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めんどうな性格

好きな食べ物はなんですか?と聞かれたら迷わず寿司!と答える。ほうほう、特になんのネタが好きですか?とか言って大体話が広がる。
子供の頃、京都の祖父母の家に行けば銀のさらで歓迎してくれた。
惜しみのないネタの大きさがいい。
好きなものばかり食べすぎて逆に嫌いになるという話も聞くがそんなことはない。
今でも定期的に食べたくなるのが寿司だ。

では嫌いな食べ物は?と聞かれたらなんと答えるか・・・迷う。嫌いなものがたくさんあるから?そうではない。好きなものと違って嫌いなものについて人は深掘りしない。
うっかり玉ねぎが嫌いと答えて玉ねぎが嫌いな人なんだと思われたくないということ。
意味不明な文章なのは百も承知だ。
それもこれも私の意思というよりこの純粋無垢な舌のせいにしたい。

小学生の頃は椎茸が苦手だった。給食のちらし寿司に入っている椎茸が不味すぎたせいだ。
給食のおばちゃんが一生懸命作ってくれているというのになぜそんなにおいしくないのか。
いつも何かしらのスープとともに流し込んでいた。ところがある日あっさりと椎茸が食べられるようになってしまった。
当時、両親が小学校で食育をしていたのだがそこで椎茸を作って食べる企画があった。
椎茸嫌いの小学生に椎茸への興味を持たせようという大人の目論見がバレバレだったが私はまんまとその罠にかかった。
肉厚の椎茸をバターで焼いて食べた時の感動は忘れられない。椎茸は私の舌に認められ歴史に残る下剋上を果たした。

ウニでも同じ経験をしたことがある。北海道でウニ丼を食べてからウニが大好きになった。あれも今まで自分が知っていたウニの味とは全く違っていた。
拒絶していたレバーも留学先のホストグランマに強制的に食べさせられて食べれるようになった。(これは少し違うか笑)
これまでの体験を通して一つ思うことがある。

   美味しいものは食べられる。

この発見に筆者は喜んでいるのでどことなく嫌味っぽいのは許してほしい。

数ヶ月前、高校時代の友人と淡路島へ行った。淡路島といえばみなさんご存知玉ねぎだ。どこをみても玉ねぎだらけな道の駅で玉ねぎが嫌いだなんて口が裂けても言えない。速攻、帰れと言われるに決まっている。
お昼、ついに玉ねぎの洗礼を受ける時が来た。
レストランのメニュー表には玉ねぎがずらり。
それをこれでもかとばかりに頼む友人。
串揚げやすき焼きや土鍋で炊いたやつ、漬物まであった。旅行の楽しみの一つでもある「みんなでシェア」。玉ねぎじゃなければなぁと思いながらもしっかり全品食べた。案の定私は堕ちた。

         甘い。

間違いなく人生で一番美味しい玉ねぎだった。
食べながら頷く、やはり。
何でもかんでも一括りに好きか嫌いかで分けるなんてどうかしている。
それが大前提の上でそれでも分けろというのなら私は玉ねぎが嫌いだし(※酢豚の硬いやつ)トマトも嫌いだし(※カットしてそのままのやつ)、アロエだって嫌いだ(※特に大きなアロエ)。

※ただし美味しいものは別

私の好みにはこのくらい注釈が必要だ。
#玉ねぎ
#好き嫌い
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#執筆

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