見出し画像

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』のパンフレットをライターが長文で宣伝する

ごぶさたしております。稲垣です。

8/13公開、『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』の劇場パンフレットに文章を寄稿しました。『シャザム!』以来、DC映画にはご縁があり、大変ありがたいかぎりです。

じつは今回、我ながらすごく気合いが入っています。端的に言って、思い入れがありすぎる。ぜひ読んでほしい。その一心です。そこで、誰に頼まれたわけでもなく、パンフレットを独断でご紹介しようと思い、ひさしぶりにnoteを書くことにしました。

iOS の画像

こんなパートを書きました

まずは自分の担当したページからご紹介させてください。

今回、稲垣は「キャスト&ジェームズ・ガン監督 インタビュー/コメント」
「コラム:ふたつの映画版『スーサイド・スクワッド』」
「ジェームズ・ガン脚本・監督作品解説」
「ミニコラム:自殺部隊とふたつの『大作戦』」を執筆しました。

インタビュー・コメントのページは、メインキャスト&サブキャストあわせて13名+ガン監督=全14名。ガン監督が約4,000字、マーゴット・ロビーが約3,000字、ほかのみなさんは約500字ずつです。ぶっちゃけ、これだけでも相当読みごたえあるんじゃないかと思います。

キャストのページは、それぞれのパーソナリティや役作りへのアプローチから、撮影のエピソード、監督への思いを中心に。ガン監督のページは、創作の背景や創作論、裏話、それからあまり語られないテーマ性・思想性までお届けしたいと思いました。それぞれ文字数に違いはありますが、なるべく深みは変わらないように留意しています。

クレイジーでぶっ飛んだ映画ですが、当然ながら作っている人たちは大真面目。いかに誠実なものづくりが行われたか、どんな背景やエピソードがあるかを知ってもらえると、楽しみの切り口がさらに増えると思います。もちろん、楽しい話もいっぱい入れました。

コラムは2本書きましたが、ひとつはデヴィッド・エアー版『スーサイド・スクワッド』との比較や、ジェームズ・ガン監督がどんな「革命」を起こしたかの解説。DCユニバースはザック・スナイダーまでさかのぼっています。

もうひとつのコラムは、ガン監督も言及する、本作に大きな影響を与えた2本の名作について。昔の映画にアクセスして、また本作に戻ってくると新しい発見ができるはず。引退を控えたタランティーノの後継者、もしかしてジェームズ・ガンなのでは?という気がしています。

とりわけ力が入ったのは、ジェームズ・ガン監督・脚本作品の全解説です。デビュー作から『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス』までの変遷と、本作につながるポイントを紹介しました。自分自身がガン作品のファンなので、なにを書き、なにを書かないかは大変迷いました。
ただし今回は、まだ観ていないガン作品がある、もしくは今回が初のガン作品だったという方のための文章です。過去作を観れば観るほど、この映画もおもしろくなります(本当)。

とにかく読みどころが多い

さて、自分の担当箇所を横においても、非常に充実した内容のパンフレットでございます。冊子の見た目に比べて、読むところがとても多い。

吉川悠さんのキャラクター&コミック解説、キーワード事典は、率直に「こういうのが読みたかった!」という気持ちで勉強させていただきました。ページとしても、キャラクターそれぞれのビジュアルがでっかくデザインされており、眺めるだけでも賑やかで楽しいです。

また、樋口真嗣監督・長谷川町蔵さん・宇野維正さんのレビューは、大先輩の前に正座する思いで拝読しました。特撮・ガン監督の来歴・音楽など、いかにこの映画が多面的であるかを、いろんな角度から紐解いていただけると思います。素直にとてもおもしろいので、ぜひご一読ください。楽しみの切り口を増やす、というのはまさにこういうことだなと思います。

そして、プロダクションノートも文字数ぎっちりとなっております。美術・スタント・衣裳など、見えない苦労と逸話の数々を楽しんでいただけると思います。

ぜひ映画とともにどうぞ

映画のパンフレット、なかなか手に取らないという方も多いと思うんですが、こんなに観客の誰もが買いやすくて、しかも奥行きのある読み物は他に存在しないので、書き手としてはどうしても力が入ります。一冊まるごとその映画のことしか書いてない冊子、シンプルにめちゃくちゃ貴重ですもんね。自分自身、過去の映画や昔の名作について一から調べるときは、まず当時のパンフレットを入手するところから始めます(プレミア品になっていることもありますが、、)。

今回、いろいろ任せていただいたこともあり、それはもう気合いを入れて、腕をぶん回しながらやらせていただきました。おかげで編集者の方には、あれこれとわがままをお願いし、ギリギリまで文字修正をお願いしてしまいましたが……。パンフレットを楽しんでいただけたなら、すべては編集者の方のおかげです。

長々と書きましたが、結局は何を言いたいかというと、ぜったいにおもしろい一冊なので、ぜひ映画とともにお楽しみください、ということです。
最近は配信サービスの台頭もあり、コロナ禍の影響もあると思いますが、パンフレットが作られない作品も少しずつ増えてきました。そんな中で、本当にすばらしいパンフレットになっております(これこそ編集者の方のおかげです)。

『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』、2021年8月13日より全国公開中です。アクションも笑いも人体破壊もありつつ、思わぬ深みに到達してぐっと来る、大人向けお子様ランチのフルコースみたいな映画です。個人的には「ジェームズ・ガン版レ・ミゼラブル」だとも思っております。

感染対策にはくれぐれも留意したうえで、ぜひとも劇場でご覧ください。
そして、パンフレットもどうぞよろしくお願いいたします。

CINEMOREさんにも記事を書いています。こちらはパンフレットとは違った趣。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?