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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.158 読書 沢木耕太郎「深夜特急6 ー南ヨーロッパ・ロンドン 」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 沢木耕太郎さんの「深夜特急6 ー南ヨーロッパ・ロンドン 」についてです。

ついに「深夜特急」完結。

「深夜特急」は若き沢木耕太郎さんが1年半かけて香港からロンドンへ向かう旅のノンフィクションのシリーズ。

バックパッカーさんたちのバイブルの様な本。

まるで一緒に旅をしてきたみたいに、本当に楽しい読書の”旅”でした。

この最終章は、イタリア〜スペイン〜ポルトガル〜パリ〜ロンドン。

今までのアジアやインドや中東と比べると、ヨーロッパに入るととっても洗練されていて、安全だけど熱気は薄れ、次第にどこで旅を終わらせるか、それを探す旅になっていく。沢木さんはあまり観光地には興味がないですし。

ただあまりトラブルは起きないですが、それでもこの最終章が面白くないということはないんです。

今まで香港やインドや中東は、そりゃもう凄すぎて熱にうなされるような旅でしたが、

イタリアからなぜかゴールのロンドンの反対方向の南ヨーロッパ、スペイン、ポルトガルに行き、旅の最後を決意する場所を探す旅になる。

ローマでなんでもない小さな店の料理が美味しくこれが文化というものかもと思い、そう言えば自分もイタリアでなんでもないサービスエリアのホットドックがめちゃくちゃ美味しかったことを覚えていますw
スペインのバルで飲んだり、やはり伊坂さんは人が好きなんだなと。

そしてポルトガルの果ての岬サグレスへ行く。

そこで親切なホテルのオーナーに偶然会い、格安で素晴らしい宿に泊めてもらい、
海を眺めて、美味しい料理と、紅茶を飲んで、これで終わりにしようかなと思う。

神がここまで運んできたわけでもなくバスが運んできた。

別段すごい事件が起こるわけでも、すごい景色でもない、

紅茶を飲みながらイスタンブールの人が言っていたようにお茶の「CHA」がアジアからここヨーロッパの端までつながっていることを思い、

とっても親切にしてくれたホテルのオーナーの優しさに、長い旅で疲れた伊坂さんを癒し、旅を終えようと決心させた。

最終地点のロンドンより、この決心させたなんでもないサグレスがとても印象的でした。まあまさに”端”ですけど。その地理的じゃないものもあったのでしょう。

人の優しさに触れたことも、紅茶を飲んだことも。



そしてパリに行き、ロンドンへ。

郵便局で日本へ電報を打つのがゴール。

いざ行ってみると、なんと・・・。

そして電報の内容は・・・!

とっても良い終わり方でした。



本当に一緒に旅をしたみたいな本でした。

1年半の旅ですが、まるで人生のような旅。

熱気に溢れるアジアから混沌としたインド、中東、そして洗練されたヨーロッパ。

若い頃読んでおけば良かったと後悔します。
多分感化されて旅に出てもう数年、学生時代が伸びたかもしれません。

親には迷惑をかけるけど、絶対何か得るものがあったと思います。

今仕事にしている写真も変わっていたかもしれません。

今無性にどこかへ旅したくなりました。

今日はここまで。


「ほんとうにわかっていることは、わからないということだけかもしれないな」
「知らなければ知らないで良いんだよね。自分が知らないということを知っているから、必要なら一から調べようとするだろう。でも、中途半端に知っていると、それにとらわれてとんでもない結論を引き出しかねないんだよ」
「どんなにその国に永くいても、自分にはよくわからないと思っている人の方が、結局は謝らない」
/P.110 「深夜特急6 ー南ヨーロッパ・ロンドン」より









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