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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.050 読書 佐々木 譲「警官の紋章」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 佐々木譲さんの「警官の紋章」についてです。

この「警官の紋章」は佐々木譲さんの”道警シリーズ”の第三弾。

「笑う警官」「警視庁から来た男」の続き。

前回の2冊とも面白く今回も同じクオリティの作品で佐々木さんは信頼できる。

シリーズものが大好きな自分はまた新しいシリーズに出会えて楽しみです。

今回は洞爺湖サミットが出てきて、フィクションの世界に現実の事柄が入るとリアリティが増して面白い。

そして一作目の「笑う警官」の話とも繋がっているので、単体の作品としてもシリーズ作品としても楽しめる。

そしていつものキャラクターたちが個別の事件の捜査していき、最後にぎゅっと1箇所へ集まっていく構成はお見事です。



物語は、北海道警察は洞爺湖サミットのために警備の準備を進めている。

その中、一人の勤務中の警察官が拳銃を所持したまま失踪した。

刑事の津久井はその失踪警官を追う。失踪した警官の父親は過去の何かが原因で自殺をしている。

またもう一人の刑事佐伯は過去の囮捜査(第一弾の「笑う警官」に出てきた昔の事件)に疑問を持ち独自で捜査する。

ストーカー事件を解決した女性警官の小島は腕を見込まれて大臣のSPの担当になる。

主要キャラクター3人はそれぞれ別々の事件担当する。

関係性のなさそうな3つの事件が次第に絡み合っていく。

サミット前の警察内の結団式まで1週間のタイムリミット、

3人は結団式の会場へ集まっていく。



好きなシーンは女性警官の小島がSPになるところがワクワクする。

前回までコンピューターに強い調べ物をするキャラでしたが、

ストーカーを退治(拳銃で!)して、その腕を認められ大臣のSPになり、武闘派に?

彼女が他の男性SPと話すところで

「目の前にテロ犯が現れたとき、あなたならたぶん、反射的に抜いてくれるでしょう」
「そんなふうに身体が反応するかどうか」
「一度抜いた。あなたはもうたぶん、心理的バリアを取っ払ったはずです。道警は、そう判断したのだと思います。」


心理的バリアってすごく大事なんですね。特にいざっと言う時は。

彼女がどんどん強くなっていくのが楽しみです。

佐伯との関係性もw 

今日はここまで。



松下はぶるりと身体を震わせてから、いまの想像を大脳の表面から追いやろうとした。良くない想像は、しばしば事態を呼び寄せる。考えるべきではない。
/P.92「警官の紋章」より










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