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南信州・伊那谷の文化とワクワクな暮らしを発信〜「伊那谷回廊」に込めた未来への希望〜

長野県の南部には「南信州」といわれる地域があります。
南アルプスと中央アルプスにはさまれたこの地域は「日本最大の谷間・伊那谷」とも呼ばれ、その地域性から数々の伝統文化が大きく形を変えることなく、現在も人々の手によってつながれています。

そんな文化や芸術、伝統、芸能に関わる人の活動やイベントなど、2018年より不定期でフリーペーパー「伊那谷回廊」として発信してきました。(2024年1月現在8号まで発行)
毎号多くの反響をいただき、様々な形で関わってくださる方も増える中、遠方からもWEBでの情報発信を望む声も多いことから、動画配信のほか、この度noteでも発信を始めるに至りました。

今回は、伊那谷回廊を作り始めた背景と、伊那谷回廊を通じて南信州をどうしていきたいのかについてお話させていただきます。

【おことわり】
南信州とは厳密には天龍村~下伊那郡松川町・大鹿村までのことを指します。一方、伊那谷とは天龍村~諏訪市南部までのこととし、指しているエリアは伊那谷の方が広いのですが、「伊那谷回廊」では本来伊那谷と呼ばれる地域を「南信州」として表記することもあります。

伊那谷回廊の発行元である合同会社伊那谷サラウンドおよび代表の北林の想いについては、こちらの記事で紹介しています。
よろしければご一読ください。

https://note.com/inadani_kairou/n/nc6ede769f1a0



南信州の人々の熱い想いを知ってほしい

■ 伊那谷回廊をフリーペーパーにした理由

Web全盛の時代に、なぜ最初にフリーペーパーというアナログな方法を取ったのか。その理由を当初はよく聞かれました。

そもそもなぜフリーペーパーを作ろうと思ったのか。

伊那谷回廊を創刊する前、代表の北林は、南信州でJAZZの野外ライブを企画開催していました。その際、地元のアーティストや地域の方々とお話する機会が多々あり、それぞれが持っている南信州に対する熱い想いを知りました。
中にはユニークなお仕事や活動、ライフスタイルを送っている方もいて、それぞれが伊那谷での暮らしを楽しみつつ、想いを持って集っている様々な現場に居合わせたのです。


飯田市千代で開催「伊那谷サラウンドJAZZ in ごんべえ邑」2014.10.11
2組のアーティストを迎え、美しい夕焼けに包まれながら終演


グラフィックデザイナーである北林は、仕事柄取材をする機会も多く、出会った人たちから聞く話はとても興味深い内容ばかり。そして、自身も南信州を盛り上げていきたいと考える住人の一人としても「それを自分が聞いて終わりにするのはあまりにも勿体無い」と感じ、伊那谷回廊を創刊するに至ったのであります。

南信州に限った話ではないかもしれませんが、特にこの地域には暮らしや文化に誇りが持てるものが多いと感じています。ただ、普段はそれらが埋もれてしまっているだけで、そこで暮らしている人も気がつかない、あるいは素敵な人々が自らの想いや考え方を言語化できないだけかもしれません。
そこにたまたま北林が伊那谷回廊を創刊し、想いの言語化や視覚化を実現したのだと思います。


■ Webではできない「手渡せる」メリット

なぜ紙媒体なのか?もともと北林が紙を中心とするグラフィックデザインを得意としていたという理由もあります。
しかし、それ以上にWebでは実現できないメリットもあるように感じています。その中で最も大きなものが「自ら手渡しにいける」ということ。

完成した時に設置してくれるお店の人やお客様に手渡せるフリーペーパーとすることで、人と人が触れ合える機会となり、仮に興味がない人でも目の前に1冊のフリーペーパーがあれば、何かの拍子に目を通してもらえるかもしれない。
Webは早く広く情報を届けられる魅力がありましたが、創刊当時は、まずは多くの地元の人たちにその価値を知ってもらいたいという思いがあり、フリーペーパーとして発刊することになったのです。


