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井中蛙の映画感想58! 2024/7/5(金) 【劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 ディレクターズ・カット版】

【劇場版 仮面ライダー響鬼と7人の戦鬼 ディレクターズ・カット版】
 鑑賞日:2024/7/5(金)
 視聴方法:アマプラ(東映オンデマンド)

 YouTubeで配信中の仮面ライダー響鬼を42話まで鑑賞済みな状況(初見勢)。同時上映の劇場版マジレンジャーは過去に何度も見たことがあったけど、こっちはほぼ完全に初見。(ディケイド放送当時ごろの深夜にマジレンともどもテレビ放映してたのを流し見してた記憶があるけど)。これでようやく平成仮面ライダー1期の劇場版を全部見たことに!


・「龍騎」「555」「剣」の劇場版がパラレル色の濃いコンセプチュアルな内容だったのに比べると、今作は「アギト」みたいなテレビシリーズの番外編的立ち位置に回帰してる感じ。

・なんだけど、「仮面ライダー×時代劇」「レギュラーキャスト陣が過去(戦国時代)を舞台に別役で出演」というコンセプトは正直めっちゃ刺さりました。

・現代パート、明日夢がヒビキのサポートをしてるというパラレル設定で、テレビ版の桐矢編を結構見進めた状態なのでヒビキさんの明日夢の名前呼びにはあんま違和感無かったんだけど、公開当時の時系列(30話あたり)で観てたらやっぱ違和感あったかも。

・ヒビキさんの乗馬シーンはちょっとマジレンとネタ被りっぽい。

・平成1期劇場版恒例の「前作主要キャストのカメオ出演(今作で言えば『剣』からの客演)」が無かったのはちょっと残念かな。

・体制的にいつもの白倉×井上タッグ時の作風全開ではあるんだが、数少ない響鬼前期要素の「童子と姫がお互いの声を吹き替えてる演出」が踏襲されてるのは良かった。

・ストーリーラインはぶっちゃけ「七人の侍」の引用っぽいんだけど、まあ名作のプロットをなぞったら面白くならないはずはないのでそこは問題なし! ただ原典よりも人間と鬼の種族間の確執がテーマや描写として前面化している感じはあって、平成1期夏映画の例に漏れず作品の雰囲気はだいぶ陰鬱でシリアスな感じ。

・カブキ周りのキャラクター描写やエピソード運びは井上敏樹イズム全開な感じがあってナイスだってばよ! 彼のラストカットは劇場公開版だとカットされてるらしいけどそれだとだいぶ印象変わるよな・・・

・明日夢がヒビキに剣を託す展開、「猛士(兄)が死んだのは不慮の事故だったことを知って和解する」とかの方が王道ではあるんだけど、あえてヒビキ自身にべらべら弁解させず「剣の出来を通じて猛士のヒビキへの敬愛が本物だったことを明日夢が知る」のが明日夢の変節のきっかけになってるのはむしろ粋な演出感あって好きだ。

・目玉要素である七人のゲスト戦鬼たちも、テレビ版レギュラーのイブキ、トドロキ含めた全員が短い出番で印象に残るようなキャラ付けがなされていて非常に良かったし、松田賢二さんに碧眼の僧侶を演じさせようというアイデア出した人ナイスすぎるだろ!

・一度結婚して引退したハバタキが妻の激励で再起するくだり、ナデシコのウリバタケ・セイヤを想起したんだけどあっちは別に妻の後押しは受けてなかった気がする。これ系の元祖ってなんなんだろう。

・全員集合からの乱戦で雑魚どもを蹴散らした後、ボス戦で必殺技を全員披露の流れはこれぞ集団ヒーロー映画の王道感あって最高でしたよ。

・なんだけど、轟鬼が雷電激震を放った後に敵の反撃を受けるくだり、こいつだけ近接技だから無駄なリスク背負ってるなとか考えちゃってジワジワきてしまった。

・ラストシーン、過去パートのオロチ戦が省略されるのはともかく、一度は焼き討ちして追い出そうとした村人が鬼と和解する直接的なきっかけって実はそんな無かったよねというのはややストーリー上のスッキリしないポイントではあるかな。

・組織としての「猛士」の誕生秘話的なエピソードであることがラストシーンで判明するくだり、次作の『カブト GOD SPEED LOVE』と同様実はテレビシリーズの前史でした的な要素を盛り込んでくるのはオタク的には熱いからヨシ!

・本編中で絡みの無かったトドロキと日菜佳(ひなこ)がエンディングでデキてる感じが描写されてたのはちょっとホッコリした。

・制作体制的にも、前期響鬼のまったりした感じではなく明らかに後期のギス味のある作風の萌芽となる感じの劇場版なんだけど、賛否両論の激しい後期響鬼も個人的には楽しめてるクチなので、今作の評価も上々といった結論に落ち着くかな。

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