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盲導犬パピーと向き合う#7 〜我が家の挑戦Ⅲ

みなさん、いつもお世話になっております!!
本日は、自己紹介でも書きました私のもう一つの軸、「犬」「パピーウォーカー」に関してです。

2023年3月5日から盲導犬候補犬飼育ボランティア(パピーウォーカー)を引き受けています!
我が家にパピコ(note上のあだ名)が来てから、12月25日で296日目です。

日々パピコの様子をお届けし、盲導犬を含む補助犬などについて少しでも知っていただきたいと思っています。

これまで、
○我が家の挑戦Ⅰ
パピーウォーキングを申し込んでからパピーが来るまでのプロセスを#1〜9で、
○我が家の挑戦Ⅱ
パピーが来てからの様子を#1〜#224、

それぞれ投稿してきました。
マガジン(これらがまとまって入っているもの)はこちらです
↓↓

そして、

○我が家の挑戦Ⅲ
前回#6は、これまで我が家なりに努めてきた盲導犬の理解促進/PRについて書いてみました。

今回は、より盲導犬の理解を促進するべく、ペットとの生活の違いをコントラストさせたいと考えます。

ということで、Ⅲは基本的に、まとめ・ふり返りページみたいな位置付けでやっております!

なお、ヘッダー写真は、今年12月3日の散歩の様子です!
沈む夕日を背景に、かっこよく歩きました♪



「ない」もの

当たり前とも言えるですが、まだまだ盲導犬そのものやパピーウォーキングについて、理解が浸透しきっていません。
私たち家族は、実際のパピーウォーキングを通じて、その仕事や盲導犬そのものについて少しでも多くの方々に知ってもらうことを、微力ながら意識して取り組んできました。

ということで、一般家庭として育てられているペットの方々と、盲導犬パピーの方々とを比較し、パピーに「ない」「しない」ものを挙げることで、パピーのお仕事や生活をイメージしていただく一助にできればと考えます。

なお、私たち家族が勝手に心がけているものや、私たち家族の家庭環境の都合という部分もありますので、あらかじめ申し添えます!

食事関係

◾️同じものしか食べない。
 人間の食べ物をあげることはありません。
 協会から野菜などは良しと言われていますが、我が家ではここを徹底しています。
 よって、所定のドッグフードしか口にしたことがありません。

◾️一緒にゴハンを食べない。
 上記に関連することですが、我が家には子どもが4人いて、うち一人はまだ7歳に満たないので、食べ落とし・食べこぼしなどが起こる可能性大です。
 よって、人間の食べ物に興味を持たせないよう、自分の部屋へ戻ってもらうようにしています。

◾️同じ量しか食べない。
 毎食決まった量を提供します。
 これまでの成長過程では、その体重/成長に応じて量を調整してきましたが、今では完全に300g/日で固定化されています。
 一日2回食べますので、150g/回となります。

過ごし方関係

◾️一緒に座らない。
 人間と共に同じ椅子やソファーに座るといったことはしません。
 あくまでも人間と犬のスペースは別であるということを徹底させています。

◾️一緒に寝ない。
 上記と同じことですが、一緒にベッドにあがるようなこともありません。
 最初は多少「クンクン」悲しそうな声を出した日もありましたが、ここは割とスムーズにいきました。
 やはり、一緒に寝ることが当たり前になってしまうと、今後の環境への適用が困難(一緒にいないと寝れない など)になるのではと考えています。

◾️同じ場所でしか寝ない。
 さらに上記に関連しますが、寝る場所は常に決まっています。
 必ず自分の部屋に戻ってお休みです。
 我が家に来た初日から、パピコは一人、誰もいない自分の部屋で寝ています。

◾️同じ部屋しか使わない。
 寝る場所は、協会から貸与された柵の中です。
 その柵は、一生使うことになります。
 この自分の部屋が、安心できる場所・落ち着ける場所として認識してもらうことが重要です。
 子どもたちがうるさかったり、眠たかったりするときなどは、自主的にここへ戻ることもしばしばですw

