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【読書感想文:仕事は楽しいかね?最終講義(デイル・ドーテン著)】今からでも間に合う!?後天的に「優れる」コツ

仕事は楽しいかね?最終講義(きこ書房、2012)の感想文です。以下、本書の引用は「*」で表します。今回はAudibleで聴いたので、本書の言葉そのものは引用できないかもしれません。悪しからず。

本書は、高名な実業家の老人マックス・エルモアの甥っ子とその婚約者のやり取りがメイン。婚約者が仕事で悩んでいたところ、マックスの甥がマックスとの話を提案。マックスは講演のネタづくりに困っており、そのネタを探すことも含めて二人の相談にのる、という内容です。

最初は、前2作のまとめかな?と思ったですが、それとも少し違う印象。少し説明し辛いですが、

突出するとは!?

を突き詰めて考察している感じでした。なので、

伸び悩んでいる、もっと有能になりたい

と思っている方、年齢問わずおすすめできる内容と思います。

本書に書いてあるその条件の中で自分が引っかかったのは、

・行動の順番をとばす
・誰が知っているかを知る
・自分を除外する

です。

まず「行動の順番をとばす」についてですが、これは「見切り発車」とは少し違う気がしました

例として、

・プロジェクトを開始する予算がなかったがとりあえずできる範囲で始めた
・靴の試作を$50(つまり赤字)で請け負った

というものがあります。ではこの後一体どうなったかといえば、

・結果を出し後から予算がついた
・大手を出し抜いて量産契約を勝ち取った

というものです。

ここから学んだことは、

順序通りに行動しようとすると、短期的な思考がどうしても強くなり、長期的に慣れないということ

です。長期的に考えればこうした方が良いという方向性があれば、最初は不利な状況にあることを承知で行動するれば、後から結果がついてくる。これを本書では、

1、2、3ではなく1、3、2(*)

という順序で行動すると表現していました。順序には理由があることは承知していますが、「何か新しいことを始める」場合は、その順序ではできないことがよくあります。お役所仕事は順序ありきですが、それを掻い潜ることが必要と感じました。

次に「誰が知っているかを知る」についてです。これは、「自分が全知全能となることは不可能」「人に任せる」ということと同義かと思いました。本書では、

コンシェルジュ

に関して例がありました。自分が知識のコンシェルジュになり、自分が必要な知識や、他人に相談された時など、

誰がそのことを知っているのか?

が明確になっていれば、大きな本棚があるのと同じ(*)です。なんとなくですが、自分の職場は、管理する立場の人間に対し、まだ「一人一人がなんでもできるスーパーマン」であることを求めているように感じます。しかし、彼らがコンシェルジュになれば、よほど効率的と感じます。自分には得意不得意があることは重々承知しているので、知識のコンシェルジュになることで、仕事を円滑に運営できるようにしたいと感じました。

最後に「自分を除外する」です。これは、物事を考えるときに、という意味です。「相手主体」と言ってもいいのではないでしょうか。

・ものを販売するとき
・プロジェクトを立案するとき

これら全て、自分ではなく「人に利益を与える」行動です。だから、自分に視点に置いた話し方をすると、相手は聞いてくれません。

しかし、相手を主体、利益を得る人を主体にし、自分(の利益)を除外すると、人は話を聞いてくれる、ということです。

いますぐ即効性があるものは「質問する」です。

商品などをお薦めするとき、「こちらの商品がいいと(私は)思います」というよりも、「どのような商品をお求めですか?」と聞いた方が購入率が上がるようです。

相手の視点になり、相手が何を求めるか「質問する」。もし商品を買わないと結果となっても、それが相手が求めていたことだからそうする。

その行動を続けると、信頼が得られる。という流れのようです。

こう考えると、「突出するには、自分自身にスーパーな能力が備わっている必要は必ずしもない」ことがわかりました。

優秀になる、突出する

に関して、考え方を変えてくれる、後天的にもそうなれると思わせてくれる、そんな内容が満載の良書と思いました。

最後まで読んでいただきありがとうございました。



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