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微かな実感

8月19日45日目。

この季節は一雨ごとに寒くなる、と、まちに住む人たちが口々につぶやく。今日もポツポツと雨が降っている。いきなり寒くなるのは勘弁だけれど、こうやって静かにカウントダウンされていくのも「夏にやり残したことはない?」とせきたてられるようでソワソワしてしまう。

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8月15日、23年振りに遠別町で花火大会が開催された。農業、漁業、商工会、役場の青年団体で連携した組織が立ち上がって約5年。構成メンバーは40〜20代の町内で仕事と生活をしている人たち約50名。花火大会数日前から各々が天気予報を見て、雨予報(むしろ嵐)にやきもきしながら天気の動向を見守っていた。

当日、晴れとはいかないまでも、霧雨で落ち着きなんとか延期をまぬがれてホッとした。今年は出店も何もなく、「自宅で大切なひと」と花火を見るようにアナウンスしたこともあってか、イベント特有の少しうわついた空気感はまちになく、それでも「今日、(花火)やるんでしょ?」と馴染みの人には声をかけられた。

ぼくは撮影班。班といってもひとり。花火の真正面に位置する遠別橋上に一眼レフカメラを2台セッティングして花火が打ち上がるのを待つ。高台から花火を眺めよう、と車が富士見ヶ丘公園へと向かう(このまちで一番の高台にある公園)。親子連れが歩いてとんがりかん(昨年営業を終えたまちのランドマーク的建物)へと向かう。

花火が上がり出すと、橋から見下ろした川べりの土手にも人の姿が見えて、「おぉ〜」という歓声が上がっていた。

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ここ数年、このまちでちいさなアクションが度々起きている。ニュースになるような派手なものはないけれど、こういうちいさなアクションの積み重ねがこのまちの文化を作っていくんだろうな、という微かな実感がある。

とりあえず、打ち上げることができてよかった。花火の撮影なんて数年に一度しかしないのでめちゃめちゃ神経使った。

今日の一枚は第一回えんべつ花火大会で撮影した写真。

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この時代に、記念すべき第一回目のイベントに携われるのってけっこう貴重なことだよな。

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