こちらの黒い部分がそれです。
手前の白い部分は、我が家で勝手に拡張させた(後付けした)ものです。

◾️吠えない。
 仕事中の「吠え」は、絶対に禁止です。
 踏まれようが蹴られようが、声を出すことはできません。
 どんな場所でもユーザーさんと出入りするために必要なことだと考えています。

・食べたい時に吠える。 〜要求するための吠え
・インターホンがなったら吠える。 〜環境への反応としての吠え
・他犬に吠える。 〜威嚇としての吠え
などなど、こうした吠えが起こらないよう日々気をつけています。

◾️同じところにしかしない。
 これは、トイレの話です。
 トイレはいつも同じ場所でしてもらっています。
 そして最終的には、人間側から促したタイミングでのみ用を足すようにトレーニングしていきます。

 今私たちがやっていることは、この「同じ場所でする」に加えて「ワン・ツー」と掛け声をかけることです。

ワンが小、ツーが大 だったかな?
ちょっとどっちがどっちだったか忘れましたが、そうした言葉での促しを定着させるため、まずはトイレ=ワン・ツー と認識させるべく日々声掛けを実施しています。

◾️人が使うものには上がらない。
 これは、椅子/ソファーやベッドと同じようなことではありますが、テーブルやテレビを置く台など、人間が使うものには絶対に上がらないように教えています。
 公共施設などにおいて、周囲への方々への配慮や、ユーザーさん自身が困らないようにするという意味合いがあります。

ご覧の通り、椅子の上に首は上げていますが、この上に上がったことはありません。
こちらはテーブル。
上にあるものをクンクンはしますが、食べたり上がったりはしませんw

◾️人が使うものを噛んだりしない。
 これも最初はなかなか大変です。
 今は完全に、良いものとダメなものは理解しているのですが、反抗期ですのでわかっててやっていることがありますw
 そういった時は、かなりバツの悪そうな表情をしているので憎めませんw

ダメなもの(石ころ)を口に入れている時の様子w

◾️階段を上がらない。
 これは、完全に我が家ルールです。
 パピコの行動範囲はある程度限定させています。
 その中でも特に、これまで一回も立ち入らせていないのが2階です。
 寝室などがありますし、管理のしやすさから我が家ではこれを徹底しています。
 そもそも、パピコはビビって上がって行こうともしたことがないというのが現実でもあるのですがw

階段の下で待つパピコw
それ以上、上がっては来ません。

◾️柵を超えない。
 1階において、行ってほしくないところに柵を置いています。
 飛び越えようと思えば余裕だと思うのですが、そこを越えようとしたことは一回もありません。

 例えが悪いですが、お掃除ロボットのルンバ/アイロボットの行動を制限するためのセンサーばりに機能していますw

柵の向こう側を見つめるパピコw

人との接し方関係

◾️ペロペロさせない。
 手や顔など、人間にペロペロすることをなるべくさせないようにしています。
 お仕事中に周りの人が手を出してきてペロペロ、仕事を放棄したら困りますよね汗

 これをやめさせるのがかなり難しいです。。。

◾️人を噛んだりしない。
 噛まないのはある種、ペットでも当たり前だと思いますが、一応書きました。
 さらにパピコの場合は、甘噛みだろうと何だろうと、口に人の手などを入れることも相当に制限させています。
 口に入れるのは、私の手のみとなっていますw w

 小さい頃は、私の手が傷だらけでしたが、今では全くそんなことはありません。
 遊んでいる時にミスって、結果として軽く噛むといった場合や、口を大きく開けてその間に私の手を入れる行為をしたがるくらいです。

◾️人に飛びかからない/立ち上がらない。
 他人や他犬に急に飛びかかったり、立ち上がって行ったりすることは大変危険。怪我などをさせたら大変です。
 また、ユーザーさんの安全のためにも重要です。

