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【お金編】無意識に傷つけないために①

皆さんは、自分の周りで世帯収入が低い人を把握しているでしょうか?

別に必ず把握している必要はないですが、世帯収入が低い人を傷つけたくないのであれば、傷つけない方法をお伝えしたいと思います。現在は、簡単に借金ができるようになったことで、貧困が可視化しにくいと思います。

何を隠そう、僕は世帯収入の低い家で育ちました。住宅は団地ですし、習い事もしたことありませんし、塾にも通ったことがありませんし、高校の教科書やPTA会費なんてものも自分で払っていました。もっとお金に困っている人もいると思うので、貧困代表みたいな顔をする気はありませんが、そこそこ不便に生きてきました(笑)。現在は一人暮らしで、自分のためだけに生きればいいので、収入が低くてもなんてことありませんが、実家暮らしの時は多少の恥じらいを感じます。

高校3年生の時、一時的に貰える奨学金を申し込もうと思った時、世帯収入と自分の成績を提出して、審査するという流れでした。そこで僕は資料にそれらを書き込んで審査を待ちました。その審査結果が発表される日、担任に呼ばれ、他にも申し込んでいた同じクラスの女子2人と一緒に担任の元へ。そこで担任は、審査結果をまず女子2人に伝えます。

「二人は、成績は足りてるんだけど、世帯収入が基準より高いな」

その二人は、残念ながら奨学金をもらえるレベルの貧しさではありませんでした。それもそうです。いくら年下の兄弟がいるから、世帯収入がちょっと低いからと言って、部活をやらせてもらっている時点で、僕よりも余裕はあります。もしかしたら、親御さんがその環境を整えられるように頑張ってくれたのかもようにしれませんが。僕の家庭はそんな余裕もなく、高校からは働くのが当然ですし、学校よりもバイト先での滞在時間の方が長いです。しかも僕は、末っ子です(笑)。もうこれは、僕が貰うものになるだろうと息巻いていました。

そして、僕の番が回ってきます。担任が僕の方を見て、

「稲本、お前は収入は基準に足りてるんだけど、成績が足りない」

と、言い放ちました。つまり、貧乏で頭も悪いという(笑)。

「ダサッッッッッ!」

僕はその一言がとっさに出ました(笑)。しかし、そこにいる女子は全く笑っていません。「貧乏なんだ、この人」と思った瞬間、ちょっと引いていました。僕からしたら成績が悪いのも仕方のないことですし、笑ってほしいところなんですが、なかなかいい人たちのようで、それはできないらしいです(笑)。よって、そこには僕の悲しい笑い声しか響いていません。

僕は、次の授業に向かうときになんだか悲しくなりました。馬鹿で貧乏で運動部でもなくて、もう人間として誇れることがないように思っていました。でもこれは、明らかに担任のデリカシーの問題です(笑)。僕よりも30歳年上のヤツが、少年のガラスのハートに配慮できていないのは残念なことです(笑)。しかし、担任もそんな環境で育ってないので、それが傷つくこととも知りませんし、いちいち個別にやるのも面倒だったのでしょう。

なので皆さん、世帯収入が低い家に生まれた少年の、本当に小さいプライドを、大人の心ない言葉で傷つけないようにしてあげましょう(笑)。貧乏に見せず、元気な印象を与えているというプライドだけで、何とか立ってるヤツがこの世にはいます。

もっと言えば、「貧乏自慢をやめてほしい」というお金持ちさん、それもこっちとしては苦しいです。せめてもの思いで、勇気をもって自分をさらけ出しているんです。ちょっとは付き合ってあげましょう。もしくは、その話が面白く聞こえる方法をアドバイスしてあげましょう。

最後に、貧困代表みたいな文面でごめんなさい(笑)。

与えられた環境でしっかり育っている少年少女、今日もお疲れ様です。

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