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考え議論し創りだす、そんな授業をつくろうか①

「すべての授業を探究にしろ」

ある日突然下された、トップからの指示。

なんですって…?
…すべての?
…授業を?
…探究に?

「わかりました。しかし、探究というとかなり幅が広いです。子供たちのどのような姿を目指せば良いですか?」
「そこは考えてくれ。」
こうして、学校を挙げての取組が始まりました。

 私は、探究型の授業には大賛成です。目の前の事柄について、子供が自分で自分に問い、1人で考えたりみんなと協力したりして解決していく。これからの時代に求められる力云々もありますが、何よりそうやって成長している子供たちの姿が好きです。加えて、個人レベルならそういった実践を積み重ねてきています。

 しかし、「学校全体」で「すべての授業を」となると、話は変わってきます。個人で研究する以上に、学校を動かすための別ベクトルのスキルが求められます。
 最も苦労したのは、「探究」が何を示すのかを職員全体で掴めないことです。
 もちろん、上記の通り自分なりのイメージはあります。しかし、例えば30人教員がいれば、30人が違うイメージを持つのです。何を持って「探究」とするのか。そこが掴めないことには動きようがない。
 加えて、自分自身が赴任した1年目だったということも原因でした。校内の状況が全くわからない。先生方が普段どんな授業をしているのかが全くわからない。探究で学校がどうアップデートされればいいのか…。

 探究という言葉を使わずとも探究的な授業をすでに実践している方もいます。その方に言わせると、
「今までと何が違うんですか?」
 一方で、旧来の学校の「管理と均質化」の気質を強く持っている先生方もいます。その方々には、「授業スタンダード」という授業の「型」は統一されていても、探究のイメージを持ってもらうのが難しい。
 破天荒タイプの先生は、
「教科の枠を取り払って、自由に何かをする時間を設けましょう!」
うーん、意図があればいいんだけどね…。

 そもそも今回の「探究」の話を聞いた時、「型」や「学習課程」で統一するのに私は違和感がありました。「こういう授業をしてください」と先生方にやってもらったとして、探究になるのか? まず、先生方に「探究」の必要感があるのか?
 教師の授業スタイルや児童の実態が学級ごとに異なっているのだから、授業の「型」を統一してもハマらない気がするし、自由に「何かやって」と言われたところで、探究のベースがなければ深まらないと思いました。

 みんなに納得してもらった上で、学校全体を同じ方向にアップデートする。どうやら、このあたりを目指すことが必要そうです。そのために時間をかけて取り組んだのが以下の3点です。

① 自分自身の「探究」の解像度を上げること。
② 先生方各々の授業観を把握すること。
 (話をしたり、実際の授業を見たりして。)

③ 探究型の良さや必要性を理解してもらうこと。

 ①〜③を踏まえて、やっと、目指す方向を指し示す資料を作ることができました。識者の方々から見ればかなり稚拙な内容かと思いますが、自分なりに、自校の実態に合わせてかなり解像度を上げた資料だと思います。
 さて、今後ウチの学校はどう変わっていくのでしょうか。

資料1ページ目
資料2ページ目
資料3ページ目

 なお、資料作成においては、秋田大学 阿部昇 名誉教授の御講演資料とウェブサイト「国語授業の研究ノート」、藤原さと 様の著書「協働する探究のデザイン」から多くのことを学ばせていただきました。

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