これも最近の大きな課題です。

よくこうしてくるようになってきています・・・汗

散歩の仕方/外での過ごし方関係

◾️勝手に外へ出ない。
 散歩で外へ出た時や、外出で車に乗って降りる時など、人間からの合図があるまで勝手に、かつ、人間より先に出ることはありません。
 必ず人間が先に出て、合図に基づき行動することが徹底されています。

◾️立って待たない。
 散歩中のたとえば信号待ちなど、少し長めに待つ時は、お座りさせます。
 しかし、これもなかなか定着しません。

 理由の一つとして、田舎すぎて散歩中に待ち時間が全く生じないということもあると考えていますw w
(信号を渡らずに何十分も散歩することが容易ですw)

これは、今後の課題です。

◾️勝手に/先に歩かない。
 自分のペースで歩かせないように日々気をつけています。
 グイグイ引っ張ったり、行きたい方へ行かせたり、人間より先にズンズン歩いて行ったり・・・
 こうしたことをさせないようにします。

こちらが一例です。
妻が、先に行くパピコのペースを落とすと言いますが、リードをグッと後ろに引いて待たせています。

◾️拾い食いしない。
 これはなかなかペットの方にはみられないでしょうか?
 パピコの場合、食い意地が張っているのか、それとも同じフードしか食べたことがないから関心があるのか、枝や松ぼっくり、砂利などをボリボリ食べます。
 これは本当に困ったものです。心から止めさせたいと思っています。

 そんな中、最近思わぬ効果が。
 それは、雪の効果。
 地面が雪と氷で覆われ始めているので、口に含むものがありません!
 この冬季でこの習慣から脱することができればと考えています。

むすび(まとめ)

最も重要な「ない」

以上、たくさんの「ない」を書いてきましたが、これら全てに共通する『ない』があります。
それは、

これらの「ない」を教えるために『叱らない』ということです。

基本的には褒めて育てます。
良い行動を、良い言葉がけで強化させていくことにより行動を定着させるという手法を取ります。

その言葉が「good」です。
たまに記事の中で用いていますが、こうした背景があり使っているワードなんですw
「なんで急に英語なん??」と思っていた方もいらっしゃることともいますが、普段私たちが使っているようなイメージで書いているということですw

これは、人間の子育てにとっても非常に良い手法と言えるでしょう。
しかしこれは、頭でわかってはいても、実践となると極めて難しいっ!!

私は今この記事を2階で書いているのですが、この瞬間偶然にも1階から妻の「NOーー!!」という声が聞こえましたw w

どうしてもとっさの行為に対しては「NO」という否定的な言い方になってしまいます。
その意味で、日々反省の毎日です・・・

ここから思うこと・・・

ということで、パピーの段階でこれだけの「ない」がありました。
しかしこれは、盲導犬になれば、お仕事をするようになれば、もっともっと増えていくことになるでしょう。

これらたくさんの「ない」。
一般の犬であれば、ここまでする必要がないのかもしれない。
何でもかんでも禁止されて、そうまでして生きていかなければならないのか?
パピコは果たして、生きていて楽しいのか?幸せなのか?

そう考えてしまうことがよくあります。。。

この辺については、また次回書きたいと思います。

お礼

今回書いた「ない」シリーズや、パピコの幸せについて記事にしようと思ったのが、あゆむ道#212でのフォロワーさんお二方からのコメントでした。

偶然この回で素晴らしい、鋭いコメントをお二人からいただけるなんて、なんたる奇跡!なんたる幸せ!!

私に対し、素晴らしい気づきと問いを投げかけてくれたお二人をご紹介し、お礼に代えたいと思います。

オレンジさんは料理を、Jオヤジさんは交通安全を主に扱っていらっしゃいます。
自分の知らない世界に出会う。
自分にない気づきに出会う。

noteという素晴らしい出会いの場にも感謝です。

以上、本日も最後までご覧いただき誠にありがとうございました!


もしサポートしていただけるならば、現在投稿の軸にしている本の購入やパピーウォーキングにかかる経費に充てさせていただきたいと考えています。