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新卒2週間で仕事辞めた話


これは、私が大学を卒業していわゆる新卒として入社した会社を2週間という期間で辞めた話。
いろんな人、会社に迷惑をかけてしまった。
決して、胸を張って話せるような内容ではないけれど、
「あの時の選択は間違えてない!」と、今ははっきり言える。
思い悩みむ方の背中を押せればいいなと。


就活内定〜会社について

私は21卒組、いわゆるコロナ禍で就職活動に制限がかかっていた年に就活をしていた。
会社説明会、面接などが全てオンラインで行われ、会社を知る機会は従来の就職活動と比べると少なかったであろう年。
私は得意な英語が使える旅行業界や外資系を第一希望に考えていた。しかし、ご時世もあり業界の募集人数が減り書類でことごとく落ち続けていた。
そんな中、第二希望であった外食系の企業に内定をいただいた。関東を中心に全国的に展開している料理手法にこだわりを持ったお店である。
やっといただけた内定。藁にもすがる思いで、入社することを決めた。

この会社の仕事は、まずは現場を知ることから。
少なくても入社から3年間は、料理人として腕を磨きお客様をお料理で喜ばせることが求められる。

コロナ禍で将来を考えていた際に思ったことは
「手に職をつけたい!」
調理に関しては自信があったので調理人として腕を磨きこの道でプロになる!と意気込みがあった。

入社からの衝撃的なひとこと

配属店舗も決まり、いよいよ店舗に挨拶へ。
上司の方々とご対面。職場の雰囲気もアットホームで、調理技術を磨いていくのが楽しみだと感じた。

翌日、店舗のチーフを務める方にお昼を奢っていただくことに。
そこでこんなことを言われた。

「うち、ブラックだから辞めるなら早めに辞めることを検討してね。」

頭の中は「??」でいっぱいになった。新卒として意気込んでいた私には理解しがたい言葉であった。

ブラックだった職場

確かに真っ黒であった。

  • 日昇前に出社し、日暮後に退勤。長時間労働は当たり前。

  • どんなに残業していても、自分の上司より長く残業申請するのはタブーだと言われた。

  • 毎回、昼休憩は1時間取れず30分くらい。もちろん1時間休憩としてカウント
    など。

ただ、これらの条件は従業員の皆さんも同じであり、私もなんとか乗り越えるつもりでいた。

辞めたいと思った一番の要因

職人気質の従業員との価値観が合わず
「このまま働き続けるのは無理、鬱になる」と直感したことだ。

調理専門学校出身の同僚たちと私では、知識や技量、熱意に大きな差がありました。彼らからすれば、選択肢が多い大卒の私がなぜこの道を選んだのか、そして大卒であるがゆえに待遇が良いことにも疑問を感じていたようだ。
毎日のように「大卒のくせに」と皮肉を込めた言葉を投げかけられ、その言葉に傷つき、次第に耳を塞ぎたくなった。

ちなみにこの頃、通勤電車で毎日のように聞いていた曲は
もうええわ/藤井風


辞めると伝えた当日

もちろん2週間という期間で新卒入社した会社を辞めることは、社会的には恥ずかしいし情けないし、友達と比較してしまい落ち込むこともあった。
だけど、自分を守るために仕方がないと思った。
仕事が終わり「辞めたいです」と相談。
理由を聞かれたが、本当のことは言わずに体調不良が続いていると話した。案の定、「医師からの診断書はある?」と聞かれたので、ありますと答えた。(本当は通ってもなかったが、その時は咄嗟に答えた。)

その場で辞表の用紙にサインして本社代表に電話して、あれよあれよとその日のうちに退社。

帰りの電車の窓から、入社してから初めて夕日を見ることができて、心が開放された気持ちになった。

その後の人生

その後私は東京を離れた。
この外食業界に携わった2週間で、唯一やってみたいことが出来た。
それは「食」の源流である「農」に携わってみたい、であった。

毎日、ゴミ袋2袋分パンパンに詰まった残飯を捨てるのが私の役目であった。
「勿体無い。」と感じた心が次の仕事への原動力となった。
人生において無駄な経験はないなと改めて感じている。

消費社会だった東京を離れ、今は田舎で必要なものを自分で栽培し、小さく豊かに前向きに生きることができている。

新卒で2週間で辞めた話も、今では笑い話で話せるくらいになり、辞めたこと全く後悔していない。現在の環境や人、仕事に巡り会えて本当によかったと思っている。

新卒って確かに重要かもしれない。でも、苦しんでいるのなら無理はしないでほしい。
その後の人生、自分次第でどうにでもなる。
「逃げるは恥だが役にたつ」という言葉がありますが
私は、新卒入社した会社から逃げるように辞めたけど、この経験があったからこそ、次の就職先を慎重に決めることができた。
また、今の方が幸せだと言い切れるような仕事、生活を過ごしてやる!と踏み台にして頑張れている。
そして、こうして話のネタにもなる(笑)
悩んでいる誰かの背中を押せれば嬉しいです。


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