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関取との格差

今場所、幕下上位の息子が初めて十両の土俵で相撲を取ります。

幕下上位というのは60枚目まである幕下の15枚目までの地位です。

幕下15枚目以内で7勝0敗で優勝すると十両に昇格、見事「関取」となります

16枚目では十両に上がれません。

もう一つ、東筆頭(一枚目)の力士は4勝3敗でも勝ち越せば十両に昇進しま

す。

この二つはこれまでの慣例に基づき、ほゞ確約の要素です。

ですので、西1枚目の力士は、4勝3敗で勝ち越しても、十両から落ちてくる

力士がいなければ、次の場所、東1枚目移動で終わる場合もあります。

これを「半枚昇進」といいますが滅多にありません。

今場所は、残り二日ですが、東筆頭の「寺沢」が勝ち越し、さらに星を

伸ばしましたので、十両昇進は確実です。

「おめでとうございます」

寺沢は東洋大学出身で183cm130㎏とお相撲さんの中では小柄な方の力士

ですが、その俊敏性と「思い切りの良さ」と相撲勘は素晴らしい。

関取での活躍も楽しみにしています。

6勝0敗で幕下優勝争いをしていた11枚目の「北の若」が同星の43枚目

「深井」に敗れ、十両昇進を逃しました。


幕下の力士が十両に昇進すると、人生が変わります。

今この時点でも昇進をかけて戦っている上位の力士は毎晩寝られない日々を

過ごしていることでしょう。

十両以上(関取)になると相撲協会から「お給料」が貰えます。

月給100万円程度と聞きますので、他のプロ競技の一流アスリートに比べて

はさほど多い方ではないかもしれません。

でも、この昇進をかけて死に物狂いで戦う「幕下上位5番」(十両土俵入り

後の5番相撲)を好角家は「一番面白い」取り組みといいます。


ほかにも十両になると自身の「四股名」が番付表やNHKの放送の際に

「相撲字」で表記されるようになります。

幕下上位5番からNHK放送では「四股名」表示が大きく変わりますが

上位5番から十両の取り組みになると活自体が変わるので、確認されると

面白いですよ。

また幕下力士の丁髷が十両になると「大銀杏」になるのも面白い。


私の息子のように幕下上位が十両で取る場合には、幕下力士でも電光掲示板

に四股名が載るのと、「大銀杏」を結ってもらえます。

でもNHKの四股名は相撲字ではありません。

相手の関取は相撲字で、幕下力士は相撲字ではないのも見所です。


土俵下で待つ間も、十両土俵入り前までの全力士は、薄っぺらい座布団です

が、土俵入り後「幕下上位5番」以降は十両用の紫の座布団に座れます。

これが、幕の内になると「四股名」の書かれた大きなフカフカ座布団に変わ

ります。


このように大相撲の世界は超格差社会です。

紹介した以外にも「付き人」や「着物」「化粧まわし」などあらゆる格差が

あり、それを起爆剤にして下の人間は頑張ります。


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