通学路。#4

誰にでも外出する予定もなく1日が終わりそうな日はあると思う。そんな日を僕は1日無駄にしたと感じてしまう質である。だから無駄な1日にしないように、せめてもの抵抗として必ず散歩しに行くようにしている。

目的地もなく信号が青の方向に走って息が上がりきったところで折り返して、呼吸を整えながら歩いて家まで帰ってくる。毎回ルートは少しずつ違う。走りに行っていると思われるかもしれないが、復路でゆっくり考え事をしながら歩く時間のためのアップが往路なのだ。あくまでも散歩がメイン。
中学時代にクラブも部活も休みの日にやり始めたのがきっかけだ。高校時代はオフの月曜に散歩しながら先週末の試合の反省と今週の目標を立てていた。
長い距離の散歩は頭の中を整理できるのでぜひやってみてほしい。

先日、卒業した小学校の近くでたまたま折り返しとなった。せっかくなので通学路を歩いて帰ることにした。思えば通学路を歩いたのは小学校を卒業してから初めてかもしれなかった。
6年間毎日歩いていた道のはずなのに、違う道を歩いている感じがした。なぜなら変わってるところが多くあったからだ。
白線から落ちたら負けゲームをした白線は舗装されて途切れることなく濃く引かれていた。(今の小学生の白線ゲームの難易度は低い。ワシらが子供のときはもっと難しくて…笑)なにがあったのか思い出せない場所は更地にされていたり、ぼろアパートが売りに出されていたり、変わっていた。
魚屋も畳屋も相変わらずやっていた。当時、開いているのを見たことなかったアンティークショップは今も営業しているのかわからないけれど相変わらず店内は整頓されていた。
変わらないものもあって安心した。

当時通学路だった道はただの道になってしまう。つまり来年には、現在通学している道(桐生から高崎)もただの道になってしまうのだ。今回久しぶりに通学路を通る楽しさを覚えた。
いまの通学路も忘れた頃にまた通ることだろう。そしてまた思い出に浸るのだろう。
#エッセイ #通学路 #散歩

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