あまり語られることのない「仕事におけるキャラクター」の重要性。
仕事をテーマにした話であまり語られませんが「自分のキャラクターが認知されていると仕事がやりやすい」と思っています。仕事論としてはマネジメントやタスク管理、フレームワークなどが一般的で、キャラクターの重要性についてはほぼ語られない印象です。会社という組織で動くにしても、自分がやりたい仕事に注力するにも、顧客とプロジェクトを進めるにおいても「自分のキャラクターをどう設定するか」「キャラクターを周囲にどう認知してもらうか」という視点はかなり大切だと思っています。
それは自分をプロデュースすることでもありますが、「自分はこういう人間ですよ」ということを他者に理解してもらう補助線として役に立ちます。自分を理解してもらうことは仕事の進行に大きく関わります。Web制作や活用支援といった長いスパンでの仕事において「稲田さんはこういう人だから◯◯と言うに違いない」とか「稲田さんだったら喜んでくれるだろう」と予測してもらえるようになるのは結構な武器になります。自分のキャラクターがフレームのひとつとして機能するので顧客が先回りして考えてくれて話が進めやすいし、テーマも自然とまとまります。自分というパーソナリティは他者の頭の中にしかないので手を出せないものですが、キャラクターという意識を持つことで自分の行動を第三者視点で見れるようになります。どう感じとってもらうかは人それぞれなので制御不能ですが、少なくとも自分は意図をのせて行動できるようになる。これが大きい。
また、プロジェクトの内容や顧客の状況によってキャラクターを調整することでコミュニケーションの最適化にも役立ってくれます。「今回はこういうキャラクターを試してみよう」と考えることで自己演出の指針になってくれるので。何の手立てもなく丸裸で臨むのと比べれば、キャラクターという仮説があるだけでずいぶん楽です。 たとえば裸一貫で会社を大きくした初代社長がお客様の場合と、息子さんである二代目社長がお客様の場合とではぼくはキャラクターを調整しています。初代社長の場合は熱量を軸とし、二代目社長の場合は共感を軸にします。これは人によってそれぞれだと思いますが、大切なのは「自分はどんなキャラクターがこの仕事に向いているだろうか」と自覚的になることだと思っています。そういったことを何も考えずに仕事をするのは何の装備ももたずに裸で臨むようなものなのでぼくは逆に怖いです。
「仕事におけるキャラクター」とTVプロデューサーの佐久間宣行さん
「仕事におけるキャラクター」についてはぼくが好きなTVプロデューサーの佐久間宣行さんも同じことを言っていて、各インタビューで話しているのでよかったらご覧ください。 以下、すこし引用します。
インタビュー1
インタビュー2
『佐久間宣行のずるい仕事術』
佐久間宣行さんが仕事について書いた『佐久間宣行のずるい仕事術』もめちゃくちゃ面白いのでお薦めです。この本でも仕事におけるキャラクターについて書かれています。この本はすごく売れて、「読者が選ぶビジネス書グランプリ2023」の総合グランプリを受賞したそうです。お薦めです。
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