趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.107 読書 夏見正隆「スクランブル バイパーゼロの女」
こんにちは、カメラマンの稲垣です。
今日は読書 夏見正隆さんの「スクランブル バイパーゼロの女」についてです。
航空自衛隊が活躍する「スクランブルシリーズ」の第九弾。
お話は自衛隊が戦うので荒唐無稽だが、現役パイロットが作者なので、戦闘機のドッグファイトのシーンはとっても迫力があってリアルなのがこのシリーズの魅力です。
物語の流れや政治、国際情勢、恋愛のシーンは、まあこれは漫画かSFと思えば、許容範囲で納得できます。
もうここまで今シリーズを読み続けると、最初はなんだか受け付けなかった部分も愛せるように。
どんどんハマってきました。
今回は主役機のイーグルだけでなく、ハイパーゼロと言われるF2戦闘機が出てきます。
第4.5世代ジェット戦闘機、日米共同開発。アメリカのF16をベースに各種改良を加え開発された機体。
新しい飛行機、そしてまた新しい女性パイロット。
こんなに美しい女性たちがパイロットとして活躍するのは、ちょっと漫画っぽいですがw
このシリーズは一体どうなるのでしょう。小説なので夢があって良いと思いますが。
そして戦競と言って、凄腕のベテランパイロットと主人公たちとの実戦に近い、模擬戦闘する競技大会が一番面白かったです。
今回の敵側は中国の空母を乗っ取って反乱した兵士が尖閣諸島へ上陸するということだがあっさりと終わってしまいました。
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物語は、主人公の風谷が演習帰り、自衛隊機F2が超低空飛行をしているのを見つける。機体は鳥の群れに突っ込んだのか、血だらけで、無線も通じない。
そのF2は自力で小松基地へ降り、戦闘機から出てきたのは女性パイロット割鞘忍だった。
彼女は戦競に参加するために基地へ来たが、途中で鳥の群れに突っ込んでしまったらしい。
そして戦競にこのシリーズの主人公の3人風谷修、漆沢美砂生、鏡黒羽が選ばれる。
戦競とは実戦さながらの模擬戦闘を行う競技大会。
凄腕のベテランパイロットと主人公たちは戦う。
その戦競の準備や練習の最中、中国で兵士が反乱を起こし空母を奪って尖閣諸島へ上陸しようとする。
実際は反乱は偽装で、尖閣諸島へ侵略するのが狙い。
国は政党が変わり、弱腰外交で何もできない。
自衛隊は、その空母を止めることができるのか?
そして戦競の結果は。
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今回は戦競が一番楽しいですね。やっと主人公たち3人が一人前のパイロットになって一緒に戦うなんて、長くシリーズを読んできたので感無量です。
主人公の漆沢さんがついに飛行隊長に。有名大学を出て元OLから自衛官になった彼女。ここ2冊ぐらいはあまり出てこないので心配していましたが、前回レンジャーの資格まで取って戻ってきました。
そしてよく組む男性パイロットの風谷と女性パイロットの鏡が段々近づいてくるのが目が離せません。
F2のパイロットの割鞘忍に風谷と鏡は付き合っているの?と聞かれますしw
新しい戦闘機、競技大会、恋愛模様、中国の反乱軍との戦いと、またシリーズの中ではあまりシリアスな展開ではないですがとても楽しめました。
「お前は、上へ行けば堕とされる。あいつらは強い。たぶんお前でも、まともに行ったら秒殺される」
「一つだけ、言っておく。戦競は実戦だ。最低限のルールはある。しかしそれさえ守れば後はなんでもありだ」
「いいか。生き残る奴は強い奴でも賢い奴でもない、変化できる奴だ」
先輩パイロット鷲頭が主人公の女性パイロット鏡黒羽にアドバイスする。
/P.341「スクランブル バイパーゼロの女 」より