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趣味は「映画と読書と音楽」と言っても良いですか? vol.023 読書 佐々木譲「笑う警官」

こんにちは、カメラマンの稲垣です。

今日は読書 佐々木譲さんの「笑う警官」についてです。

今近々でハマっている作家といえば佐々木譲さんです。

警察小説の第一人者。

佐々木さんを知ったのはミステリーのベスト本「東西ミステリーベスト100」で

「エトロフ発緊急電」が紹介されていて最初に読みました。

第二次世界大戦のスパイものでリアリティとエンターテイメントが良いバランスでした。

次に「警官の血」、まさに警察小説の金字塔で3代にわたる警察官の話。

上下巻の非常に重厚かつ構成も素晴らしいエンターテイメントでここで一気にファンに。

そして佐々木さんの代表作でもある”道警シリーズ”を読み始めました。

その第1作。

単なる北海道が舞台の警察小説だけではなく、実際にあった稲葉事件と裏金事件を元に綿密取材して作られたので、

リアリティがありつつ、ちゃんとエンターティンメント作品になっています。

あまりにも面白く、グイグイ物語が進展して一気読みしてしまいました。

たまにニュースで警察の不祥事は出てきますが、

やはり閉じられた世界なのでなかなか目にすることはできず、

小説は創造の産物とはいえ少しでも内部のことを知れると面白いですね。



物語は、交際相手の婦人警官を殺したとして指名手配された巡査部長。

拳銃を所持し麻薬中毒者で極めて危険人物なので、射殺命令も出された。

その巡査部長と昔同僚(一緒におとり捜査をした)だった主人公の警部補は

無実を信じ少数の仲間と共に独自調査をする。

その巡査部長は近々警察内部の腐敗を告訴する(うたう)予定だった。



もう次から次への展開、

警察の巨大組織の中少人数の仲間と共に極秘で調査、

警察組織の腐敗、

あと一歩で命を落とすところだった囮捜査の過去。

仲間の中に裏切り者がいる、

ラストの怒涛の展開、


もうジェットコースターに乗っているような面白さ。

もちろんリアリティはありますが、エンターテイメント色がすごく強い。

流石に日本で射殺命令は余程人質事件や立て篭もりやハイジャックぐらいしかない。

まあそこはエンターテイメントということでw

まさに映画のような小説でした。(角川春樹さんで映画化されたようですが・・評判はあまりよろしくない)

警察は例え正義でも身内を裏切るのってものすごく嫌うんですね。

嫌がらせや左遷は実際にあり、下手したらでっち上げの罪を被せて犯罪者にすることもありそう。この日本で。

内部告発や内部調査もしっかりできるような仕組みになってほしいですね。


この道警シリーズ、

うたう警官、警視庁から来た男、警官の紋章、巡査の休日、密売人、人質、憂いなき街、真夏の雷管

と8作あるようなのでこれから楽しみです。



今日はここまで。




私自身、29歳の若さでデビューし、書いていけたのには、それまでに多くの本を読み、多くの映画を観ていたことが大きかったと思います。本、舞台、映画、何でもいいので、若い人には、知らない世界に意図的に手をのばす貪欲さを持ってほしいと思います。/佐々木譲




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