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【五輪書】 書評#115

みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。

自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!

今回は、宮本武蔵です。
オリンピック(五輪)ではない方ですw

ヘッダーは、くま。さんの作品を使わせていただきました!
ありがとうございます!!


目次


基本情報

宮本 武蔵(著)
岩波書店 出版
1985年2月18日 第1刷発行

全173ページ
読書所要期間2日

私が本書に出会うきっかけ

これは、なぜ買ったのか全くもって不明w

以前Kindleで新渡戸稲造さんの「武士道」を読んだが、それ以外にも当時の日本の男たちの心持ちを知りたいと思ったからだろうか。

そして、知っているようであまり知らない著者「宮本武蔵」という人物を知りたいと思ったからだろうか。

いずれにしても、真相は謎であるw

私が思う、この本の本質

本書は、「日本剣道史上、二刀流として異色の存在である二天一流の基本的伝書」であると解説されていた。

著者はまさに、この流派の始祖である。

著者の人生観と兵法観を著したものであると言えるが、後者の方がより文量として多い、軸足を置いているという印象を受けている。

私が感じたこと

1点目 〜宮本武蔵の代名詞

宮本武蔵といえば、江戸時代初期剣術家で、「二刀流」が代名詞と言えるだろうか。

少しネットで調べてみると、「二天一流」と出てきた。
一方で、本書の冒頭には「二刀一流」と出てきた。

二刀流でもなく、二天一流でもない。
いったいどういうことか。

二刀一流という言葉の意味は、しっかりと本書に著されている。
二刀持つ利点と、それを持って目指す武士としての、剣術家としての一流の道
これを総合して二刀一流としているということは理解した。

さて、では二天一流と二刀一流の違いはあるのだろうか?
この辺については、この先読み進める中でわかるのか?
あるいは課題として残るのか?

私の感想文の書き方として、思ったことはすぐ書く。
つまり読み終わってから書き起こすのでは無いパターンが多く、今回はまさにそのパターンで書いているので、この先の一つのテーマとして読み進めたい。

2点目 〜我が道を磨く事肝要なり

ひと口に武士と言っても、宮本武蔵のように剣を使う者のみを指すのでは無いと本人は指摘する。

鉄砲を使う者、弓を使う者、槍を使う者。
そして、脚を使って進む者、馬を使って進む者。
これらを包括して武士と規定している。

その上で著者は、その道その道をよく磨くこと、つまり極めるために訓練を続けることがとても重要であり、その人の特定の道を極め進むことがイコール武士の道だとしていると私は受け止めた。

私は、この考え方が「人の道」であるとも感じた。
人それぞれ、立場(環境)が違う。
人それぞれ、得意なことが違う。

ある特定の道のみが人の道ではない。
その人それぞれに進むべき道があり、その人なりの道を進むことが、より良く生きるということであると思う。

剣術だけでは、戦さにならない。
自身は剣術家でありながら、戦さにおいて重要な他の要素を否定しない。

ある道を極めるということは、その道のみに目を向けるのではなく、他の道にも目を向け、かつ、多大なリスペクトも払うということなのかもしれない。

3点目 〜二天一流

本書は、地水火風空の五つ巻からなる。
つまるところ、5章立てと言って良い。

第一章の地の巻で、「二刀一流」という言葉が出てきたという件は、先述1点目の通りである。
「二天一流」についても書いたが、なんと早速 水の巻の冒頭にいきなり登場した。
水の巻を読んだ限り、その違いについての言及はなかったものと思われる。
この巻の内容は、どちらかと言えば剣術のテクニカルな話。構えがどうとか、その際の心持ちがどうとか。

二刀を用いて一流を志す兵法・流儀が、二天一流ということなのだろうか。

むすびに(まとめ)

全体を読んで思うに、宮本武蔵という人は、
・唯一絶対
・無敵の存在
”ではない”のではないかと感じた。

つまり、
・誰にも負けたことがない
・苦戦もない
・常にトップを独走してきた
という、ある種の神話的存在ではなく、常に努力と研鑽を続ける一人の人間ということだ。

さらに言い換えれば、
・血の滲むような剣術訓練
と、これを裏打ちするための
・学問的考察
・実践研究
により真理を追求し、”結果として”頂点を極めていったのではないか。

本書の行間に、それを感じた。


以上です。

現代語訳も下についていますが、それなりに難易度のある本でした。
だからこそ、読んでいてなるほど!という発見があり、五百年近くタイムスリップしている感もあり、改めて岩波文庫の凄さを感じています!

難易度高めの岩波文庫。
今後も、どんどん攻めていきたいと思いますw

本日も、ご覧いただきありがとうございました!!

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