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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.151 映画 山田洋次「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は映画 山田洋次の「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌」(1980/日)についてです。

「男はつらいよ」シリーズ第26作目、自分が鑑賞した今シリーズ31作目。

シリーズも中頃、寅さんもだいぶ歳をとってきて、今回のマドンナは若い元キャンディーズの伊藤蘭さんなので、恋愛というより父親愛。

今後寅さんが歳をとるにつれてこのパターンも多くなっていくと思う。

今回は定時制高校も舞台になっていて、普段なかなか表で出てこないところなので興味深い。

寅さんまでも行こうかなと思うほどw

恋愛話ではなく父親が娘を思うような話なので、こういう寅さんも良い。




物語は、柴又に帰ってきた寅さん、妹のさくらと博が一戸建ての家を購入した。

早速遊びにいくと、二階には満男の部屋と寅さんの部屋まであると。

大喜びをしてお祝いに2万円渡すが、大金すぎるとして受け取らずそれが原因でまた喧嘩になり寅さんは出ていく。

北海道に行くと、テキヤ仲間の一人が死んだと聞いて、線香の一本でもと奥尻島へ行く。

そこには忘れ形見の娘(伊藤蘭さん)がいた。

彼女は東京に出て定時制高校で勉強したいという願いを叶えるため、彼女を連れて柴又に。

とらやに住み込み、さくらや博、おいちゃんおばちゃんの協力で勉強し、定時制高校に合格する。

定時制高校に通う彼女が気になり、寅さんも学校に顔を出す様になり、先生や生徒とも仲良くなる。

ある日彼女の友人と名乗る若い男が来て、さくらから勤め先を聞き出し、2人は再開する。2人は喧嘩別れした恋人同士だった。

夜になっても帰ってこない彼女を心配して寅さんは心配する。

朝帰りした彼女を怒るが、結婚すると聞いて、寅さんはまた旅に出る。



シンプルでわかりやすいストーリー。

同じ境遇のテキヤ仲間の娘を不憫に思い、北海道から東京に連れてきて学校に行かせる。

まさに父親がわりの話。

定時制の高校に通う彼女を心配になって見に行き、そこで先生が便所の清掃の労働歌を聴かせるシーンがなんとも良い。

寅さんが定時制の高校をすごく気に入り、自分まで願書を出そうとする。

結局寅さんは中学卒業していないので、受験資格がなかったのですが・・。

滅多にない、寅さんの過去が語られるのも面白いです。

寅さんたまに勉強したい欲が出る時があり、途中でドロップアウトしたことを
少し気にしているかもしれません。


それと今作はマドンナの伊藤蘭さんがなんとも可愛い。

それもちょっと育ちが悪くやさぐれているところがなんとも。

朝帰りまでw

ロクでもないテキヤ仲間の娘だからこそ、余計に心配になるでしょうね。

けど根はとても優しい子。

北海道の民謡を歌うシーンもすごくうまい。

お風呂のシーンはサービスカットw


山田洋次さんの良いところは、こういう定時制高校ややさぐれている女の子などにちゃんとスポットを当てているところです。

80年なんて高度成長期で、ピカピカ明るい日本だったような気がします。

こういう父親がわりの良い話だけでなく、時代の日陰の部分もちゃんと見れたのは
このシリーズを観る価値があるところですね!

今日はここまで。




幸せになれるんだろうな、おめえ
うん、きっとなる
もしならなかったら、オレは承知しねえぞ
/「男はつらいよ 寅次郎かもめ歌 」より











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