■ 「こういうの、待ってた」という地域の方の声

実際、伊那谷回廊ができたばかりの時にも、内容を見て「こういうのを待ってたんだよ」「ぜひ置いて行って」と声をかけてくださることもありました。
完全に個人で作っているフリーペーパーで、不定期でしか発行できていないにも関わらず、今でも待ってくださっている方が大勢います。
それだけ地元の人は、地域の人の考え方や想いに触れる機会を待っていたのかもしれません。
また、取材させていただいた相手からも自らの思いを発信できる喜びのお声をいただくと、制作側としてもとても嬉しく思います。


伊那谷回廊の今後

伊那谷回廊は、現在南信州のお店や役場など、計100か所前後に設置していただいています。また、BASEでも販売していますが、毎度新刊を楽しみにしてくださっている方もいらっしゃいます。北林がひとりで始めたものにも関わらず、本当に嬉しい限りです。

現在はコロナ禍を経た南信州では、地域の文化を発信する媒体も新たにできたり、さまざまなイベントも各地で開催され、より活気に満ち溢れた地域となっていて、暮らしの価値や魅力、地域の歴史といった部分を理解しながら心地よい暮らしを楽しむ人が増えてきたように感じます。

伊那谷回廊には、南信州に住む人が自分の暮らす地域に誇りを持ち、「地域の魅力の再発見」をしてほしいという願いも込められていましたが、徐々にそのような人たちも増えてきたこのタイミングで、これまでの【フェーズ1】は終わりにしようと思います。

そして、これからはこの魅力や地域の宝を、南信州の外側にいる全国や世界中の多くの方に、この暮らしを知ってもらいたい。そして、文化芸術が生活の中に自然にある暮らしの豊かさ、楽しさを少しでも感じていただけるよう、舵を切ってまいります。


伊那谷回廊2つの構想

南信州の主要都市である飯田市は、リニア中央新幹線の開通が決まり、今後多くの人が南信州に足を運んでくれることでしょう。


それに伴って、伊那谷回廊の編集に携わる私たちが描く2つの構想を、最後に紹介させていただきます。

■ ワクワクしながら取材に臨む!
広報チーム・編集部員募集

伝えたいことはたくさんあっても、人手が足りていないのが現状。
そこで、伊那谷回廊では以下の職種を募集中です。
(スキルの基準はありますが、まずは気持ちや好奇心、やる気が大事!薄給ですが謝礼をご用意します)

  • デザイナー

  • ライター

  • インタビュアー

  • 編集

南信州で暮らしていない人でも、南信州に興味がある人、やりがいを持ってできる人なら大歓迎。
特に取材をさせていただく方は、エネルギー高く道を切り開いてきた方が多く、文化を紡いできた熱量が半端ではありません。
なので、ビジネスライクで終わってしまう人、取材相手にリスペクトがない人は、伊那谷回廊の仕事は向いていないかもしれません。
一緒に楽しんで地域の魅力を伝えたい、という方と伊那谷回廊を作っていきたいと思っています。

もしご興味があれば、以下の問い合わせフォームからお問い合わせください。


■ 五感を刺激するイベントスペース&レストランをつくりたい

将来的にはこの地域の文化や芸術、伝統、芸能を日常的に楽しめる場所を作りたいと考えています。南信州の食を堪能しながら芸術を楽しめる文化的空間。小さな雅叙園といったイメージです。そこで南信州の魅力に触れてもらいたい、それが私の願いです。

形になるのはいつか、まだわかりませんが、伊那谷回廊を通じて南信州を盛り上げたいという想いは今も昔も同じです。

■ 最後に

今後伊那谷回廊を通して、人とのつながり、伝統文化のつながりをより魅力的なものにし、地域の未来を多くの方と共に築いていきたいと思っています。

南信州の紡いでいくべき文化が、多くの人に届きますように……。


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