経営のノウハウが欠如している場合が多いです。
そのため営業や資金調達で成果を出せず事業拡大ができていない場合、PEファンドが経営や上場のサポートを行い、ノウハウを残しつつ、IPOを目指してPE投資を行うとですね。


3・PE投資は4種類ある

PE投資を行い企業にも、その”目的”ごとに種類があります。

①ベンチャーキャピタル
②バイアウト投資
③企業再生投資
④ディストレス投資

①ベンチャーキャピタル

ベンチャーキャピタルは、ベンチャー企業やスタートアップ企業への投資を対象としています。
PE投資は主に、ある程度成熟した企業を対象にしたバイアウト投資や企業再生投資を指すことが多いですが、ベンチャーキャピタルもPE投資の一種です。
ベンチャーキャピタルは取得する株式を半分以下に抑えることも多く、この点は他のPE投資より柔軟であると言えます。
創業初期のベンチャー企業やスタートアップ企業は銀行からの融資を受けにくいので、資金調達が難しい場合がほとんどです。
しかし、ベンチャーキャピタルからの出資を得られれば、早期に事業拡大をして、市場シェアの獲得や競合に差をつけることもできます。

②バイアウト投資

バイアウトは『買収』『買い占め』という意味があります。
バイアウト投資が対象としている企業は、ある事業は軌道に乗っているが、経営不振や後継者不足といった問題を抱えている企業です。
経営に参画することで、業績不振な事業の切り出しによるリスク軽減や企業戦略の実行を円滑に行います。
そして企業再生を進め、企業価値を高めることで売却益を得るとです。
技術や成長力があっても経営不振を起こしている中小企業は多いですが、銀行はそのようなリスクのある企業に融資はできません。
そこで企業存続のためにバイアウト投資を行うことは非常に有効と言えます。

③企業再生投資

新規事業の失敗や債務超過によって経営不振に陥っている企業を対象としています。
バイアウト投資の対象は経営不振を起こしていても事業が軌道に乗っています。
しかし企業再生投資の対象は、赤字続きのように事業自体が不信に陥っている企業あるので、株式を割安で購入できます。
なので、株式を割安で購入できるという利点がある一方で、企業再生に失敗すれば損失が発生するリスクがあります。
ハイリスク・ハイリターンの投資と言えますね。

④ディストレス投資

ディストレス(distressed)は『困窮した』『行き詰まった』という意味があります。
ディストレス投資は、破綻寸前や既に経営破綻を起こしている行き詰まった企業を対象にしており、PE投資の中でも特に経営状況の悪い企業を対象としているということですね。
その企業が発行した株や債権(ディストレス証券)を買い取り、経営再建を行ってから売却します。
経営再建に失敗した際の損害は大きく、失敗する可能性も大いにあるので、かなりハイリスク・ハイリターンな投資になります。
ディストレス投資は専門のヘッジファンドが行うのが主流で、専門知識を要するので、一般投資家が参入しづらいく、競合も少ないのが特徴です。
経営再建のために積極的に経営に参画する場合もありますが、1つの投資先に集中しすぎず、リスク分散させるファンドもあります。


4・PE投資を受ける4つのメリット

①資金提供を豊富に受けられる

資金提供を豊富に受けられることは、PEファンドを利用する最大のメリットと言えます。
PEファンドに株式を売って資金調達をするため、企業価値に見合った資金を調達することが可能となります。
銀行から受ける融資とは異なり、利子や返済期限などを気にせず経営に集中できる点もメリットです。

②手厚い経営支援を受けられる

PEファンドの目的は、購入した時よりも高い株価で売却し、利益を得ることです。
株価は企業価値が高くなれば向上するため、PEファンドは専門家の派遣や経営戦略の構築など様々な経営支援を行います。
投資経験の豊富な専門家の質の高いサポートを受けられるだけでなく、PEファンドが株式を売却した後も企業はそれらのノウハウが残ります。
また、投資を受けている期間はPEファンドから経営に関する質問を受ける機会が多く、企業が抱える課題が明確になります。

③事業継承問題を解決できる

中小企業は後継者不足に悩んでいることも多く、経営が軌道に乗っていても、その代で廃業を考えている企業は少なくありません。
そこでPEファンドは、人材紹介やM&Aによって事業継承問題を解決できます。
PEファンドはこれまでの投資経験から様々な業界や企業、経営人材と繋がりがあるため、必要な人材を紹介することができるからですね。

④IPOサポートを受けられる

PEファンドはM&AやIPOのイグジットによる資金回収を目的に投資をしています。
ゴールがIPOの場合には、企業にIPOの知識がなくとも、詳しいプロの助言やサポートによってIPOを実現することができます。


5・PE投資を受ける2つのデメリット

①いずれイグジットしなければいけない

何度も言いますが、PEファンドはM&AやIPOによる資金回収を目的に出資しています。
つまり、PEファンドから出資を受けるということは、イグジットを目指すことになるということです。
長期にわたり自身で経営をすることを考えている場合、PEファンドを活用しての資金調達や経営改善は最適ではないかもしれないです。

②経営の自由度に制限がかかる

PE投資を受けるとPEファンドが株主になり、多くの場合9割以上の株式を所有されるので、PEファンドの意思決定に従わなくてはいけません。
PEファンドを利用するメリットは多くありますが、都合よく利用できるとは言えませんね。
経営者が思い通りの経営をしたい場合でも、PEファンドは利益に直結する行動を選択すれば、衝突が起きる可能性があります。
かつての”ハゲタカ”と呼ばれるような手法を取るPEファンドはあまり存在していませんが、経営者が自分の思うように経営をしたい場合は、PEファンドの利用は向いていないと言えます。

PE投資はかつて”ハゲタカ”と呼ばれていた頃とは大きく変わり、国内でPE投資は成長傾向にあります。
最近ではPEファンドがベンチャー企業にマイノリティーで投資する例も増えており、投資家の垣根が無くなりつつあります。

「個人投資家は、ベンチャー企業に投資できないのか?」と思われた方は、最近では株式投資型クラウドファンディングを使うことで、個人投資家でも未公開株投資が出来るようになっています。
どんどん投資の幅が広がっていきますね。

儲けてお文具さんを見ながら、ワインでも飲んで、ベルちゃんを撫でながらの時間を過ごしたいものです。

それでは、明日も適当に頑張りましょう。

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最後まで御拝読ありがとうございます。
皆様の何かのキッカケにでもなれば幸いです。
ここでは『お金ついて』『投資について』『経済について』などを書いています。
『お金』は人生の全てに関わってきますので、そこの問題を解決すれば自分も周りの人も自分の望んだ人生が送れると思いのもと書いています。
気張らず『へぇー』くらいで見て頂けたら幸いです。

🐶締めのベルちゃん


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