失敗も時間を経ればネタとなる。#5

こう見えて、ゼミは上の中くらいのガチゼミ(プレミアリーグでいうビック4くらい)に入っている。いや、入れてもらえたというほうが正しいかもしれない。今回はゼミのエピソード。

うちのゼミは毎年倍率が2倍を超え、学部で1、2を争う人気ゼミである。
ゼミ説明会に行って自分がやりたいことができそうな場所かつ、先輩ゼミ生の雰囲気が自分に近いと思って受験することを決めた。
倍率が高くても受かる自信がなぜかあった。
いま考えれば、もし落ちてたらどうしてたんだろうか。笑

面接当日。
何を着ていけばいいのか僕は迷った。受験者に友達がいれば相談もできたのだろうが、友達がいなかった僕はスーツで行った。面接室に入ると先生と面接官の先輩ゼミ生3人がいて、僕を除く4人は全員私服だった。そして、自己紹介をするよりも先に、なんでスーツなの?と聞かれた。逆に、なんで面接なのにスーツじゃないの?と聞き返したかった。(試合するならユニフォームだという体育会の短絡的思考回路だった)緊張していた僕は聞き返すこともできず、面接にふさわしい私服を持ってないので、間違いないだろうスーツで来ましたと答えた。
爆笑を奪った。
体育会部員は久しぶりと言われて、奴らとは仲間じゃないんですと身の潔白を主張してさらに笑いを取った。
それからは、ESに書いたことを質問されて面接終了。経営に関する質問には何ひとつ手応えはなかった。

合格者発表の日。合格者が張り出された掲示板に自分の学籍番号を見つけた。その瞬間、面接ではパーソナリティを見られていたことが分かった。同時に、真面目ゼミで知られるゼミのネタ枠として自分は受かったとも悟った。

ゼミに入って活動が始まると、ゼミ生は明るく真面目な人たちだった。どうやらネタ枠ではなかったらしい。(スーツで面接行った人は僕だけだったけど)
価値観や問題意識、興味が自分に近いゼミ生しかいなかった。だから、活動的なゼミでありがちなグループ研究での他人へのストレスを感じたことは一度もない。(いないと信じたいが、もしゼミ生で僕にストレスを感じてた人がいたら本当に申し訳ない。)今までゼミが嫌だったこともないし、休みたいと思ったこともないのは良い人たちと出会えたからだと思う。
運命だね、ズッ友だよ。

ゼミ生を選んだ先生は、初顔合わせのときに「マッチングを大切にして選びました」としか言わなかった。とても悩んで選んだのだろうけど、ここまでバランスの良い人選のできる先生を尊敬している。名将である。何年もビッククラブで指揮してきただけある。笑
そんなことより、卒業までにどうやって合格者を選んだのか聞いてみたい。
そして、どうして僕をゼミに入れてくれたのか聞いてみたい。
もし「ネタ枠ですよ」と言われてしまったら、ネタ枠として期待に応えられなかった2年半を反省したい。

ゼミのことを振り返ってたら、卒論の締め切りが近づいてることを思い出してしまった。先生にゼミの集大成となる卒論を見せつけてやる。
ネタ枠とは絶対に言わせない。
#エッセイ #ゼミ #面接  


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?