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【シャイロックの子供たち】 書評#64
みなさん、いつもお世話になっております!
本日は、私の投稿の軸とする一つ「本」「読書」に関して書かせていただきます。
自己紹介に書いたマイルールを守りながら、私の大好きな本について書いていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いします!
今回は、池井戸潤さんの小説です。
池井戸さんは、半沢直樹シリーズの作者さんとして有名ですよね!
そのほかにもたくさんの人気小説をリリースされています。
※ヘッダーは、デザイナー塩さんの作品を使わせていただきました!本作に合わせ”銀行”をイメージしたイラストです。
基本情報
池井戸潤(著)
文藝春秋 出版
2008年11月10日 第1刷発行
全347ページ
読書所要期間9日
私が本書に出会うきっかけ
同じ職場の先輩から、「途中で挫折したけど読む?」と言って譲ってくださった一冊。
人にはそれぞれ書き方や内容など、合う合わないがある。
たまたまその方には合わなかったのだろう。
その人それぞれの、読める時・読めない時のタイミングもあると思う。
体調がいい時は、色々上手くいく的なこと。
私はもともと著者の作品を読んできているので、すんなり読むことができた。
この本の本質
銀行を舞台として、様々な人物を主人公とする、というよりは主人公が不在と言ってもいいのかも知れない。
蟹工船のような名前の出てこないものとはちょっと違うのだが、従業員それぞれの銀行に対する視点、帰宅した後のプライベートとしての個人の視点が、非常にリアルで多様に描かれているフィクション小説である。
私が感じたこと
東京第一銀行という架空の銀行がその舞台となっている。
私の記憶違いだろうか、東京第一銀行といえば、半沢直樹も所属していたような気がする・・・
本作は、半沢シリーズではないため彼は登場しない。
「本質」にも書いた通り、半沢直樹のような絶対的主人公は存在しない。
各章ごとに様々な人物がフォーカスされ、彼ら彼女らが織りなす仕事ぶりなどから最終的にはある事件へと収斂され、結末が徐々に明らかになっていくという展開。
嘘を嘘で塗り固めていく。
そしてその嘘が、結果として剥がれていく。
銀行が舞台だからか、金の切れ目が縁の切れ目と言わんばかりに、一度金回りがうまくいかなくなると、どんどん深みにハマっていく・・・
ただ、全ての登場人物が、直接ある事件に関わってくる訳でもない。
ここにも一つの面白さがあると思う。
短編ストーリー的なテイストも持ち合わせる。
私が最も印象に残る上記”ある事件”以外のストーリーとしては、”狛犬への粗品”(章のタイトルではない。私が勝手に言っているもの。)のくだりである。
なんとも強烈な切なさ、そしてリアルを感じる。
むすびに
生きるために働くのか。
生きがいのために働くのか。
現代社会においては、どちらも重要である。
しかし、生きがいのためでもあるならば、”なお良し”ではないだろうか。
本書では、バッドエンドが多い。
”生きるため”に働く姿が、なんともいえない苦しさを感じさせる。
その苦しさが、悲しみと感じる。
ここに、本作のそして著者の匠の技があるように感じる。
以上です。
フィクションなので、こんなことを考えるのはおかしいかもしれないですが、世の銀行がみんなこんなんだったらと思うと恐ろしいですw
てか、一行あるだけでもヤバいことです汗
”ある事件”は、かなりぶっ飛んだことをやっちゃってます。
ただ、現実には全くあり得ないかと言えば、全然そうでもない気がします。
この嘘か誠かスレスレのラインが、小説の醍醐味なのかもしれませんね!
今回は、珍しく小説でした。
いやぁ〜、久々に小説を読んだなぁ〜という感じです。
言い方が悪いかもしれませんが、何も考えずに没頭できる感じ。
たまらないですね〜!!
普段は、
仕事にどう活かせるだろう?
自分の生活にどう活かせるだろう?
そんなことばかり考えて読んでいますから、それはそれで楽しいのですが、純粋に内容に入り込む小説の楽しさを改めて感じさせてもらいました。
私の読書歴は小説からスタートしているので、ある種の懐かしさみたいなものも感じます。
本日も、誠にありがとうございました!
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