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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.080 読書 小野不由美「ゴーストハント2 人形の檻」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は小野不由美さんの「ゴーストハント2 人形の檻」についてです。

ゴーストハントシリーズの第二弾。

前回は”学校の怪談”という体で、少女向けのお話でした。

あの重厚な筆の小野不由美さんが少女向けのライトなホラーを作ったのかなと思いました。

第二弾も同じ感覚で読んでいくと、ん?あれ?おお!ちょっと前回よりかなりホラーテイストが強まっています。

今度は洋館で不審なポルターガイスト現象が起こり、前回と同じ霊能者メンバーが集結して解決するお話。

ちょっとまだ第二弾ですが、今回の謎の黒幕は最強部類で、なかなかの凄い展開に。

シリーズならではの各キャラクターの面白さと、少しづつ小出しにしていく、心霊調査会社の社長ナルの秘密が解き明かされて楽しいです。

確かに少女小説ですが、さすが小野さん小説自体の持つ強度がしっかりとしていて
シリーズが楽しみです。



物語は、古い洋館で頻発するポルターガイスト現象。

主人公の少女麻衣がバイトする心霊調査会社に依頼が来る。

会社の社長のナルと助手とバイトの麻衣の3人で洋館に向かうと

前回一緒だったお坊さんと巫女もいて彼らも洋館の別の人から除霊を頼まれていた。

早速調査を開始するが、彼らを嘲笑うかのように激しいポルターガイスト現象が起こり、

あまりにも強力で歯が立たないため専門のエクソシストであるジョンと霊能者の少女も呼ばれることに。

また前回のメンバーが勢揃い。

主人公のバイトの麻衣は調査のデータを集めたり、雑用をしていると

洋館に住む少女の人形が異常な気を放っていることに気が付く。

科学的な調査、聞き込みからの洋館の歴史で

この家にまつわる少女たちの不審な死が次第に浮かび上がる。



洋館、人形、ポルターガイストともうホラーの定番がしっかりと揃っている。

それを”科学的”に心霊調査をしていく話だったけど、もういきなりポルターガイストと認めてしまいました。

あれ?最も簡単に。

前回は徹底的に科学捜査で心霊現象を探っていたのに。

まあ心霊現象の知識を説明しながら、原因を探っていくと、

どんどんポルターガイスト現象が激しくなり、後半は壮絶な霊との戦いに。

今回は結構なホラーテイストに。

完全に幽霊との戦いの話ですw

前回の学校の怪談は単なるキャラ紹介のプロローグだったのでしょうか。

それでも愛おしいキャラクターたちの掛け合いが楽しいのでさほど怖くはないところが小野さんの優しさですね。

もし小学生や中学生ぐらいの女の子が読んだら、ちょっと怖いのでしょうか。

心霊調査会社の社長のナルも単に機械で科学調査をするだけでなく、実はそんな正体が・・・っと言う展開がニヤリとさせますね。



本格的な重厚な物語を書く小野不由美さんが本気で少女小説を作ったシリーズ。

ライトな感じの少女小説の皮を被った本格ホラー小説か、

ホラーの雰囲気の皮を被った優しい少女小説か。

シリーズ読み続けてみます。第七作まで出ている。




一般にポルターガイストという言葉で一括りにされてしまう現象には、いろんな原因があるらしい。必ず幽霊が原因、というわけじゃないのだそうだ。
ある種のポルターガイストは別名をPSPKとも言って、
実は人間が犯人であることが多い。
極端にストレスの溜まった人間の無意識が行なう。
/P.45「ゴーストハント2 人形の檻」より















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