趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.349 映画 ドン・シーゲル 「真昼の死闘」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は映画 ドン・シーゲルの 「真昼の死闘」 (1970/米) についてです。
イーストウッド主演の尼さんが出てくるマカロニウエスタン。
ちょっと普通の西部劇とは違う印象だが、またそこが印象的で面白い。
邦題が「真昼の死闘」なので、ちょっと似たような題名の西部劇の印象があるが、
原題は「Two Mules for Sister Sara」(シスター・サラのための2つのラバ)
この方が映画の内容にピッタリw
「真昼の決闘」の続編ではありません。
まあそんな良い加減んなところももう味わいとしましょう。マカロニですし。
けど今になったら、監督 ドン・シーゲル、出演者 クリント・イーストウッド
シャーリー・マクレーン、音楽 エンニオ・モリコーネ
と豪華なメンバーですね。
そしてこの映画の他と違うところは原題から分かるように、イーストウッドというより、シャーリー・マクレーン演じる尼さんがメインで、彼女の存在が、ものすごく異質で面白い。
西部劇で尼さんシスターはたまに出てくるが、ほとんどお飾り。
職業的に聖職者なので尊敬も集め純粋な仕事のイメージ。
そんな尼さんを可愛いシャーリー・マクレーンが演じているところが面白い。
イーストウッドはいつもの強い流れモノですが、そんな彼を振り回す。
題名詐欺のような映画ですが、良い意味で裏切ってくれて、大好きな作品です。
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流れ者の主人公(クリント・イーストウッド)は、強盗に襲われている尼さん(シャーリー・マクレーン)を助ける。
通りがかったフランス軍に彼女を預けようとするが、彼女は革命派の一員として活動していたので身を隠してやり過ごす。
主人公はゲリラと一緒にフランス軍の駐屯地から金品を奪う計画を立てていたので、彼女が駐屯地近くの教会の尼さんと知り、彼女をゲリラのアジトへ連れて行く。
情報収集のためにフランス軍の中に尼さんを侵入させると、そこに危篤状態の大佐がいて看取るように頼まれる。しかしその大佐は彼女のことを知っている人間で、危ういところで彼は死に尼さんは逃げ出す。
弾薬を積んだフランス軍の列車が通ることを知った2人は、鉄橋を爆破しようとするが、インディアンに襲われて主人公は怪我をしてしまう。尼さんは自分を盾に主人公を救い、傷の手当てをあする。
鉄橋を無事に爆破して、2人はゲリラのアジトへ行く。
パリ祭のあるときに警備が手薄になるので、駐屯地を襲撃しようと計画する。
当日鉄橋を爆破した影響で、警備が厳重になっていてゲリラは襲撃を中止しようとするが、尼さんが駐屯地へ通じる地下道があることを教える。
そこで尼さんの正体が分かる。
しかし地下道への入り口は施錠されていて入れず、主人公は尼さんをフランス軍に引き渡すふりをして駐屯地へ入る。
はたして襲撃は成功するでしょうか、尼さんの正体は・・・。
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「荒野の用心棒」や「夕陽のガンマン」などでマカロニウエスタン(イタリア製西部劇)で名を売ったイーストウッドが、アメリカで作った作品。
なので、アメリカ映画でアクション監督のドン・シーゲルだが、やはり正統派の西部劇ではなく、マカロニの匂いがプンプンする面白い作品。
まあ音楽がイタリアの作曲家エンリオ・モリコーネなので、よりマカロニ風を感じる。
凄腕ガンマンと尼さんという異色な組み合わせが、この映画の面白いところ。
そしてこの尼さんが、聖職者として慎ましいかと思えば全く違っていて、
隠れてタバコを吸うは、お酒は飲むは、ラバをムチで叩くは、もうそのギャップが可愛い。
ほとんど2人の旅(アジトや駐屯地へ行く)の状況が物語のメインで、その掛け合いを楽しめる。
バディ・ムービーとして王道でしょう。
ラスト、この原題通りなる
「シスター・サラのための2つのラバ」
ラバは一頭、もう一頭のラバは・・・。
今日はここまで。
「君は撃てるか?」
「撃てっこない。橋に登ったのが無駄になったわ!」
「落ち着けよ。酒はすぐにさめる。コーヒーでも入れてくれ」
「コーヒーよりコレよ!」
「早くさめて!このロクデナシ!」
/「真昼の死闘 」より
酔っ払った主人公(イーストウッド)が銃の狙いが定まらない、そこへ尼さん(シャーリー・マクレーン)が拳骨で殴る
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