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思い付き:地方上級って言葉良くないんじゃなーい?

「地方上級公務員試験とは、地方公務員である都道府県と政令指定都市の大卒程度試験のことを一般的に指します。」(「公務員試験総合サイト」よりhttps://90r.jp/chijo.htm )

僕は大学で行政・地方自治をメインに勉強しているので、やはり周囲には公務員志望の学生が多い。僕は別に公務員志望ではないのだが、そうした環境にいると公務員試験の情報が耳に入ってくる。

その中で疑問に思ったのが、「地方上級」という言葉についてだ。

冒頭に引用したように、「地方上級」という言葉は公務員試験・予備校界隈で都道府県(と政令市)の大卒程度の試験のことを意味する。そして同じ大卒程度の試験でも、市役所など基礎自治体の試験は「市役所上級」と表現される。ん?なんで区別して呼んでるんだろう?

「上級」という言葉が「大卒程度」を意味しているのは分かった。大卒した人間が上なのかはさておき、難しさの違いとして上級、中級と分類することには疑問はない。(実際の募集ではそもそも上中低ではなくⅠ類Ⅱ類など他の表現で分かれていることが多い。)

僕が地方上級って言葉よくないんじゃなーい?と思ったのは、都道府県が市町村より「上」、つまり「県の方が偉い。」という誤解を、公務員志望者に産んでいるのではないかという疑念からだ。

公務員を志した学生が情報を集め始めると、公務員試験予備校のサイトでは「国家公務員・地方上級」といった区分で講座が開設されている。僕の大学の生協的な場所に置いている予備校のパンフレットも「国家公務員総合職」「国家公務員一般職」「地方上級」と並んでいる。

そんなんじゃ「地方上級=地方公務員の大卒程度」じゃなくて「地方上級=都道府県の大卒程度→わざわざ別に分類されてる!なんか特別な区分なんだ!都道府県の方が偉い!」って思っちゃうんじゃなーい?

いや、地方上級という言葉に触れずとも、たぶん多くの日本人がなんとなく感覚的に「市町村より県、県より国の方が偉い。すごそう。」と思っているだろう。僕もそうだった。しかしその認識が強化されてしまうと、例えば最近なら泉佐野市の問題のような「上対下」といったケースで「お上の作った制度の穴をついてズルをした泉佐野市は悪い!」という声が世論を席巻してしまうのではないかと僕はちょっと危惧している。(僕は泉佐野市は悪くないと思うし、国地方係争処理委も最高裁もそう言ってると思う。いや、裁判の争点は悪い/悪くないとかいう話じゃないけど。)

しかも大学生が誤解したまま地方公務員になってしまったら、時にお上に従い時にお上に逆らいながら地域の特性・実情にあわせて仕事をすべき基礎自治体/地方公務員の存在意義がなくなってしまうんじゃな~~~い?

国―広域自治体―基礎自治体は全く対等な関係だ。実務上は通知通達に従うことも多いかもしれないが、法律に定められた以外の関与には従う義務はない。(通知通達は悪いもの!ってわけじゃないです。)むしろ地域においては基礎自治体の意図するところが尊重されるべきで、「その地域においては市町村の方が偉い」と考えることもできると思う。たぶん。

なんか地方上級って言葉をみんなが誤解するということ前提に話を進めてしまった。バカにするな!!!!!!!

ごめんなさい

おわり。

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