従業員目線で見る「健康経営」。プレゼンティーズムとは

これまで環境ばかりやっていたが、サステナコンサル/ESGコンサルになってから、ESG(環境・社会・ガバナンス)のうちのEだけでなく、SとGにも触れることになった。

駆け出しのESGコンサルとして、知的好奇心が刺激される日々を過ごしている。

今日は特にS(社会)テーマのうちの「健康経営」というテーマがおもしろく感じたので、記録したい。

健康経営とは

企業のサステナビリティレポートを読んでいると、社会テーマの中に「健康経営」という言葉をよく見かける。

健康的な経営?

健康を経営?

ぱっと見の日本語はどちらかよくわからないが、前者であればサステナブル経営といわれているから、後者だろう。

皆さんの企業の健康経営はいかがなものだろうか。

現職の会社では、健康診断が必須化されていたりするくらいで、特段特別なことをしているようには感じられない。素敵な企業があれば、社員目線で知りたいところ。

今回、このテーマを取り上げるに至ったのは、とある企業の健康経営のページを見ていて感動したから。

感動ポイントの一つ目は、メンタルヘルスによる休業者数/日数を出していること。

https://www.mmc.co.jp/corporate/ja/health_mgt/

前職ではメンタルヘルスによる休職が普遍化していて、軽い風邪でもひいたくらいの扱いを受けていたので、グラフ化したら大変なことになりそうだなぁと思いつつ、正直に可視化できる企業もあるんだなぁって感動した。

もう一つは、「プレゼンティーズム」という概念に出会えたこと。

新しいカタカナを摂取するのが趣味なので刺さった。というのは置いておき、プレゼンティーズムとは・・・

プレゼンティーズムとは、健康問題による労働機能障害、つまり何らかの体調不良を感じながら勤務している状態のことであり、当社では2021年より産業医科大学で開発されたWfun(Work Functioning Impairment Scale)調査票による調査を実施しています。

三菱マテリアル「健康経営」より抜粋

仕事を休むほどではないけれど体調が悪い社員の割合を開示しているのって、すごく本質的では?と思ったのだ。だって、相当なことじゃないと仕事は休めないし、でもすごく不調でつらいって、結構あると思うから。

前職では、自分自身がこの休むほどじゃないけど心身ともに慢性的に体調が悪い感じで働いていた。生理前なんて2,3日寝込まないとやっていけないくらいつらいのが当たり前のようになっていた。いわゆるPMS(月経前症候群)が重いタイプ。

でもびっくり。仕事を辞めてニート期間を10か月続けていたら、半年たったくらいでPMSがなくなった。(半年はボランティアワークなどで忙しくしていた。)

さんざんこれまで産婦人科に通い、いろんなピルや漢方を試していたが、原因は「仕事のストレス」だった。たまげました。

今ではPMSに一切悩まされることなく仕事ができている。

ニート期間のお休みをしたことで、健康という財産を獲得することができて、本当によかった。一度健康状態を獲得したことで、慢性的な不健康による麻痺をなくすことで、体調に目をを向けやすくなった。
このままの調子を維持したいし、またPMSが復活するようであれば仕事との向き合い方も考えていきたい。

ちなみに、一般的な健康経営の開示指標には「アブセンティーズム」という

「疾病休業者数・日数「疾病休業開始後、有給休暇を除き、暦30日以上の疾病休業の者」の数や割合を開示している事例が多い。

これが多いと相当やばい会社だなというフィルタリングができるので、必要な数値ではあるが、実質的な従業員としてのつらさはもう一段階「プレゼンティーズム」で把握できるので、これらの概念と出会えてよかった。

この会社は「健康優良法人」にも選定されている。どれほどすごいことなのかわからないが、健康経営について調べるタイミングがあったら、深堀っていきたい。

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